2015年9月8日火曜日

手際をどこまで教えるか

9月6日(日)は、岩場リードが中止にて、ロープワーク講習。
NS夫妻、女性KIさんは、もともとの参加者。
加えて、女性IDさん。
<基本動作を反復練習>

本日の、講習生からの質問。
「どこまでは教えることで、どこからは教えないってのは、どうやって決めてますか?」

あまりに大きなテーマなんで、答えに詰まりました(笑)。

その話が出た場面は、
「手順Aと手順Bのどっちが効率的か?」
という質問があって、私なりの回答を終えたタイミングでした。
<ボルトルートで、チェーンの終了点を想定して>

つまり、
「手際なんていうのは、回数やっていれば自然と身に着くことも多いので、教えるべきか迷いませんか?」

という意図の質問なんだろうな、と。
その場で答えたのは

①「聞かれたら、答えます。すぐ答えを言うか、もう少し考えさせるかは状況次第ですが。」
(疑問に思う、というのは本人の意識が高まったチャンスなので、逃したくない)

②「手際の中でも、知らないと話にならないと思うレベルのことは、必ず教えます。」
(ロープの表裏、など)

③「小技も、結構重要な原理だったりする。他にも、似た小技を自力で考えられる切っ掛けになったりすると感じるので、教える価値は大きいと思うことも多い。」
<初ジャミングのNSさん夫妻>

①、②は単純な話。

③は、1つの小技は別の小技を思いつく切っ掛けになるので、意識させると将来的な伸びしろになるだろうという話。

例えば、ロープの畳み方と、マルチピッチのロープを絡ませないコツは、かなりの部分共通です。

「ロープが上手く畳める人は、将来的にはロープを絡ませにくい人になるだろう。」
っていう。

同様に、クリップやギアの収納も、レベルを上げておくと、別のことに活きるだろうと。

今回の場合は、手順Aと手順Bの効率比較でしたが、それもきっと類似パターンが出て来そうです。
<さすがクラッカーです>

教え過ぎにならない範囲なら、手際も教えた方が良いと感じています。
特に、ロープワーク講習って、半分は安全意識の向上ですが、半分は手際アップのためにやっているような気がします。


具体的な講習内容
・ロープの畳み方を洗練
(IDさんのみ、手畳み、背負い、手コイルも)

・スリングの収納、アルパインクイックドローの作り方(NSさん夫妻)
・終了点作業練習
IDさん、KIさんは、結び替え、立木で懸垂に関して、洗練させることを目標。
NSさん夫妻は、トップロープの回収、結び替え。

・懸垂下降の仮固定(IDさん、KIさん)
・フィンガークラック練習