2016年1月29日金曜日

3月の予約受付

バタバタと更新して、申し訳ありません。

2月2日(火)の午前0時より、3月分の予約受付を開始いたします。
さすがの暖冬でも、今時期は寒いですね。

①いくら暖冬でも、雪山とアイス関係の講習は、エリアを選べば出来るだろうとは踏んでおります。
(アイスが、八ヶ岳限定になるなど)

②岩場リード講習は、気温を見て天王岩に移動していくつもりです。
小川山は、GW前くらいを目途に考えています。

③クラックリード講習は、3月は城ヶ崎、4月から湯川という予定です。

④マルチピッチリード講習&体験講習は、越沢バットレスのみが講習可能です。
三ツ峠、小川山などは4月以降。
少し敬遠されがちな越沢ですが、体験講習とリード講習1回目に関してはとてもやりやすいエリアです。
この時期からスタートするのも、一手だと思います。

土日に関しては、予約メールが重複することもあります。
先着順に受付していきますので、事前に問い合わせする場合は、早めにお願いします。

ヌンチャクの向き

1月27日(水)、28日(木)は、岩場リード講習にて、湯河原。

1日目が、女性SMさん、女性NBさん、男性OMさん。
2日目が、女性MMさん、男性KYさん、女性ABさん、復習参加の女性KIさん。
<梅林公園>

ヌンチャクの向きは、進行方向と逆を向けるべし、というセオリーがあります。

けっこう複雑なんで、これまでブログに書くのを敬遠してきた内容です。
講習でも、30分くらい考えてもらって、それでも次回には分からなくなっちゃう人が多いくらいのものです。

あくまで、復習用という程度に簡単に書きます。
<ポカポカ陽気>

①進行方向を向けると、外れるんじゃないか?

実験すれば分かることですが、逆クリップで無い限り、外れることは無さそうです。
<終了点作業の練習>

②落ちた時に、ロープが揺れて、カラビナが揺れるんじゃないか?

落ちる練習をしていれば分かると思いますが、ロープは流れることはあっても、カラビナの中で暴れていません。
<新潟から、よくぞ湯河原まで>

ヌンチャクの向きについて、原理をまとめると。

ゲートが進行方向を向いていると、フォールした時にゲートに慣性力が働くために、ゲートが空いてしまうことがある。
そして、そのタイミングはまさに、カラビナに最大荷重が掛かっている最中なので、カラビナ破断のリスクが上がる。
<頑張って、一撃!>

どのくらいリスクが上がるかというと・・・

22KNだったカラビナ強度が、7~9KNくらいになります。
この強さは、マイクロカムの小さめのもの(マスターカムの青、など)に相当します。
ただ、このサイズまでは一応フリークライミング用という触れ込みなので、そうそう壊れることは無いと思います。

また、ジムではヌンチャクの向きは事前に設定されているため、逆向きで落ちることも度々です。
が、私は今のところ、ジムでのカラビナ破断事故は聞いたことがありません。

ただ、一方で、ごく稀にリード墜落時のカラビナ破断事故は起こっていて、
「新しいカラビナだったのに、何故?」
という検証になると、すぐに、この現象が疑われます。

と、そのぐらいのリスクです。
<2日目も、ポカポカ>

なんで、この話を詳しくするかと言いますと、オンサイトトライでヌンチャクの向きを逆向きにしてしまう例が多々あるからです。

そこで、無視して突っ込むべきか、余裕があるときは直すべきか、余裕がなかったらテンション入れてでも直すべきか、といった判断をすると。
実際、講習中も向きを直そうとしている最中に足を滑らせた講習生がおり、半年以上登れなくなる酷い捻挫をしたことがあります。

そう。
向きを直す作業も、それなりにリスクを伴う訳ですよ。

皆さんなら、どうしますか?
<だいぶサマになってきたKIさん>

一方で、レッドポイント戦略の一環で、ヌンチャクの向きを全て自分がクリップしやすい向きに揃える方法もあります。
これは、リスクの大小よりも登りやすさを優先しております。

この方法は、アリ?無し?

