2017年10月31日火曜日

暗中模索

10月27日(金)は、1コマ目がリード2回目。
女性IKさん、男性Yさん、女性KDさん。
2コマ目がリード1回目。
女性SBさん、女性STさん、男性HWさん、女性FIさん。

翌日の10月28日(土)も、雨中止からの問い合わせにつき、新規女性SSさんのムーヴLv.0。
講習の頻度について、質問をよく受けます。

オススメは、自分の練習:講習=3:1です。自分の練習が多い分には、もちろん大丈夫です。
それより講習が多いと、頼り過ぎになるイメージなので、どうしても将来的な自立が難しい気がします。

自分での試行錯誤はなかなか難しく、初心者時代には暗中模索の雰囲気を漂わせ、モチベーションが下がることもあると思います。
あるいは、怪しげな先輩の言うことを鵜呑みにせざるを得ない状況になり、それはそれで闇に迷い込むこともあるでしょう。

※ある程度できる人の中でも、人によってやり方が異なることも勿論あります。流派みたいなイメージ。ただ、それ以前に「そんなの、ジムでも岩場でも上級者っぽい人は一人もやってねーぞ。」と思うようなことを教えている場面も見かけるので。
湯河原とか、三ッ峠とか・・・。
暗中模索から試行錯誤。
永遠のテーマかもしれませんが、乗り越えるように意識していきましょう。

とりあえず、最初は暗中模索で3回ジムで登り、1回講習を受けるでも構いません。
講習の中でも、試行錯誤へのステップをお手伝いします。

頑張っていきましょう。

2017年10月29日日曜日

甘いジャミング

明日、10月30日は山の知り合いを増やす会です。
新しい方も2人参加希望ですので、忘れていた方は是非とも思い出してくださいませ。

10月26日(木)は、クラックリード講習にて、小川山。
UDさん夫妻。
甘いジャミング、という言葉は難しいと思っています。

自分にとって「甘い!」と思った箇所でも、大先生はバチ効きかのように登って行く姿、誰もが目にするところと思います。
<カミイルート>

現時点での私の理解では、甘いにも2種類あります。

①徐々に抜けてくる
②効く方向が限定される

①は、基本的にはダメだと思います。
次がよほど易しくて一瞬で効くジャミングとか、比較的マシなホールドならどうにかなるので、禁忌とまでは言えません。
が、誤魔化しっぽいムーヴになること必須です。

②は、ムーヴさえ気をつければオッケーです。
ジムクライマーには「スローパーっぽく効かせて」、本チャン系の人には「アックスが抜けないように一定方向の力を維持するイメージで」、などと言うと伝わるような感触です。
反対に、バチ効きとは何ぞや、とも思います。

「足が切れても落ちないぐらい」と言うイメージもありますが、私の場合は「外にも引ける(インカットしたガバ、抜けそうになく決まったアックス、など)のでムーヴの自由度が大きい状態」、と理解しています。
<ちょっとした高所作業>

本日の2人は、「ムーヴの力学に強い」というか、そもそもジムでは私より強いので、ここまで説明する必要があったかは不明ですが。
とはいえ、反応が良いので面白いです。

ただ、そんな2人でもカムセットやロープワークは、当塾で始めた人と全く変わらないぐらいのレベル感なのは、それはそれで興味深いです。
コツコツ頑張っていきましょう。

ノーレスト

10月25日(水)は、リード1回目。
1コマ目が男性Yさん、2コマ目が女性HNさん、男性NMさん、男性FYさん。
<以下の話に登場する5.10a>

どのくらいレストすべきか、というのは案外難しい問題です。
タイミング、長さ、あらゆる面で。

オンサイトトライのように、先を読む必要があれば、長居しても平気な場所を見つけることが重要です。
レッドポイントトライのように、先が分かっていても、どの場面でどれだけレストするかは1つの悩みどころです。

少なくとも分かっていることは、全くレストしないのも通常は有り得ず、全ホールドでレストするのも通常は有り得ない、ということぐらいです。
この中間、程よいところに正解を求めていきます。

さて、本日の講習中、こんなトライがありました。
5.10aをトップロープにて。
3分の2ぐらいまでは、比較的ホールドも良く、5.8並みのガバも時々出てくるぐらいの構成。そこまでは、「疲れてないから」という具合にノーレストでゆっくりと登ります。
そこから核心が始まり、ムーヴが分からず行きつ戻りつ。「核心じゃ休めないから」という訳で、ノーレストで頑張り続けて、苦しみつつ突破。そして、完登。

