2017年1月24日火曜日

グレードに踊らされる

1月21日(土)は、岩場リード講習にて、湯河原。
女性Sさん、女性ADさん、男性STさん。
クライミングの実力を表す指標として、最高グレードがあります。
ただ、長くやっている人なら、それで測れるのは実力の一部だということも知っているはずです。
講習生が自分で岩場に行った際に、アリババ(5.10b)をトライしたそうです。

その過程を尋ねると
①そもそも、マスターで取り付くのが怖かったので、他の人にヌンチャクを掛けてもらう。
(妥協その1)

②それでリードトライするも、やや怖いセクションがあって、敗退。そこで、トップロープを張ってもらう。
(妥協その2)

③トップロープでムーヴ解決したので、今度行く機会があったら、R.P.しようかと思っている。
(完登したら、そこまでの妥協は全てチャラになるか否か?)
さて、その方に尋ねると、湯河原の5.10aはほとんど登っていないそうです。
アブラカダブラ、フック船長、アボリジニ、などなど。

なるほど、飛び級しております。

アブラカダブラ(5.10a)をトライすれば、オンサイトできないまでも、マスターでトライも出来るし、数トライでR.P.できるかもしれません。
「順番的には、そっちが先じゃないでしょうか?」という意味で、飛び級です。
湯河原に1回行く毎に、5.10aを1本ずつ登って行く人は、アリババ(5.10b)をトライするまでに、5日とか10日かかるかもしれません。

いきなりアリババにトライする人は、3日目くらいには初5.10bを手中に収めているかもしれません。

この場合、最高グレードは5.10bになるわけですが、だからとって5.10aが楽々になる訳ではありません。
特に、このケースだと初5.10bのために、ヌンチャクを自力で掛けることや、トップロープしないで頑張ることを妥協しています。言ってしまえば、下駄をはかせてもらった最高グレード、とも言えます。
ま、どんなに下駄を履いてでも、最高グレード更新は嬉しいですけどねー。
自分より強い人と一緒のときに、プレッシャー少なく最高グレードに触りたい、という人も多いです。
問題は、その下駄を脱ぐ日は来るのか?という話。

今回も、5.10bまでしか登っていない人に、ゼルダ(5.11a)をR.P.してもらいましたが、すごーく嬉しそうでした(笑)。
ただ、これで5.10b~5.10dあたりに「もう用が無い!」なんてことには、絶対ならないんですよね。

クライミングは、下積みが大事みたいです。


具体的な講習内容
・普段の講習内容は、省略
・実践本気トライ
STさん:ゼルダ(5.11a) R.P.。通算2日、3トライ。
Sさん:アブラカダブラ(5.10a) 1テンションして、トップアウト。
ADさん:インチキするな(5.8) オンサイトトライだけれど、下から多少指示を出したので、厳密な記録としてはフラッシュ。