2018年5月7日月曜日

「~~すれば大丈夫」

4月26日(木)は、岩場リード講習にて、天王岩。
女性NBさん。
2つ前の記事、「安全圏と安心圏」の元ネタとも言えるような話。

ボルト2本目が高さ4mにあり、ボルト3本目が8mにあるルートを想像してみます。
墜落距離を考えると、3本目の直前に落ちるとグランドします。

ボルト2本目は高さ4mですが、実際にはヌンチャクを掛けるので、クリップしたカラビナは3m70cmとかの高さになってしまうというのもあります。
墜落距離は、ランナウトの距離×2+αで計算しますが、この+αが実際かなり大きいというのもあります。
<まさに、2本目からランナウトして、まだ3本目にクリップできない状況>

しかしながら、こういうルートでも
「ボルト2本目まで掛ければ、グランドは無いから。2本目までは気を付けよう。」
と言ったオブザベをする講習生は、過去にも数多いです。

で、落ちる練習を経て、自分の勘違いに気づくという流れ。

もちろん、「墜落距離計算の本質が分かっていない。」というのもあると思います。
ただ、最近はもう1つの可能性を感じています。

「2本目以降は、グランドは無い。」という法則を受け入れると、リード中に考えることが1つ減って楽になる。
という心理的な要因です。

「~~さえ守っていれば、事故はそうそう起きるものではない。」
って考えると、気持ちは楽になりますからねー。
ちょっとした思考放棄でしょうか。

「手繰り落ちさえしなければ。」
「1本目さえクリップすれば。」
「ロープさえ付けとけば。」(山で)
「固めどりさえしとけば。」(クラックなどのNPで)
色々あります。