皆さんは、いかがお考えでしょう?
<寒がりなABさん>

ちなみに、この現象はワイヤーゲートだと起こりにくいということも分かっています。

じゃぁ、ワイヤーなら気にしないってのはアリでしょうか?
<育ちの良いMMさん>

また、カラビナの強度の問題なので、70kgの男性と、45kgの女性では、リスクの程度も違うと思います。

じゃぁ、軽い女性は、気にしないのもアリでしょうか?
<「怖がりな私が、オンサイトなんて。」>

この問題は、ジムリード講習の逆クリップと違って、これといった正解のない判断を伴うと思います。

逆クリップなら、
「しないように気をつけよう!」
「やってしまったら直す。直せないなら、完登を諦める!」

という、一般的な答えがありますからね。
<ゼルダ(5.11a)>

具体的な講習内容
・ムーヴ練習
・ヌンチャクの向き
・終了点作業練習
・リードで落ちる練習
・実践本気トライ
初日
NBさん:フック船長(5.10a) フラッシュ
SMさん:フック船長(5.10a) フラッシュ
OMさん:アブラカタブラ(5.10a) オンサイト

2日目
MMさん:アブラカタブラ(5.10a) オンサイト
KIさん:ゼルダ(5.11a) ハングドッグして、ぼんやりとムーヴ解決
KYさん:アブラカタブラ(5.10a) オンサイト

2016年1月26日火曜日

受講の緊張感

1月26日(火)は、1人スキーにて、奥利根。
本日は、1時間半のスキースクールを受けてみました。
内容以上にインパクトがあったのは、講習生の気持ち。

前日からモチベーションを整え、講習前に初級コースでウォームアップ、直前に緊張してトイレにも駆け込みます。

受付では、4,000円の講習料を払う時、財布を開く緊張感。
商品購入とは違い、ドブに捨てる可能性も頭をかすめます。
(過去4回?、無駄になったことは無い。)

そして、ときどき講師と会話がかみ合わないときの、もどかしさ。
疑問に思っていることが聞けた時の、安堵感。
自分も講習していて、手応えとリピート率の相関を感じます。
本日をもって、「そりゃそうだよな。」と再認識。

講師にやって欲しいこと、余計な一言になりがちなこと、といった講師像も再認識できて良かったです。
スキーメモ
・ストックを斜め前方ではなく、ほぼフォールラインの下方に付く方法。ターン弧が小さくなり、身体が横に開かないというメリットがある様子。
・ストックを前に出す際、握り過ぎると上手く出せないので、親指と人差し指だけで引っかける方法。その際、手首の脱力を意識すると上手く行った。ミトンだと難しい。※アックスのスイングに似ている。
・上記2つを組み合わせると、小回りしやすい上半身のフォームになる様子。

それ以外も、色々と聞きました。
その中で、実感が持てたのはコレでした。

2016年1月25日月曜日

長い目

1月24日(日)は、岩場リード講習にて、湯河原。
女性MDさん、女性TNさん、女性SMさん、男性KBさん。
<大寒波の襲来>

TNさんと、SMさんは、昨年5月末に団体講習した山岳会のメンバーでした。

そこで、初日に岩場、2日目にストーンマジックで、終了点作業などのロープワークを徹底的に。
15人もの大所帯への講習で、マルチ卒業生の何人かにアシスタントをお願いしたほど。
<ムーヴ練習>

それを切っ掛けに、クライミング講習をムーヴLv.0から始めたのが、2人です。
(MDさんも、TNさんと一緒に講習に来たので、同時期。)
<ようやく、ポカポカ>

そこから、ジムリード、岩場リードと進んで、今に至ります。

TNさんは、ようやく恐怖がコントロールされ始めたくらい。
SMさんは、だいぶ本気トライも出来るようになってきました。

当時は、出来る人に張ってもらったトップロープの回収でも、クライミングも終了点作業もおっかなビックリでしたからね。
思い返すと、本当に大した進歩ですよ。
<終了点作業の練習>