結果的には易しいセクションも難しいセクションも、難しいセクションの入口も、全てノーレストでした。
もちろん、初心者あるあるですから、特殊な事例ではありません。
でも、何とかしたいですね。
これから頑張って参りましょう。

2017年10月24日火曜日

ヨーヨーもどき

10月24日(火)は、自分のクライミングにて、瑞牆のツル岩。
N田くんと。

「我ながら、三流クライマーらしいなー。」という、マイブームです。
<アップ中>

リードでフォールしたら、通常はハングドッグを始めます。

講習生のレベルだと、オンサイトトライ、ハングドッグによるムーヴ解決、のいずれかが極端に苦手なことが多いので、ここから下の話は無視してくださいませ。
<ぷりんぷりん(5.9)>

で、例によって卒業生やら友人やらに、思ったことを呟きたいレベルの話です。

テンション入ったら強制的にロワーダウンさせられて、ムーヴ探り、ホールド探り禁止というスタイルもあります。

このスタイルは、
「テンションは擬似フリーソロで死んだのと同じなので、潔く降りましょう。」
っていう理念もありそうですが、いまのところ共感できません。

一方で、落ちた箇所より上を2トライ目もオンサイトっぽく楽しめる、という部分には共感できます。
<ツル岩の西面>

とはいえ、ハングドッグしないとムーヴ解決しないルートとかは、このスタイルだと即封印です。
だから、個々のムーヴは1発で出来そう、というルートにしか適用できません。(もしくは、徹底するなら封印することになる。)

つまり、オンサイト出来そうなのに凡ミスやら、ムーヴ選択の賭けで外れクジ、などの特定の状況では、ハングドッグ無しも意外と面白いような気がします。
特に、「どうせテンション入ってるし。」とばかり、全ピンでテンションしながら後半部の最適ムーヴを探して、2トライ目が消化試合っぽい完登になった経験が数々ありまして(笑)。
<一時的な晴れ間>

ハングドッグ禁止ではなく、オンサイト(フラッシュ)トライ失敗時の選択肢として考えておく、ってのは面白いなと思っています。

ちなみに、何が三流かというとですね。
・徹底しないスタイル(遊び)なのに、喋っちゃうところ
・オンサイトできそうな課題を失敗しちゃったとき、という後ろ向きな話題
・強い人は、とっくの昔からやってそうなこと

練習になる部分もあるし、非効率っぽい部分もありそうです。
ただ、99%勝てそうなレッドポイントトライよりは、2~3割落ちそうな本気トライとして充実している気がします。
<バカアーサナをR.P.するN田くん>

具体的に登ったルート
・ぷりんぷりん(5.9、ハンド) 再登
・バカアーサナ(5.11d、NP&B) フラッシュトライで、ポロっと落ちた。が、テンションしたら、すぐにキーホールドの見落としに気付いた。このままハングドッグすると、2トライ目は消化試合っぽくなりそうだったので、ここで降りることに。で、2擊。
・ほったらかし(5.12b、ボルト) フラッシュトライでフォール。以下、ハングドッグしてムーヴ解決。合計4トライするも、核心ムーヴの確率が悪すぎて登れず。

うーん、ほったらかしは登りに行きたいです。

2017年10月22日日曜日

ジム日記

雨続きで、ジムに行く頻度が増えますね。
さて、個人的な練習記録で、感想です。

パン2にも慣れ始めて来て、まともなトライが出来るようになってきました。
小ツナミのオレンジ(5.11d)がオンサイト出来て、初の5.11後半のオンサイトです。
この1年、パン2で自分の中で割と集中して行けたオンサイトトライは、全てフォールしていたので、嬉しい限りです。
(余力を持ってオンサイト出来るルートは、自分でもスポーツっぽさを感じないので。)

あと、宿題だった奥壁の紫(5.11d)も3トライして、回収できました。
今後も、ときどき行って5.11のオンサイト修行を頑張りたいところです。
ツナミは、次やるとしたら5.12bとなり、相当な便数を覚悟しなければならない雰囲気なので、しばし間を開けようかなと。傾斜慣れという意味では、5.12aの再登をインターバルトレーニング的に反復しないと、越えられない壁かもしれません。

