2017年9月6日水曜日

高度感との戦い

9月3日(日)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
男性OMさん、女性SMさんのペア。
<1P目>

この講習は、残置無視・トポ無視で
「あなたがこの壁(岩峰)を初登するなら、どこを登って上に立ちますか?」
というコンセプトで行います。

理由は
・スタイル的に妥協が少なくて、単純明快
・安全管理面で敗退シナリオを考えざるを得ない環境
・岩と向き合っている感が強烈(結果、色々と考えさせられる)

といった感じ。
<ルートファインディング中>

同じ岩を登っても、講習生によってライン取りは毎回微妙に異なります。

今回は、2人にとって大変難しい水平クラックにぶち当たりました。
(私も、そのラインは登ったことも無いし、トポにも載っていないラインです。)
<かっこいい>

リードしていたOMさん、諦めて別ラインを試すか、エイドっぽくなっても水平クラックを抜けるかで逡巡。

結局、別ラインに転戦している時間的な余裕も無さそうなので、エイド覚悟で出撃することに。
<2P目>

結果としては、数メートルをエイド。
トラバース後半部分は、5.9以下で抜けることが出来ました。
<秋晴れのような乾燥>

カムもバチ効き、傾斜も垂直で、ショートルートと変わらぬ安全設計なピッチです。

でも、3P目っていうだけでも、ドキドキ感が凄そうです。
まだまだ、現実的リスクと感覚的リスクを区別するのは大変そうです。
<3P目でビビるOMさん>

とはいえ、現状の2人の実力からすると、今回は大変な善戦だったとも思います。

実際、3P目を私がフォローした感触では、なかなか悪いと思いました。(5.10cくらい?)
2人は、クラックの5.9~5.10aぐらいがオンサイトで良い勝負ってところでしょうから。

他にも、ビレイ点作業でもカムでの支点を作ったりして、頑張っておりました。
<ビレイ点作業>

ちなみに、分かる人にだけ分かるように、今回の3P目の場所を説明すると・・・。

お殿様岩で取り付きだけ指定で、クライミング開始。(過去の講習でも使っている取り付きです。)
2P目の終了点は、ハルコ'sピナクルあたり。
そこから5mほどチムニーを登ったところから、10mほど左上するクラック。

ほとんど掃除不要なので、誰でもトライできますよ。
<高度感のあるトラバースで、ドキドキのOMさん>

ドキドキトラバースのあと、ちょっと癖のあるマントルも出てきて、最後まで楽しませてくれます(笑)。
<3P目の抜け口>

<マントル態勢に悩む>

<悩んだ結果>

<寝そべりムーヴ>

<どうにかバチ効きハンドで復帰>

それにしても、本当に善戦でした!
一気に経験値が貯まったことでしょう。
<青空に映えるOMさん>