2015年12月12日土曜日

会心の敗退

12月12日(土)は、岩場リード講習にて、天王岩。
NSさん夫妻、女性TNさん、男性TNさん。
<モアイ像?>

本日の夕方、女性TNさんの本気トライ。
結果は、核心部が越えられず敗退でした。

ただ、他の講習生が口を揃えて、
「見ていて勉強になった!」
と興奮気味。

そのトライの様子を、振り返ってみます。
<8時に岩場到着して、朝練>

1本目のボルトが高めですが、行きつ戻りつして、なるべく低い位置からクリップ体勢を作ることに成功。

他の講習生で、腰クリップになってしまった人もいたので、
「なるほどー。」
と言わしめます。
<TNさん、落ちる練習>

次に、ロープを足に絡ませないよう、ものすごく気を遣っているのが伝わって来ます。

他の講習生が、「絡んでるよ!」とお互いに注意しあうのが常になっていた本日では、異例の出来(笑)。
<「私、進歩してます!」>

3本目のクリップ直前、うまくクリップ体勢が作れず、何度も何度も1m下のレストポイントからムーヴ探り。
そして、またしても早めにクリップする体勢を発見しました。

これまた、もう2手ほど進んでからクリップする人も多かったので、
「おおー。」
の一言。
<NS奥さまのリベンジ>

さらに、4本目からの核心。
「(大レストポイントから)もう出たくない。」
と言いつつも、行きつ戻りつしてムーヴを探ります。

「5本目の直前で落ちたら、あの辺まで落ちますかね?」
などと、我々に確認取りながら、リスクを判断。

いよいよ、10分くらい逡巡したかという頃に、いよいよスタート!

結局、5本目が届く1歩手前で、レストし過ぎてパンプしてしまい、
「落ちて良いですか?」
と確認。
でも、落ちるのが怖いTNさんは、実際に手を離すまでにしばらく硬直・・・。

そして、意を決してフォール!

あまりに腕が終わってしまっただろうこと、暗くなって来たこともあり、
「ここで降りてください。回収は、僕が行くんで。」
と敗退をお願いした次第。
<自称、昭和風な喜び!!>

これらのリスク判断には、本日同じルートを完登していたNS奥さま、男性TNさん、先月に完登したNS旦那の3人も、驚きです。

「一番安全だったよ。」
「私の1回目のトライのときなんか、落ちたらどうなるかよく分かんない部分もあるけど行っちゃうか!とか思って突っ込んで、すごい怖かったんですよ。」

などなどの感想が。

先月の講習までは、トップロープでも落ちるのに怖がっていた人とは思えません(笑)。
ちなみに、未だに人並み以上に落ちるのは怖いようです。
<TNさんの頑張り(この場面は、ロープが絡んでいるように見えるが、あまり問題ない)>

敗退したのに、全員から褒められる上、本人も大喜び。
こんなポジティブな講習、滅多にないですね。

さすがのキャラクターだと思いましたよ。

具体的な講習内容
・ムーヴ練習(指をホールドに馴染ませる)
・リードで落ちる練習
・流動分散、固定分散、独立分散
・ヌンチャクの向き
・スリングの収納、アルパインクイックドローの作り方
・実践本気トライ(全員、クラックジョイ)
NS夫人:R.P.通算2便(前回はパニック気味でしたが、だいぶ冷静になれた)
NS旦那:テンション掛けつつトップアウト(結果は後退でも、安全に関する冷静さは進歩していたので良かった)
男性TNさん:O.S.(冷静で、良い登りでした。ただし、ロープを足に絡ませないように裁くことには、少々課題あり)
女性TNさん:敗退(ただし、自他ともに良い登りだったと評価された)