ちなみに、ホームジムのランナウトだと一応はオンサイトトライを頑張っているものの、やはりホールドを知り尽くしているだけに、オブザベが当たり(?)すぎてオンサイトと呼べるか微妙です。
とはいえ、オブザベの練習効果は感じるので、今後も続けます。

ところで、ウォームアップ中に動画を撮ってもらいました。

そこで、
①右肩が上がりがちであること(首をすくめて登っているように見える)
②首がフラフラしていること
③軟体動物のように、フワフワ登っていること(メリット、デメリットが両方ある)
という指摘をいただきました。

①は、左の方がマシで、自分でも違和感がないので、それに合わせたいところ。
②は、5年ぐらい前にも指摘されたことがあり、自分ではだいぶマシに感じていましたが、動画を見たらイマイチでした。
③は、自分で動画を見ても「こんな登り方のクライマー、見たことないかも!」と思う風変わりな登りに見えました。軸を意識してみたり(体幹しっかり)、軸を崩してみたり(全身脱力っぽい)、色々実験してみますか。

2017年10月21日土曜日

ボルト穴の数を数える

10月19日(木)は、リード3回目にて、女性ODさん、女性HNさん、男性MJさん。
ムーヴLv.0にて、女性KDさん、女性KKBさん、女性KBTさん。

続けて、10月20日(金)は、ムーヴLv.1にて、女性FSさん。
<最近、色分けセットが多くなったランナウト>

ジムでの距離感把握のために、ボルト穴の本数を使うという方法があります。

横リーチだと、何本分。
縦リーチだと、何本分。
アンダーだと。。。
水平ホールドの下引きを維持して行くと、何本分まで届く。。。
などなど。
常に使える訳ではありませんが、オブザベの足しにはなるかなと思いますよ。
特に、初心者はオブザベ時にとんでもなく狭い足を想定していたりするので。

詳しくは書きませんが、ちょっと実験してみると分かりますよ。
さて、本日でODさんとMJさんは、ジムリード講習を卒業といたしました。
MJさんは、普段ボルダラーだけあって、相当登れますね。5.11aをオンサイトしましたが、読みとメリハリが素晴らしいトライでした。

2017年10月19日木曜日

一次情報VS二次情報

10月18日(水)は、自分のクライミングにて、小川山。
カメロパルダリス佐藤くんと。
<たぶん、10年以上ぶりに来た兄岩>

今回トライしたルート、100岩場における情報は、
「5.11c,R,NP&B」です。

これを見た感覚としては、
5.11c ⇒ プロテクションが良いクラックルートでも、オンサイトで落ちる可能性は50%以上に感じる。
R ⇒ 落ちない方が良いくらいのランナウト(大怪我のリスクあり)

という訳で、やらない判断が妥当だと思います。
<最近、めずらしい晴れ>

一方で、「案外大丈夫かも?」という方向で考えると。

・このルートは、岩峰の頂上付近に位置しており、ビレイヤーより下に落ちるような事態になったとしても大怪我のリスクは少なそう。(マガジンより、さらに右壁側なので)
・途中にリボルト済みのボルトも見えており、中間部にテラスらしきものもあり、少なくとも中間までは安全にトライできそう。
・隣の易しいルートからの回収も可能そうに見える。
・昔よりカムが豊富になっていること、単純なトポの書き損じなどもあって、Rが「そうでもないじゃん」という可能性もある。
・見た目には得意系で、登れそうな気がする。

という訳で、Rは避けがちな私ですが、二次情報よりも自分の目を重んじるべしと信じて、トライ開始。
<マガジン>

本題からそれますが、一応トライの顛末をば。

何度もクライムダウンをして、ようやく意を決して中間テラスからの数ムーヴを越えます。
トポの表記と違って、落ちても大丈夫だけど少しランナウト、という感覚なのは救い(笑)。
(終了点まで、あと4mほど。自信のあるカムは、ちょうど足元ぐらい。「ここで1本確実なのが取れれば、最後はランナウトしても頑張れそうっす!」という場面。)

