2015年3月26日木曜日

プチトラブルで基礎習熟

3月25日(水)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
女性HMさん、男性ONさん。
<ラスト城ヶ崎>

講習中は、安全上許される範囲なら、できるだけプチトラブルを経験してもらいたいものです。
<HMさんのみ、歩く練習も>

本日のケース。

①地上でのカムセット練習で、カムが回収不能に!
2人で協力しても取れず、最終的には私がハンマーで回収。

で、ここでカムが回収不能になりやすいパターンを、理屈で説明。
②カムで落ちる練習中に、墜落距離の計算を1mぐらい読み誤り、ちょっと怖い態勢でフォール。

なぜ、計算ミスしたのか検証。
(カムをクラックの奥に決めたため、奥行きの分だけランナウトしていた、など)
③立木で懸垂下降する際に、セルフビレイを取る前にビレイ解除のコール。

私が、「セルフ取ってからー!」と指示。

そうなると、一時的にノービレイ(つまり、無確保状態)になるので、原則はセルフビレイを取るまで解除しない。
この原則を破るのは、ノービレイになるリスクが十分少なくて、メリットが大きいときだけ。

同様に、懸垂下降中にブレーキハンドを離して作業することが多かったので、それもリスクとメリットを考えた上でやるように、お願い。

※昨年のマルチピッチリード講習で、「安易な省略はダメ!」って話したのと同じ。
④懸垂の際に、ロープの末端が地上に届いておらず、しかも末端処理がされていなかった。

私が、ストップを掛けて作業を手伝う。

「なぜ、地上に届かなかったのか?」を検証。

原因:
真ん中の印が分からなかったが、短いルートなので届くと思って、適当な長さで投げた。
また、届かなくても、途中で片方を引けば調整できると思っていた。
(実際は、壁の途中では相当厳しい)

私のコメント:
適当に投げるなら、届いていない可能性が分かっているのだから、末端処理を省くことは有り得ないはず。
また、届いていなくて地上に着けないのなら、他の方法で何とかしなくてはならない。
あるいは、確実にロープが届く方法を別に考えるか。
⑤立木で懸垂下降予定だったが、下降器を忘れて登った。

ムンターヒッチで下降しようとした。
これは、問題なし。
⑥終了点の立木に着いたら、手持ちのスリングだけでは長さ不足。

実際は、少し上の方で巻いたら、どうにか足りた。
今回はセーフだったが、それが出来ない場合については、帰りの電車の中での宿題として説明を敢えてせず。

結果的に、帰りの電車で無事に正解を考えだせた。
いやー、立場上ドキドキしますね。

ギリギリまで指摘しないことが、成長を促進するだけに。
本日は、本気トライというよりも、そういった基礎を学び直す1日でした。
とはいえ、2人ともジャムもカムも上達してきております。
特に、HMさん、かなり安定してリードできるようになって来ました。

HMさんのクラック講習そのものとしては、あとは本気トライで何本か場数を踏めば良いでしょう。
ただ、本日みたいな基礎練は、まだまだ課題はありそうですね。
<初孫(5.5)をオンサイト>

<だいぶ暗くなりました>