2016年11月1日火曜日

レスキュートレーニングの副産物

10月29日(土)、30日(日)は、とある山岳会のレスキュートレーニングの講師を引き受けて。
無償アシスタントとして、HYさん、ARさんが来てくださいました。
加えて、イントラ見習いのKIさんも。
<初級班は、ロープ畳みから>

事前に強い希望があったのは、いわゆるリードレスキュー。

リードがフォールした際に怪我をして、自力での登り返し、懸垂下降が困難、という状況です。
通常なら、安全な場所(セルフビレイが取れるテラス、地上、など)にロワーダウンして、それから救助要請&処置という流れになります。
<奥多摩の某所>

ただ、
・ロープの半分以上出ていて、ロワーダウンでビレイ点まで届かない
・トラバース気味のピッチで、ロワーダウンすると別の場所に降りてしまう

というシナリオだと、話がややこしくなります。

本チャンとか沢なんかだと、十分ありうる話なのですが。
<初級班は、懸垂下降の仮固定など>

本人たちが考えている方法で、そんなに大きく間違いは無さそうだったので、2日目の午後に実践トレーニング。
※上級、中級、初級と3班に分けたので、このメニューは上級班のみです。

で、本人たちが痛感したのは、
「こんなこと、命懸けになっちゃうから、こういう状況にならないことが一番大事だ!」
ってことでした。
実際問題、このシチュエーションでのセルフレスキューは、ほぼ無理でしょう。魔法じゃないから。

具体的には・・・
・ロープ半分以上で核心部を迎えるのはあまり良くないので、核心手前でピッチを切ることを考慮する
・リード中のリスク判断として、「ここで落ちたら怪我するかも?」という最低限のことだけでなく、「この場面での怪我=自力下山不可能or死亡」というシナリオではないか?を考慮する
<上級班も、初日は登り返しなどの基礎練習>

同じような例では、
・懸垂下降の登り返しを練習すればするほど、ロープが引き抜けなくなる事態にならないように注意するようになる。
とか。

レスキュートレーニングをするほど、トラブルを起こさないように気を付ける、ということです。
だからと言って、この練習が無駄だという話ではないのですよ。基本的な仕組みを知っているからこそ、行動中のリスク判断がより正確に出来るという話です。