とはいえ、クラック自体はカムセット出来そうなものの、セット体勢自体の見込みがどうしても立たず、怖さに吠え気味で四苦八苦する私・・・。

ところが!
ここで、左壁に逃げるラインがあることが発覚!
左壁にはルートがあるけれど、そこはもう終了点直下で易しいのです。

左壁に入ってしまい、大レスト後に、意地で右のクラックラインに戻ろうと試みるも、結局は中途半端なラインでトップアウト。

むー。完登と呼べるかどうかは、その人の立場によるという微妙な結果に・・・。
<佐藤先生の右下のクラックが、Get It On>

話を戻すと、二次情報の代表例は、グレード、誰が何トライで登った、など。

見た目に全く無理そうでも、手頃がグレードが付いていたり、自分より弱そうな人がトライしているのを見ると、「行けんじゃないかな?」と思ってしまうアレです。
逆に、自分より強いクライマーが苦戦していると、自分の得意系っぽく見えてもビビってやめてしまうアレです。

二次情報は有用ですが、これは二次情報なんだと自分に言い聞かせると、冷静になれそうです。
<ナツコのナッツ(5.11a)をオンサイトする、佐藤先生>


ところで、佐藤先生いわく「過去最長クラスのビレイ時間」だったそうで、1時間30分~2時間ぐらいトライしていたそうです。
一緒に行くのをためらうレベル、だそうで。

ハングドッグでのムーヴ探りとか、30m以上のロングルートならともかく、オンサイトトライで1時間30分越えってのは、15mほどのルートでは珍しい気がします。

あれだけ時間を掛けなければ、結果はさらに悪かったので、トライ自体はしたいのですが。
垂直以下のオンサイトトライは心が折れなければ、粘りまくってしまいます
いつも御迷惑おかけしております。
具体的に登ったルート
・八王子ルート2P目(5.7、コーナークラック)
・もみじ(5.10a)ボルトだけどNPで登ってみた。1、2本目までのボルト無視は自然だけど、3本目の無視は易しいけれどプアプロって感じ。。
・ウォーリーを探せ(5.11a)ボルトだけどNPで登ってみた。こちらは、1本目の無視がPDっぽくなる。ただ、右に逃げ気味のラインで登ったので、例によって完登と言えるかは不明。
・Get It On(5.11c,R,NP&B) 上記のように、たぶんルートの完登では無いけれど、自分的にはこれでオシマイということにします。どちらにせよ、RというよりはPDの方が適切そうな気がします。
・反射炉はデイドリーム(5.11b、ボルト) フラッシュ。立木が怖いっす。

なんだかんだ、本日は怖いことばっかりやってました。
次は、プロテクションの良いクラックか、スポートルートが良いかな。

ところで、火曜日にパン2に行って、ツナミの紫(5.12a)がR.P.出来て、相当嬉しかったです。通算2日間、6トライ。
前回までは、1トライ毎に2時間ぐらいレストして、前回より到達高度を伸ばすレベルでした。今回は、1時間レストでも到達高度が伸びるぐらいには回復出来るようになったので、大きな進歩を感じました。
ムーヴが慣れたのか、フィジカルが上がったのかは不明です。

2017年10月16日月曜日

仮想トラブル

10月14日(土)、15日(日)は、どちらもロープワーク講習。
1日目が女性UHさん、NSさん夫妻。
2日目が男性STさん、女性DIさん、女性NMさん。
2日目、NMさんのご質問。
ビレイ中にロープが絡んでしまった、というシチュエーションのうちで、以下のケースは対応可能でしょうか?

①ロワーダウン中で、クライマーは壁から完全に離れてしまっている。(被っている、など)
②気づくのが遅れたりして、絡んだ結び目がATCに食い込んでしまった。
③岩場で、周りにほかの人は居ない。
④ビレイヤーは、ギアを持っていない。

わりと、シビアな状況ですね(笑)。
ありそうな話ですが、意外と耳にすることはない話でもあります。

ただ、この話を突き詰めると、3人に丁度いいぐらいのトラブル対処練習になりそうだったので、午後はこの話をば。

全条件がそろうと、現状の3人には解決できそうもなかったので、①をマシな状況と仮定して解決してみたり。
同じく、②、④についても状況をマシだと仮定して、解決してみたり。

ディスカッション課題として、なかなか良いものでした。
前述の通り、ありそうで無い話なので、一見すると無駄な練習です。
しかしながら、出てきた技術自体は、基本(普段、ロープワーク講習でやるようなトラブル対処技術いろいろ)の組み合わせでした。

ロープワークというのは、本質は同じなんでしょうね。
疑問点が湧いてくることが多いNMさんに、感謝です!