ときどき、1年前に自分が何を考えていたかを振り返ると、すごく自信になると思います。

「なんだ、そんなことで迷っていたのか。」
なんて、思うこともあるでしょう。
<大混雑の湯河原>

私も、1年前の講習記録のつもりで読むと、心が広くなれそうです。

「こういう考え方が、なかなか理解できないようで、ちょっと困ったなぁ。」
とモヤモヤ悩んでいた気持ちが

「いや、1年前は~~の理解ですら悩んでいたんだから、大丈夫か。」
という切り替えへ。
<“マゾおけさ”(5.10b)は、絵になる1本>

前しか見ていないのがクライマーの良いところ、だと思います。
でも、ときどき振り返ると、長期的な視野に立てるので安心します。

考え方は、大人になってからでも伸びるものですねー。
<KBさんの“アブラカタブラ”(5.10a)>

具体的な講習内容
・ムーヴ練習
片手主体のバランス、指をホールドに馴染ませる、スタンスを押し込む方法

・終了点作業練習
3人は結び替え、SMさんは立木での懸垂下降も含めて

・リードで落ちる練習
<夕方に、桃源郷にて長い5.8>

・実践本気トライ
SMさん:マゾおけさ(5.10b) オンサイト
KBさん:アブラカタブラ(5.10a) 再登。フック船長(5.10a) 再登。
TNさん:シルクロード(5.7) 再登?
MDさん:いんちきするな(5.8) 再登?
<さすがに、極寒>

<「あんまり、怖くなかったです」>

2016年1月23日土曜日

納得できないとき

1月22日(金)は、ムーヴLv.0。
新規女性OTWさん、数年ぶり2回目の男性TZさん。
よくある質問。
「会の先輩から、~~しろって言われたんですけど。何故そうするんですか?」

その方法は、私も聞いたことも無いものだったので、

「特に、意味はなさそうな方法ですね。理由が分からなければ、その先輩の前でだけ、そうしてあげたら良いと思いますよ。」
と、お答えしました。

私のアドバイスも、全部が的を付ける訳でもないんで、ちょいちょい講習生はそうやってスルーしているんでしょうが(笑)。
スルーされるのも辛いので、なるべく反論オーケーという雰囲気で行きたいものです。

本人が納得したことだけが、身になるということですね。
具体的な講習内容
・ダブルチェック
・カラビナの持ち方
・ビレイの洗練
・ロワーダウン姿勢
・一手一手レストする練習の中で、バランスの良いポジションを探すこと

今回で、2人は今までの練習方法を反省することが出来たと思います。
また、しばらくしてから受けていただくと、効果があると思いますよ。

2016年1月22日金曜日

残された冒険性

1月21日(木)は、岩場リード講習にて、湯河原。
男性SGさん。
<久々のマンツーマン>

講習の実践本気トライでは、オンサイトぎりぎり、ぐらいのルートが主体。

でも、ときどき余裕があれば、それより難しめのルートにもトライしてもらいます。
いわゆる、ハングドッグして、ムーヴ解決するぐらいのルートです。
<朝は、寒い>

ハングドッグというのは、リードでテンション掛け掛け、次のトライへのリハーサル意識でムーヴ練習する方法です。

昔は、“テンション掛けたら即刻降りる”というのが、潔しとされたそうです。
で、「反則っぽい」という揶揄を込めて、ハングドッグという名称だそうですが。
<懸垂下降の練習>

