2017年4月24日月曜日

ハウツー教育の弊害

本日は、山の知り合いを増やす会です。
今からでも、参加希望の方はメールお願いいたします。

4月23日(日)は、岩場リード講習にて、天王岩。
女性Sさん、八戸の男性TSさん。
<終了点作業の練習>

岩場初心者は、リスクに対する不安がいっぱいです。
ボルトが抜けたらどうしよう、ビレイ位置が間違っていたら大丈夫なんだろうか、終了点作業で死亡事故って聞く話だよなー。

本日、そんな初心者を教えている山岳会が居たのですが、個人的には好印象でした。
一番登れる風な先輩が、「自分もよく分からないところもあって、難しいんだけど。」というニュアンスを正直に話しながら、理屈を説明していたからです。

これなら、新人は一生懸命学びながらも「でも、きっとまだ足りないんだ。」という不安を残しておけます。
<つま先立ちが多いSさん>

実際、誰かに教えてもらったとしても、これらの不安を払拭することは難しいです。

例えば、ボルト。
新しめのハンガーボルト(古い山屋さんは、“ペツル”などと呼ぶことも)か、ケミカルアンカーなら、とりあえずO.K.としている人も多いと思います。

それで、大体の場合は合っている気もします。リングボルト、RCC、錆びが酷いボルト、などをフォール不可として分類できるので。
とはいえ、アルミハンガーとか工業用みたいな例外もあるので、困ったところ。
<結構な混雑>

ビレイも同じ。

頻繁にフォールするクライマーをビレイしていれば、必然的に詳しくなります。
ただ、滅多に落ちないチームは、「2ピン目(ジムなら3ピン目?)までは壁に寄って、そのあとはクライマーが見えるように壁から離れる。」といったルール化をしていたりします。

これまた、結構当たっているのですが、実際にはボルト間隔などから例外が多いです。
<リードで落ちる練習>

終了点作業も同じ。

詳しい人は、色々な事故例を見聞きして、軽量化意識もあって研究しています。
でも、「とりあえず着いたら必ずセルフ。終わったら、セルフ解除は一番最後ね。」というルールでやっている人もいます。

これで通用する場面も多いんだけど、例外も多いです。
これは、話すと長いので割愛。
<クラックジョイ>

この手のルールってのは、経験者が考えた「7~8割の場面で、有効。」というハウツーです。
考えた本人は理屈を理解しているので、例外にも対応できるし、「やっぱルール変更します。」って言うこともあります。

でも、ルールとして教わった方は、危険登山者になる可能性があります。
経験者から「大丈夫、安全だよ。」って言われたら、何となく大丈夫な気がしちゃいますからね。

まぁ、私自身への戒めみたいな話で、常々やってしまうことなんでしょう・・・。
講習生の皆さんも、話を聞くときは、お気を付けて!
実践本気トライ
TRさん:クラックジョイ(5.9) オンサイト
Sさん:クラックジョイ(5.9) フラッシュ

Sさん、だいぶ落ち着いてリード出来るようになってきたじゃないですか!
次回は、立木での懸垂下降もやりましょう。