感性

10月13日(金)は、ムーヴLv.0が2コマ。
1コマ目が、女性KNさん、男性TGさん、新規女性FIさん。
2コマ目が、女性KKBさん、男性Mさん、男性TBさん、連続受講で女性FIさん。
スラブの5.6にて、全ホールドでレスト態勢を作る練習を何回かやったのちに、5.7にチャレンジという場面。
5.6はいわゆる全ガバですが、5.7はカチとか、小さめのガバとかも混ざって来ます。5.6と同じくらいの大ガバも、ときどき出てきます。

登り終わった本人に感想を尋ねると、
「ちょっと悪い手のときに、エイヤって行っちゃったりしたんだけど、そんなときこそレストした方が良かったのかな?」
というイメージ。

なるほどなるほど。
レスト戦略の原則からすれば、大ガバがレストポイントになります。
でも、悪いホールドのときほど安定させたい、というのも1つの真理ですし、その一形態としてレスト態勢はオススメ出来るものです。

それはそれで、進歩に繋がりそうで、良い感性だと思います。
そのまま、試行錯誤を続けて頂ければと思います。
さて、FIさんはジムリード講習に進んでO.K.といたしました。
もしよかったら、引き続きよろしくお願いします。

2017年10月14日土曜日

いまさら三ツ峠

10月12日(木)は、マルチピッチリード講習にて、三ツ峠。
女性HSさん、男性ITさんのペア。
<富士山をバックに>

中上級者には悪いイメージが付きまとう三ツ峠ですが、卒業生には是非とも登ってほしいと思っています。
<今回は、大きな凹角に目を付けた2人>

当塾のマルチピッチリード講習は、残置無視&トポ無視で、初登攀のつもりで自分でラインを引く、という設定で登っていただいております。

これには、この講習スタイルが最も安全管理を覚えやすい、という私の考えもあります。
(「残置やトポを追い掛ける登りは、リスク計算を忘れがちなので、初心者にオススメできない。」ということの裏返し。)
<1P目>

一方で、この登り方自体に興味を抱いてくれる方も多くて、
「自分が登りたいラインを自由に登れるって、素敵じゃない?」
といったポジティブな感想も多く届いて、私も嬉しいです。

今回は、そう思ってくれる方に向けて。
<ビレイ点作業>

これを谷川岳や剣岳、瑞牆で実践するとなると、やはりそれなりにハードルを感じるのも事実です。

ここで、残置アリにする、トポは見て行く、強い人に連れらマルチに甘んじる、フリーは諦める、などなどの妥協策もあります。(ちなみに、この4つに順位はあるのでしょうか?)
<フォロー>

ただ、「三ツ峠があるじゃないですか!?」と私は思います。

妥協策で経験を積むことが、悪だとまでは言いません。

安易な妥協癖は達成感を奪い、成長を止めます。
でも、妥協を最小限にしようと努力する中に葛藤があれば、多少の妥協があってもクライミングは意外と充実します(笑)。
その葛藤の中で、成長もします。
これも、私の正直な感想ではあります。

しかし!
やっぱり、妥協なしも色々と良いのですよ!
初登攀ごっこで、完璧なオンサイトも、たまにはしちゃって欲しいなと。

入門ルートであってもキッチリと自分の中で完登とカウントできるものを重ねて行くことは、とても意義深いものだし、亀の歩みでも確実な成長を支えてくれます。
<2P目>

三ツ峠は、クラックが豊富で、途中ピッチをバリエーションで登ることを考えれば、本当に何十通りものラインが引けると思います。

しかも、ハンド~チムニーなどのサイズも豊富で、傾斜も核心部でも垂直前後まで、スタンスが散見されてレスト中に戦略を練るにも初級者向けです。(5.8くらいで引けるライン多数)
テラスが豊富なので、マルチピッチの高度感も緩和されます。
<4P目>

とはいえ、立木が無いセクションもあり、カムでビレイ点を作るために手玉計算をする必要があったりと、意外と考えさせられるのも魅力です。

頂上までトップアウトすれば、ピッチ数を稼ぐには効率が悪くても、登山とクライミングの融合を体感させてくれますよ。
ここまでオススメするからには、一応マイナス要因対策も・・・。

土日の大混雑に嫌気がさす人も多いでしょうから、やはり平日がオススメではあります。
ある程度強いクライマーなら、混雑したラインを避けて初登攀ごっこを楽しむぐらいのことも出来るでしょうけど。