ただ、ハングドッグの中にも、ちょっと冒険性を感じる場面はあります。

例えば、次のクリップまでが少し遠く感じる場面です。
<マゾおけさ(5.10b)>

落ちるのも嫌だから、ついつい行きつ戻りつ。
クライムダウンして、テンションコールしてしまうこともあるでしょう。

でも、ある程度登らないと、ホールドも確認できません(涙)。
結果、ちょっとした落ちる練習みたいになることも。

「いやー、怖い。」
とか言いながら、ムーヴを試して行きます。
<なんと、オンサイト!>

でも、これでようやっと自分なりの正解を見つけて、次のクリップまで到達できたとき、これが結構嬉しいんです。
ハングドッグの中に、僅かに残ったオンサイトっぽさ、とでも言いましょうか。

ムーヴの進歩なのか、リード駆け引きの進歩なのか、色々と入り混じった喜び。
<という訳で、ゼルダ(5.11a)>

こういう部分を大切にすれば、ハングドッグも十分にオンサイト練習になり、リードに強いクライマーを育てているように感じています。

だから、講習ではオンサイトトライだけでなく、可能ならハングドッグ練習もしてもらいたいんですよねー。
<ハングドッグ練習になりました>

具体的な講習内容
・ムーヴ練習
ホールドを指に馴染ませる、悪いスタンスをスメアで押す
・リードで落ちる練習
・結び替え練習
・懸垂下降練習
・実践本気トライ
フック船長(5.10a):問題無く再登
マゾおけさ(5.10b):ギリギリでオンサイト!
ゼルダ(5.11a):ハングドッグして、ムーヴ解決

さすがジムボルダラーだけあって、ゼルダのムーヴ解決は出来ちゃいました。
ただ、1回手繰り落ちしそうになったので、そこは反省が必要ですね。

今回で、岩場リード講習は卒業といたします。
2ヶ月に1回くらいのペースでしたが、1年くらいで無事にクリアです。

まだ、仲間が見つからないそうですが、コツコツ続けてくださっているので、そのうち見つかるでしょうね。

2016年1月20日水曜日

軽めに

1月19日(火)、20日(水)は、1人スキーにて奥利根。
最近のブログは、あまりに心血を注ぐ回が多くて、いろいろ良くなかったと反省。

今日は、軽めで。
<今シーズン初の奥利根>

ストックを持つ位置がいい加減定まらず。

肩の脱力を意識してみたら、思わぬ副次効果。
股関節の動きが、少し滑らかになりました。

肩甲骨と骨盤の関連を、また1つ実感できた気がします。
自分メモ
・肩の脱力は、いろいろ副次効果がある
・ターンを仕上げる意識を忘れていた
・モナカ雪は、めちゃ難しくて、1ターンも出来なかった。驚き!
・昨シーズンの終わりの滑りには、完全に戻った気がする。そして、少し理解は深まった。
<この後、私含めて皆が救助された>

強風でリフトが動かなくなり、スキー場パトロールの人が救助に来てくれました。
簡易チェストハーネスっぽいので、ロワーダウンしてもらいました。

2016年1月18日月曜日

プロテクション優先の思考

1月17日(日)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
男性YDさん、男性TNさん、女性HKさん、復習参加の女性KIさん。
本日、ペアを組んでもらった女性2人。

リードする際の先読みに、思考の差が現れました。
HKさんは、ムーヴ優先の先読み。

「あの辺は、易しそうだから、ランナウトに耐えられる。」
「あの辺は、ヤバそうだから、カム決めとかないと。」
という読みで登ります。

核心部以外は、ある程度のランナウトも辞さない構えです。
カムの数も最小限に近く、クライミングスピードも初心者とは思えない速さです。

ただ、今のレベルだと読みを外すことも多いので、不意のランナウトが多くなってしまうため、ドキドキ感満載です。
一方で、KIさんはプロテクション優先。

「今のうちにカム取っておかないと、一歩上がってから行き詰ったら、結構落ちて怖いし・・・。」
という感じで、核心部では常にカムが腰より上にあることで安心感を得たいタイプ。

(樹氷という5m弱のルートのオンサイトトライのために、10個のカムを持つくらい怖がり。)

