2015年2月6日金曜日

山に不遜

2月5日(木)は、雪上訓練Lv.1にて、天神平。
新規の男性YDさん、女性IGさんのペア。
<午前は曇り>

昨年だったか、雪山の講習に卒業制度は向かないと感じる、書いたと思います。

そのときは、

・実際には、すでに雪山に入っている方が受講することが多い
・日によってコンディションも違うので、体系的に伝えることが難しい

といったことを理由に挙げたと思います。
<木に雪が付いて、カッコイイ>

でも、最近友人のガイドと話していて、再認識。

「クライミングは、システム面が多いので、体系化に向いている。
山は、経験則を自分達なりに体系化したものなので、本当にそれで合っているのかは結構疑わしい。」

つまり、山を分かった気になるのは、それ自体がリスクだと。
<歩行技術の訓練>

で、卒業制度ってのは、

「このぐらいの山に行くなら、このぐらいは出来るようになってから行って欲しい。逆に、それが出来ない人は、危なっかしいから止めて欲しい。」

という、私の見立て。

自分自身すら危ういのに、他人を見立てるなんて、相当リスキー!
<耐風姿勢>

言ってしまえば、卒業制度ってのは、山に対して不遜。

講習で話していた山の経験則ですら、

「やっぱり間違いだったかな?」
と見直すことも多いのですから。
<午後から、晴れてきた>

極論すれば、

・ガイドで、お客さんの安全を管理する
・山の技術を教える

ってことも、不遜ですよね。
とはいえ、講習もガイドも、あった方がプラスだとは思います。

「我ながら、山に対して不遜ギリギリのボーダーラインを生きているような気がするなぁ。」

という、独り言です。
<下山前に、見晴らしの良い尾根まで>

山という、よく分からないものを相手にするのは、大変だけど意外と楽しいですね。

講習生の皆さまにおいては・・・

次に行く山を選ぶのも、講習のレベルを上げて行くのも、とにかくスモールステップが最上の方法だと思います。

冬の低山も沢山登って、このLv.1も何回か受講して、

「それでも、漏れがあるんだろうな。」
と自覚しながら次のレベルに進むぐらいが、理想的かと。
<谷川岳をバックに>

山のステップアップは、真っすぐな階段よりも、踊り場のある螺旋階段の方が、イメージしやすいと思っています。

同じレベルに延々と居るようでも、経験は貯まっているから大丈夫です。
数年経ったら、別人ですよ。
<下山>