また、初心者時代に残置あり、トポありで、山岳会の先輩に連れられ、A0混じり、などで登りまくってしまった方には、三ツ峠での初登攀ごっこが困難になってしまうかもしれません。
こういう方は、別の岩場で遊んでくださいませ。 (まぁ、ありそうで少ないので、私は今回三ツ峠をオススメしているのだけれど。)
<チムニー>

ちなみに、数年前よりも明らかにクラックラインにハンガーボルトが増えてしまって、これは悲しい限りです。
カムが使えないのか、何なのか。

クラック脇にスポートルート並みの感覚でボルトが並んでいると、
「何がやりたいのかな?三ツ峠は、山の練習場じゃなかったっけ?」
と不思議な感覚になります。
<最終ビレイ点>

マイナス要素はこれくらいにして、たまには三ツ峠で登りこむのはいかがでしょう?
1日1本、良いクライミングをするだけでも、忘れかけていたクライミング観がくすぐられるかもしれませんよ。
<チムニーを楽しむ>

<トップアウト>

2017年10月13日金曜日

片手バランス

10月11日(水)は、リード1回目。
女性SBさん、女性STさん、女性KDさん。
クリップ態勢というのは、片手バランスです。
いわゆるレスト態勢も、片手バランスです。

また、次のホールドに手を出すためには、保持しているホールドで片手バランスになることが多いです。
(スタティックムーヴが典型。例外として、ちょっとした反動を付けるときや明らかなダイナミックムーヴなどでは、意図的に5分5分や7分3分を初動の荷重配分にすることも多い。)

ってなわけで、両手でホールドを持ったまま安定していても、不十分です。
片手になるタイミングで安定することを知れば、初心者的には、ちょっと進歩だと思います。
ムーヴ議論の大前提になってしまいがちですが、講習生にその話をすると、
「言われてみれば、そうかも。」
ぐらいになることが多いので、案外重要なテーマかもしれませんね。

2017年10月11日水曜日

バイシクルダイク、河

10月9日(月、祝日)は、自分のクライミングにて、小川山。
S本先生と。

屋根岩1峰のバイシクルダイク(5.11d)、河(5.11c)の2本。
どちらも、60°~80°くらいのスラフェース。

特に、河には「1本目までが高いので慎重かつ思いきって」といったビビらせる文章が!
これが、限界グレード付近ならやめておくのが人情ですが、今がやりどきかなーと思ってゴッド先生の誘いに応じて。

3本ほどアップして、昼前にルート前に移動。
しかし、日当たり良好、本日の気温高し。
3時間ほど日陰待ちをして、河を無事にオンサイト。これ、わたし有利すぎる課題っす。

その後、バイシクルダイクは1トライ目では、1本目直後のムーヴが出来ずに敗退。
2トライ目は、4本目直前でフォール。
夕暮れ直前、15分くらいだけ休んで、泣きの3トライ目でようやくR.P.できました。

ローリングS本先生の勇士が無いのは、申し訳ない限りです!

ちなみに、翌日は、湯川で1人掃除。
パートナーが見つからなかったのもありますが、この4トライで見事に指皮が終わってジャミングで岩に指先が触れるのすら嫌という状態になったので、手袋つけての掃除日よりとなりました。

不安エネルギー

10月8日(日)は、岩場リード講習にて、小川山。
男性TSさん、男性MKさん、女性Mさん、女性ISさん。
カメラを忘れたため、しばし写真なしで申し訳ありません。

女性2人に、ウルトラセブン(5.7)のオンサイトトライをして頂く際に、不安がいっぱいです。
ルートだけでなく、終了点の様子によってどう対応すべきかを聞きたそうです。
幸い、下から終了点らしきものの影は見えます。

ここで、
「ビビってんじゃねーよ。行ってから考えれば良いんだから、ギアいっぱい持ってけよ。」
と背中を押すのは、変な感じです。
“馬鹿養成システム”っていうイメージでしょうか。

あるいは
「終了点は、~~って感じになってるから、こうすれば降りられるよ。」
と解法を教えるのは、お膳立てリードになります。
普通の親切心があれば、こうしたくなりますけどね。

そのどちらでもなく、
「もし、~~だったらどうする?」
「もし、××だったら?」
と一緒に考えてあげて、最小ギアを選別して行くのは、なかなか手間も掛かります。
でも、上手く行けば不安エネルギーの有効活用だと思うんですよね。

