2015年11月2日月曜日

早いか遅いか

10月31日(土)は、マルチピッチリード講習にて、三ツ峠。
男性SRさん、男性FKさんのペア。
<午前中は、支点関係の講習>

2人とも、昨シーズン終わりからマルチピッチリード講習を受けておりますが、まだ卒業とは言えません。
丸1シーズン、季節が巡りました。

月1回弱のペースなので、結構な回数を受けているとも言えます。
<登攀準備>

一方で、そもそも2人ともクライミング歴が数年です。
そして、当塾に来てからも2年くらいは経ったかと思います。

このクライミング歴は、講習生の中でも短い方だと思います。
<ギア扱いがサマになってます>

さらに、2人とも毎週のように岩場でクライミングするほど暇(?)ではなく、月に数日岩場で登るくらいのペースです。

そんな2人ですが、すでにクラックリード講習は終えて、クラックの本気トライが出来るまでになっております。
SRさんは、先週末にジャイアントジャムサンド(5.10a)をオンサイト、FKさんはカサブランカ(5.10a)を2便目で1テン。

これに関しては、大学生にも負けないような進歩速度だと思います。
<日吉クラッカーの見せ場>

いつも思うことですが、焦る必要はありません。

コツコツと出来ることを増やしていけば、数年前とは全く違う景色が見られます。
<気分は、ヨセミテ>

「ようやく、余裕が出て来た。」
2人が今回、何度も口にしていた言葉です。

今までは、登攀準備、ビレイ点作業、ロープの絡み、といったことに気を取られ過ぎて、混乱気味だったなぁと。

最近ようやく、各ピッチのリードで本気トライに近いことが出来たり、マルチ作業の小技に気が回るようになってきたみたいです。
<2P目の組長>

そうは言っても、正直まだまだ危ういです。

今の段階だと、「それ、危ないから止めてください。」と私から注意することも多数。
<「よくリードしましたねー。」>

でも、今までは全体像が見えなかったから、ある程度やむを得ない時期だったのかなと。
これから、徐々にリスク認知の幅を増やして、作業の効率化も考えて行きましょう。

それが少し出来てきたら、卒業です。
<易しいピッチは、快調>

話は変わりますが、各ピッチのリードは、2人とも結構良いクライミングを魅せます(笑)。

プロテクションの良いピッチなんかは、
「ナイスクライミングでした!」
と毎回言わしめます。

もちろん、グレードにしたら、5.6~5.8くらいなんでしょう。
<ちょっと寒い>

でも、マルチピッチの中で、ちゃんとフリークライミングのオンサイトトライが出来るってことが、良いクライマーになりそうな予感です。

クライマーの素養の1つに、冒険家とスポーツマンをどれだけ兼ねられるか、ってのがありますから。
<「お疲れさまでーす」>

マルチピッチは、もともとはロープ1回では登れないほどの大きな壁を登るためのシステムです。
だから、今でも高度感を楽しむ程度で、作業的に登っている人も見かけます。

でも、各ピッチをフリークライミング的に楽しめば、さらに冒険的なものになります。
<完登!>

マルチピッチリード講習のことを
「登るとは何ですか?」
「安全とは何ですか?」
っていう大学の試験みたいだ、と評した卒業生がおります。

素早く卒業できなくても、この問いへの理解が深まるなら、それはそれで大きなプラスだと思っていますよ。
<気分は、キャンプ4>