2016年4月24日日曜日

地図が気になる、お年頃

4月21日(木)は、登山入門にて、奥多摩の大岳山。
女性MSさん。
研修のため、ガイド仲間のKMさんが同行。
<御岳山>

講習後に、入山時の講習生の様子を思い出すと、ビフォーアフターを感じます。
<ちょっとした岩場>

序盤に出た質問で、
「休憩は、どのくらいで取るものなんですか?」

私からは
「普段どうしているんですか?」
「本当は、どのくらいが良いと思っているんですか?」

と一応確認してみます。

本人は、
「ザックを下ろすのは山頂だけ。」
「ちょっと、休憩しなさ過ぎだとは思ってます。」
との回答。
<大岳山>

それから、
「山の入門書だと、1時間に1回、5分~10分とか書いてあるのが多いですね。一応、それをセオリーだとして、あとは状況に応じてアレンジですかね。」
くらいの常識的な話を少々。

あとは、本人が取り入れているという、立ち休憩(ザックを下ろさず休む)、立ち止まって息を整えるだけの一呼吸、について話を聞いたり。
<山座同定も、ちょっとだけ>

また、地図の読み方にも興味津々なMSさん。

「休憩中に地図を見て、次はどの辺で休もうとか考えることが多いです。地図上で現在地が分かりやすい場所だと、またそこで地図を見るときに分かりやすいですね。」

なんて言ったら、すごく納得してくれました。
<海沢大滝>

しかしながら実際には、登山序盤は私が指示しないと地図を開かなかったり、先のことを考えずに歩き始めるような雰囲気。

「なかなか、習慣化しないものですかねー。」
などと話していました。
<「顔出しはチョット」>

ところが、下山で講習生に先頭を歩いてもらっていたところ、下山で登山道の分岐に自信が持てなくなるというプチトラブル発生。
※下山は、海沢探勝路という点線ルートなので、標識も少なく、あまり整備もされていない。

そこで、いつものように私が黒子になっていたら、本人なりに地図とにらめっこ。
1つ前の分岐まで引き返し、「ここしか考えられない!」という思いと、「とはいえ、標識がないと不安。」という錯綜した思いの中で、分岐を右折。
すると・・・ですよ。

休憩中どころか、歩きながらも数分に1回は立ち止まって地図を確認しはじめました。
また、休憩中も地図が気になって仕方ない!!!

※実際には、ずっと道は合っているのですが、それを確認し続けたい気持ち。

お菓子を片手に、地図を熟読するという夢中っぷりで、こちらも嬉しくなります。
<沢を横目に>

下山後に話を聞いたら、
「点線ルートこそ、1時間に1回くらい意識的に休んだ方が良いですね。道を探したり、気持ちが焦るんで、じっくり落ち着く時間が必要だと思いました。」
ですって。

休憩の意義までつながって理解できたみたいで、花丸の出来です。

他にも、行きには質問だったことが、下山中には当たり前だったことが何点か。
質問に誠実に答えることは大事なんですが、やはりプチ体験させるのが分かりやすいんですねー。