さて、本日でTSさんは岩場リード講習を卒業といたしました。
最後に、高い窓(5.10b)もオンサイトして、立木の懸垂下降も実践して、なかなか良い感じです。

ジム記録

先週土曜日、パン2のツナミにあるオレンジ(5.12a)は、R.P.出来ました。
トータル2日間(自分が休みの日に、ジムに長居して)なので、戦績としては半年前と変わらないのですが、感覚的には自分のムーヴ能力とオブザベ能力に進歩を感じました。
時間さえ掛ければ、少しずつ自分がそこに行ったときの状況が感じられてくるので、2時間でもオブザベしていたくなるという雰囲気です。
戦績に現れない上達を喜ぶことも、長く続けるコツだと思いますので、これはこれで良しと。

ちなみに、その日にツナミの紫(同じく5.12a)も3トライして、登れず。
矛盾するようですが、戦績で見ると、あきれるほど変わらないもんですなー(笑)。
これも、チャンスがあれば登りに行きたいところです。

2017年10月7日土曜日

ダラリンビレイへの個人的疑問

10月6日(金)は、リード3回目。
女性MYさん、女性MKさん、女性FSさん、男性MKさん。
講習とは関係ないのですが、前日にビレイについてちょっとした話になりました。

「上級者のビレイは、下部でもダルダルですよね。」
たしかに、そういうのを見ますよね。

その人は、それを真似してダラリンビレイを取り入れた様子。
「ヤバそうなときは、ちゃんと弛みを取るけど、不意落ちは(グランドしても)仕方ないかなー。」
なるほど、なるほど。

ただ、個人的には1つ疑問があるんですよ。
「ある程度オブザベに自信があり、他にムーヴ選択肢が無いと割り切って躊躇なく確率の悪いムーヴを実行する」
ということもあると思います。
少なくとも僕は、ジムのオンサイトトライでは、そういう戦略を多用しています。

だから、初級者の人にビレイを頼むと、躊躇なくムーヴを繰り出したがために、「余裕そうでしたね。」と言われたりします。

ただ、本人的な感想は全く違います。
「いやいや、あそこの一手も数パーセント落ちそうだったし、あそこの足上げも10%ぐらい落ちそうだったし、あそこのヒールも抜けないか不安がありました。下部の3ピン目までだって、何回も確実じゃないデッドを繰り返してたんですよ。大体、次のホールドの掛かりが見えないデッドもあって、ドキドキもんですよ!通算したら、3割ぐらい落ちそうでしたよ!」
など。
という訳で、ダラリンビレイは、僕は自分より経験の無い人にやられたらビビります。

ただ、
「実際にダラリンビレイをしている人って、僕なんかよりよっぽど上手い人が多かったりするので、あれはあれで何とかする術があるのではなかろうか?」
という疑問もあります。
懐疑的に思いつつも、下界から天上界は見えづらい法則があるので、断定もできないというのが本音です。(ちょっと会話してみても、よく分からない。)

歯切れが悪い結論で申し訳ないですが、私の実力で言えることは、この程度です。


さて、本日の4人は全員ジムリード講習を卒業といたしました。
もし良かったら、またムーヴ講習なり、岩場リード講習なりでお会いしましょう。

2017年10月6日金曜日

今、何をする予定か

11月の予約受付は、今夜スタートです。
よろしくお願いします。

10月5日(木)は、リード2回目にて女性HNさん、リード3回目にて女性FSさん。
スタンスを選ぶ際に、「今から次のあのホールドを右手で取りに行くんだ。」とイメージした方がバランスが取りやすい位置に置くようです。
何にも考えず、梯子のように足を上げてから「そう言えば、次のホールドってどこだっけ?」と探しているようだと、バランスが良くなる可能性は低いです。

同様に、クリップしやすい足位置、レストしやすい足位置、マッチしやすい足位置、など色々あって、今から自分が何をする予定なのかを意識すると初心者ながらに割とマシな足位置を選択できるようです。

