2016年12月19日月曜日

易しいランナウト

12月16日(金)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
女性SMさん、男性OMさん、女性NRさん、男性SGさん。
<城ヶ崎でも珍しく寒い>

とても易しいセクションで、プロテクションを取るか!?
という話になりました。

「もちろん取った方が安全なんだけど、実際問題ここで落ちるかなぁ?」
という状況。

講習生ごとに、かなり温度差があり、私も頭を悩ませました。
<リードで落ちる練習>

同じくらいのクライミング技術の2人を見ても、ここに結構な温度差があることは多いです。

例えば、5.8のルートで、5.5以上に易しい(ほとんど梯子か階段)のだけどチョットだけ脆いとか。
<ワイドムーヴも練習>

ミニマムボルト色が濃厚なボルトルートとかだったら、たしかにボルトが無いセクションでしょうね。
クラックでも、そういう部分でギア節約できる方が、だいぶ軽量化できて楽に登れます。
(有名なクライマーは、めちゃくちゃ腰回りがスッキリしてますよね。)

そして、マルチや沢登りをやる上では、プロテクションが取れないなんてことはザラなんで、そういうところを安定して登る技術自体は必須だと思います。

だから、フリーソロに近いようなランナウトも、実際問題は許容していると思います。
そして、アルパイン系の人は、積極的にそういう練習もしますしね。
<ネッシー(5.8)>

とはいえ、プロテクション無しで行けるところでも、プロテクション取っても良いんですよ!
だって、相当簡単でも絶対落ちないように登るって、結構な労力じゃないですか?
(試しに、アップで登るくらいのクラックを、普段よりカムを2~3個減らしてみると、よく分かります。)

特に、初級者のうちは、不意落ちリスクも高めなので、相当易しくてもランナウトを怖がるぐらいが丁度良いと思うんです。
<フラッシュダンス(5.9)>

講習でもランナウト必須の課題もやらせているので、初心者は混乱するかもしれません。

でも、安全意識VS冒険性の本質が、見え隠れする好例かなとも思います。
末永く付き合っていく問題なので、よくよく考えてくださいませ。
<怖がりつつも、よく落ちました>

具体的な講習内容
・ジャミングの方向を意識して、ムーヴを作る練習
・ゆっくり引きながら馴染ませる意識
・地上でのカムセット練習
・易しいルートでのリード練習&ムーヴ練習&落ちる練習
・実践本気トライ
SMさん:フラッシュダンス(5.9) オンサイトトライにて、ハングドッグしてトップアウト。1ヶ所エイド。
OMさん:フラッシュダンス(5.9) フラッシュトライにて、ハングドッグしてトップアウト。数ヶ所エイド。
NRさん:ネッシー(5.8) オンサイトトライ。下部50cmで落ちたので、オンサイトではないけれど、仕切り直して完登。トライ自体は、必死なムーヴなりに、安全が守られていて、良かった。
SGさん:ネッシー(5.8) フラッシュ。ムーヴ自体は、なかなか良いのだけれど、安全上はまだ甘し。少しずつ修正して行きましょう。
<そうは言っても、フラッシュしたのは素晴らしい>

SMさん、OMさんは、私の中では予定通りの卒業。たぶん、そろそろチョット背伸びしたルートのハングドッグも可能かなと思って、今回そのハードルを課した流れ。

NRさんは、あと1回にするか迷いましたが、卒業にしました。
ネッシーのオンサイトトライでの状況と、ボルトルートのハングドッグ経験を買って、あとは自分でオンサイト経験を重ねられるかなという読みで。