ときどき、覚悟を決めてカムが足元になるまで突っ込むことはありますが、基本は長時間レストで粘りまくり。

ただ、これはこれで持久力と時間を要するという弱点があります。
2人で岩場に行ったこともあるそうですが、難しいルートを登れるのはHKさんだそうです。
ただ、様々なルートに対して、とりあえずリードトライしてみることが出来るのはKIさんだそうです。

興味深いのは、登りそのものはKIさんの方が慎重派。
トライするルート選びは、HKさんの方が厳選派。

つまり、HKさんは登りが攻撃的なので、リードする際にメンタルが疲れやすいのでしょう。
と、ここまでは分析。

ただ、私自身も本気トライ中は、どちらの思考回路もミックスして登ることになります。
ですから、2人のどちらが優れているという話には、ならないと思います。

好みも含めて、私のオススメは以下。
プロテクション優先型の人が、徐々にムーヴの先読みをすることでランナウトに耐えられるようになるのが、見ていて安心感のある成長。


具体的な講習内容
・ハンドジャムのコツ
・ジャミングの方向を変えずに引き付ける練習
・地上でのカムセット練習
・トップロープでのムーヴ練習(TNさん、YDさん)
・疑似リード(YDさん)
・リードで落ちる練習(HKさん、KIさん、TNさん)
・実践本気トライ
HKさん:純(5.8) オンサイト、オバステ正宗(5.8) オンサイト
KIさん:樹氷(5.8) オンサイト、オバステ正宗(5.8) フラッシュ
TNさん:鬼ころし(5.7) オンサイト

HKさんも、純ではムーヴ優先っぽかった思考が、オバステではプロテクション優先に見えました。
私は今の段階では進歩と捉えますが、本人的にはいかがでしょう?

本日で、HKさんはクラックリード講習を卒業といたしました。
そろそろ、自力でクラックに登ってほしい時期です。

また、勉強したい内容に合わせて、来ていただければ幸いです。

ゲーム・オブ・読図

1月16日(土)は、読図講習にて、奥多摩の川乗山中腹へ。
女性STさん、女性Sさん、男性KHさん、男性ENさん。
<久々の読図講習>

読図の目的も、いろいろあります。
道迷い遭難を防ぐ、というのもあれば、周辺地形が理解できると楽しい、というのも。

ただ、登山道の無い尾根や、トレースの無い雪山、人の少ない沢に入ると、読図そのものにゲーム性が出て来ます。
<午前中は、尾根と沢、コル、標高差などの勉強>

たとえば、尾根下りをしていれば、一本間違った尾根に入ると失敗になります。

この場合、力技で下りきろうものなら相当な斜面が出てきたりもします。
なので、間違ったら登り返す、というのがチョット罰ゲームっぽい感じです。
<先読みトレーニング>

しかも、「間違っているかも?」と自信がないときに、本当に色々考えます。

・登り返す?
・もっと地図を熟読?
・コンパスがヒントになる?
・周りに何か見える?
・パートナーに何か意見はある?
・もう少し様子を見ながら下ってみる?

と選択肢が多数。

ここに、私はゲーム性を感じます。
実際、オリエンテーリングってのもありますしね。
<ついでに、山座同定>

しかも、山の場合は、あんまり酷い間違いをやるとビバークや遭難に陥るリスクもあります。

そこで、何度も登り返して、とうとう自信が持てないなら、頂上まで戻って往路を引き返すこともあり得ます。
実際、エビ小屋山に講習生同士で読図訓練に来た際に、そのような判断をしたという例も聞いたことがあります。

こういったバックアッププランまで考えてトライするあたりが、とても面白いと感じています。
<雪が出て来ました>

ザックにGPSを忍ばせたら、クライミングの疑似リードっぽい感じになっちゃいそうだと思っています。
(「間違いかも?」と思った時点で、GPSを見てしまうから。)