少しマニアックな表現ですが・・・。
中上級者になると、ムーヴの名称とかを使って自分なりにパターン化したものを、ホールドの配置にはめ込んでオブザベしていると思います。
「あそこは左足ハイステップして遠目の左手カチを止めて、フラッギングしたら多分隣の右サイドにスタっぽく寄せられるから、そこから横向きの反動を付けてデッドで左スローパーを止めに行くと。そしたら、多分自然と踏み替えたくなるだろうから、そこでクリップかな。あと、別ムーヴとしては多分こういうのがありそう・・・。」
といった具合。
(これは、架空のルートです。)

人間の身体は、目的を焦点化すると器用になるみたいですね。
ちなみに、先日5.12aを作りました。
水曜に春ぶりぐらいにパンプ2に行って、ツナミのオレンジ(5.12a)を丸1日トライして登れなかったので、自分のジムグレード感覚をいぶかしく思い始めております(笑)。
春にベースキャンプに行った時も、5.12aを登るのに2日掛かったし。
自分が1日で完登できないぐらいのが、5.12a?それとも、ジム慣れを考慮して、ランナウトでは数トライで登れるぐらいで良いの?

ちなみに、パンプ2での1日。
不慣れな壁のせいか、オブザベに1時間強掛かって、ようやくオンサイトトライ。最終面の入り口でフォール。
以下、1時間半ぐらいレストして2トライ目で、1手だけ前進。
1時間ぐらいレストして、3トライ目で、同じところでフォール。

フォールするところ周辺が、これといった自分に合うムーヴが見いだせず、テンション後も変なムーヴ(ホールドを効かせられてない状態での、指ヂカラ頼みっぽいヤツ)でしか解決できません。

完登は出来ませんでしたが、半年前より微妙にどっかぶりに慣れている自分を感じて良かったです。
近いうちに、もう1回行くと思います。
<暫定5.12aということで>

2017年10月4日水曜日

11月の予約受付

まとめてブログ更新しすぎて、すみません。
興味あるものだけ読んでください。

さて、10月7日(土)の午前0時より、11月分の予約受付を開始いたします。
普段は、土日は避けているのですが、今回は天気予報を見てそうしました。

さて、マルチピッチ講習は11月までがメインです。12月は、越沢のみ可能ですが、寒い日も多いです。
また、クラックリード講習も11月までは湯川メイン、12月からは城ケ崎メインとなります。
岩場リード講習は、天王岩にする可能性が高いと思います。

では、よろしくお願いいたします。

湯川しばり

10月2日(月)は、一人で掃除にて、湯川。
「さぁて、クライミングしようか。」
と思ったものの、4,5人声かけしてもパートナーが見つからず。

春、掃除不完全だった曲がり煎餅を、マシにして来ました。
あと、別ラインにも1時間だけ手付をしてきました。これがまた、私を湯川に拘束してしまいそうで不安はありますが。
<新兵器、ブランコ>

ちょっと虚しい気もしますが、夏前に作ったブランコを試して良好だったので、意味ある1日だったということにします。

岩場ごと

10月1日(日)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
女性SMさん、男性OMさんのペアで、前回途中で敗退した岩場へ。
<1P目>

講習エリアは、小川山、瑞牆、三ツ峠、越沢、二子山など、いろいろです。

基本的なシステム、リスク管理そのものは、どの岩場であっても同じです。
<慎重なプロテクション配置>

ただ、下降が易しい(登山道で降りられる)岩場、プロテクションが良い岩場、ワイドムーヴが多くなる岩場、スラブでのランナウトが多くなる岩場、ビレイ点が立木主体で簡単な岩場、残置無視でもついつい残置に目が行ってしまう岩場、など様々です。
<2P目>

それぞれに特色があって、その全ての岩場でまともにクライミングが出来るようになって欲しいと願っています。
<カム、回収中>

なんとなく、この岩場は本チャンの残置無視っぽいとか、この岩場は沢登りっぽいとか、この岩場はデジマルグレードが続くマルチピッチっぽいとか、あると感じています。
苦手を減らしておくと、将来的な可能性を広げられると思います。

経験上、特別な特訓はしなくても、コツコツと色々な岩場でまともに登ればこれは実現できるかと。
<3P目>

さて、今回は前回敗退したラインとは別ラインを取って、無事にトップアウト。
色々とトラブルはありつつ、完登もできて、良い経験が出来ましたねー。
<慎重な登り>



<ほっぺたが落ちる>

<楽しそう>

<ワイド入門?>

<よし!>

<慎重に探る>

<トップアウト直前は、いろいろありました>

<風が寒い>

<下降は、ドはまりしそうだった2人>