2016年12月19日月曜日

本当のエイド

12月17日(土)は、マルチピッチ講習の予定ながら、あまりの寒気に城ヶ崎変更希望。
男性FKさん、男性ONさんのペア。
<オバステ正宗(5.8)の組長>

クラックの場合、登れなければエイド可能なことが多いです。

まず、カムにセルフを取って、その状態で30cmくらい上にカムを決めて、ロープを緩めてもらってクリップ。
で、テンションして、その30cmをポンプアップ。

そして、またカムにセルフを取って、その30cmぐらい上に次なるカムを決めて、・・・。
<午前中は、調子良さそうなONさん>

これを繰り返せば、3mくらいムーヴが出来ないセクションがあっても、地道に通過できます!
慣れてくると、ホールドが無くても出来ます。

あとは、これの逆再生で、カム残置をせずに敗退することも多いです。
本日、フラッシュダンス(5.9)の本気トライで、2人とも下部でフォール。

「上まで抜けないで、エイドダウンした方が次のトライのために力を温存出来て、良いと思いますよ。」
と御提案。

しかし、これがまた滞った作業になりました。
<フラッシュダンス(5.9)>

夕方、ONさんが足の付け根が痛くて本気トライを辞退したこともあり、私が見本を見せてエイド練習。

終わってから
「これって、クラックリード講習でもやった方が良いんじゃないですか?(敗退とか考えると、必須技術なんじゃ。)」

と聞かれました。
<真剣なビレイ>

「必須だとは思うんですが、必須であることが伝わりにくいので、今のところ標準メニューには入れてません。」
と、お答えしました。
<だいぶ上達しました>

ONさんは、結構気に行った様子で、
「腕が終わっちゃったときとか、これを練習するだけでも勉強になりそうですね。」
と言っていました。

スポーツクライマーではなく、山屋っぽい発想ですね。
個人的には、好きな発想です。

例えば、マルチでは、こういう小技があるか無いかで、だいぶ精神的に楽になります。
<完登!>

マルチもアルパインも、フリー全盛の時代ではあります。
とはいえ、エイド出来ないのと、一応出来るけれどで意識的に封印するのでは、壁の中でも安心感が違いますよねー。

実際、自分が登れない可能性がある壁に突入するときは、こういうこともバックアップとして考えてますし。
<「むー・・・」>

同じ要領で、手持ちのスリングだけで簡易のアブミとかも、一応慣れておくと良いです。

小技に走り過ぎると、インチキクライマーみたいになりそうなので、ムーヴ、戦略、安全管理、といった本題からは逃げないように、とは意識して講習しています。
<エイド練習>

具体的な講習内容
・ジャミングのコツあれこれ
・カムが外れる1パターン
・実践本気トライ
オバステ正宗(5.8、個人的にはPD) FKさんがオンサイト。ONさんは再登。
 その後、カムセット練習のためにトップロープにて。
フラッシュダンス(5.9) FKさんは本日2トライ目にて、完登。(過去に数トライしている)ただ、完登したトライの安全管理自体は、褒められたものでは無いので、今後は御注意ください。
              ONさんは1トライ目にて、足を少し痛めて、本日は辞退。

・エイド練習
<メルトダウン>