そんな訳で、今のところGPSは買わないことにしています。
(「あまりにも平坦過ぎる」、「ホワイトアウトのリスクが高すぎる」などの理由で、GPSを買うことが、今後あるかもとは思っていますが。)

高度計も、ゲームを簡単にしてしまうので、結構微妙なラインな気もします。
ただ、GPSを見ながら歩くのとは違って、ゲーム性そのものは残るので、個人的にはギリギリセーフと感じています。
※講習中は、標高差の感覚を磨く練習として、高度計禁止ルールでやっています。
<下りは、講習生のみで>

一方で、これはGPSを買わずに山を始めた人の戯言なのかもしれません。

でも、沢登りのトポを持って行かないのと同じで、こういうゲーム性こそが、登山らしい判断力が試されて面白いなと思っています。
<地図読みゲームの開始!>

今回の皆さんは、どう思ったでしょうか?
このゲーム性そのものは、とても楽しんでいただけたようでしたが。

そして、今後その考えが1年後や5年後に、どう変化するのでしょうか?

技術を高めると同時に、遊び方(スタイル)についても考えて行くところが、登山らしいところですね。

2016年1月15日金曜日

落ちそうだ!と思ったら

1月15日(金)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
男性ONさん、女性UNさん、男性YDさん、女性NBさん。
<ジャミング練習>

本日、ONさんとUNさんには、本気トライをしてもらいました。

まず、UNさんのオンサイトトライ。
核心部のスタートで、スリップフォール。

この時点では、最終プロテクションも腰より上で、トップロープ状態。
また、1つ下のカムも1mほど下にあり、最悪のカム抜けでもグランドしない距離感。
本人としても、怖さは薄かったでしょう。

そこから再スタート。
核心は無事に抜けるも、際どい体勢のまま少しずつ上がって行き、なかなかプロテクションを取らない!
最終プロテクションは、足元。
もはや、それ1個が確実に止まったとしても、ギリギリでグランドしないくらいの距離感。

そして、どうにか次のカムをセット!!!
見てる私もドキドキです。
<引き付け>

私:
「なんで、あんなに取らなかったんですか?」

UNさん:
「体勢が際どくて、プロテクション決めてるうちに落ちそうで、もうちょっと行ったら、もうちょっと行ったら、と進みました。」
<鬼ころし(5.7)で落ちる練習>

お次は、ONさんのフラッシュトライ。

何故か、同じく核心部の入り口でスリップフォール!
再スタートして、UNさんと同じ過ちは繰り返すまいと思いつつ、結局は似たようなランナウトで突破!

ONさん:
「やっちゃいけないんだとは分かりつつ、UNさんの気持ちはすごく分かります。」
<名無しルートで基礎練習>

続いて、UNさんの2トライ目。
核心手前で固め取り、さらに核心中でも30cm間隔で3つのカムを決めて行き、無事に突破!

さらに、ONさんも2トライ目。
同じように、核心部は30cm間隔のカムを決め、無事に突破!

2人とも別人のようなカム連打で、レッドポイントを果たしたのでした。
<純(5.8)を本気トライ>

講習生の気持ちになると、こんな感じでしょう。

1トライ目は、気付いたら核心部だったから、カムセット体勢が作れなくなってしまって、ギリギリまでランナウトせざるを得ない状況に。
2トライ目は、核心部を知っているので、あらかじめ固め取りやランナウトしない工夫を最大限できた。

本来は、オンサイトトライこそ「ここから難しいかも!?」と思って安全策を取り過ぎるくらいが、普通だと思います。
で、オンサイト失敗した場合の2トライ目、3トライ目に、カムの数を減らしていくイメージです。

これって、ジムリードでオンサイトトライでも、同じことがあると思います。
“中級者は核心前にクリップ先行したくなるが、初心者はいつの間にか核心部に入っていてランナウト気味になる。”

この話は散々しているハズですが、やはり体感するまでは完全理解できない様子。
でも、今回のルートに関しては強く納得していたので、もうちょっとでしょうね。
頑張って欲しいです。