2015年8月3日月曜日

恐怖センサーの修正

8月1日(土)、2日(日)は、岩場リード講習にて、小川山。

2日連続の、男性TDHさん、加えて女性KDさん、男性TYさんのペア。
1日目のみの、女性WNさん。
2日目のみの、女性HKさん。
リードで落ちるのは、怖いものです。
これは、人間誰もがそうでしょう。

ただ、人によって怖がり方に差があるのですが、キチンと経験を積めば、その差が縮まって来るようだというのが、私の実感です。
まず、最初っから怖がらない人がいます。
こういう人は、危険が見えていないパターンが多いので、そのうち怖い目を見るか、事故に遭います。

例えば、
・ロープがあるから大丈夫だと過信して、墜落距離を予想せずに登っている。

で、そこで死ななければ、
「落ち方によっては、危ないよね。」

という結論に至ります。
次に、異常なほど怖がる人もいます。

トップロープでも何度も落ちたことがあるのに、リードだとクリップした直後(いわゆるトップロープ状態)ですら、怖がりまくり。

こういう場合は、何か原因があるだろうと私は考えています。

例えば、
・トップロープ状態でも、トップロープと同じだと感覚的に認めきれない。
(→トップロープ状態で、落ちてみる必要あり)

別の言い方をすれば・・・
リード中という緊張感から、「クリップ直後は安心できる。」という気持ちの切り替えが出来ない。

ただ、こういう人も、
「私の精神状態は、なんだか現実のリスクに合致していないと思う。」

ということを理解すれば、徐々に改善されて来ます。
さて、ここまでは両極端な例でした。

今度は、どの位のランナウトから恐怖を感じるか、という話。
(ベテランでも、差が出て当然の話。)

腰元なら、実質的にはトップロープ状態と同じ墜落距離。
股下なら、それプラス1mくらいの自由落下。
膝下なら、・・・。
足首なら、・・・。
足元なら、・・・。
足元50cmなら、・・・。
この話に対して、

「いやいや、グランドフォールさえしなけりゃ平気でしょ。」
と思っている人は、度胸良すぎだと思います。

「いやいや、膝下だったら絶対落ちたくないから。」
と思っている人は、怖がりすぎだと思います。
例えば、トップロープ状態に近ければ、身体が反転して落ちても怪我のリスクはゼロに近いです。

でも、足元までランナウトしていたら、ボルダリングの着地並みに良い態勢で落ちないと怪我のリスクがあります。

だから、どのくらいのランナウトから怖いと感じるかは、状況次第です。
(スラブだと、ちょっとランナウトしただけでも怖い。など)
怖い、という気持ちは重要なセンサーです。
ただ、過敏になったり鈍感になったり、なかなか厄介なヤツです。

「今は怖いと思ったけど、本来そんなに危険じゃないはず。」
「今は怖いと感じなかったけど、怖いと感じるべき場面だったな。」

といった感覚矯正をする意識が大事だと思います。

「自分は怖がりだ!」
なんて漠然と決めつけず、じっくり長い目で成長していきましょう。
具体的な講習内容
・スラブの足置き&体重移動の基礎練習
・トップロープについての確認(新規の2名に関しては、特に詳しく)
・足置きをソフトランディングすること(ネコ足)
・リードで落ちる練習
・ヌンチャクの向き
・ヌンチャクが外れる例あれこれ
・終了点の仕組み(固定分散、など)

・実践本気トライ
TDHさん:穴があったら出たい(5.10a/b) R.P.
      オーウェンのために祈りを(5.10c) R.P.
HKさん:穴があったら出たい(5.10a/b) フラッシュ
KDさん:かわいい女(5.8) オンサイト
TYさん:かわいい女(5.8) フラッシュ

TDHさんは、これにて岩場リード講習を卒業といたしました。
クラックにも興味がありそうですので、引き続きよろしくお願いいたします。