2014年4月9日水曜日

マルチピッチリード講習は、無雪期の総合演習

4月5日(土)、6日(日)は、越沢にてマルチピッチリード講習。

初日は、女性WNさん、補習で男性NMさん。
2日目は、女性WNさん、男性STさん。
<壁を遠くからオブザベーション>

マルチピッチリード講習では、数ピッチのスケールの壁(60m~100m)を、リードしてもらいます。

初登攀の気分で登ることが大事なので、残置無視、トポ無視がスタンダードです。
<マルチリード初回のWNさんは、とりあえず易しいピッチでオンサイト練習>

まず最初に、

「あの辺なら、カム効きそうですかねー。」
「傾斜寝てるし、岩もゴツゴツしてそうですかねー。」

とか言い合いながら、オブザベーション。
<午後は、NMさんがリードで、トップアウト狙い>

そして、実際のリードは、ただただ初登攀のつもりで登るのみ。

「あそこまで行ってみて、どん詰りだったら敗退。あるいは、トラバースして別ラインを探る。」

ってのを、おおよそ決めておいて、登攀開始。
<実質、フリーソロに近い1P目>

それを、実践していくのみ。

だから、私から教えることは、本当に少ない。
むしろ、ジムのリード講習から、クラックリード講習に至るまでは、これを念頭に置いているので。
<奥多摩のヨセミテ?>

でも、講習生にとっては、

「クライミングとは、どういう遊びだと思いますか?」
「安全管理とは、どうやるべきだと思いますか?」

といったことを、岩から問われ続ける1日となります。
<とりあえず、フォローしながら学ぶWNさん>

さらに、足りない物も見えて来ます。

むしろ
「何で、私はこんなに出来ないの?」

と言いたくなるぐらい、突きつけられます(笑)。
<3P目>

例えば

・クライミング能力
(単純なグレード or 5.8以下を安定して登る技術)

・ロープワーク
(安全面 or 手際)

・プロテクション技術

・戦略
(ルートファインディング、敗退シナリオ、などなど)
<狭いテラスでの作業>

これを1日終えると、

「もっと、ジム行こう。」
「ロープワーク、頑張らないとダメだ。」

といった強い気持ちになれます。
<1年前とは、別人の安定感を見せるNMさん>

残置無理、トポ無視の、“初登攀ごっこ”。

残置を追ってロープワークだけを訓練している人達よりも、ハイレベルな講習ではあります。
<2日目>

でも、ホントに基礎的なことを積み重ねるだけです。

・ロープが綺麗に畳めるか
・カムが効かせられるか
・足置きが丁寧か
・敗退を考えながら前進しているか。
<まだマルチ2回目ながら、落ち着きを見せるSTさん>

「そんなことの、積み重ねでしかない。」
「だから、誰でもいつか出来ること。」

ということを、私自身が再認識した2日間でした。
<登竜門的なピッチをリード>

具体的な講習内容
・質問に応じて
・危なっかしい点を指摘
・ルートファインディング、プロテクションのメリハリの、考え方

2日目のジム転戦後:
・ロープの畳み方
・フィンガークラック練習
・懸垂下降の仮固定
<初めてのセカンドビレイ>

<昼前から雨が振り出し、ストーンマジックへ転戦>

<疲労困憊ながら、フィンガー練習も>

<懸垂下降の仮固定>