2014年1月5日日曜日

正月山行のススメ

12月28日(土)~1月1日(水)は、南アルプスの聖岳・光岳の縦走。

S本の神様、ランナウトスタッフで富士山ガイドのM本くん、と3人で。
ここ3年、正月山行は、冬山縦走。

2年前の硫黄尾根、昨年の不帰(敗退)、そして今回。

<神>
山で3泊以上できる機会は、社会人にとって少ないもの。

講習生や山友達からも・・・
お盆、GW、正月、の3回でもダメなときもある。

それ以外は、有給が年1回くらい連休に出来るか否か、という話をよく伺います。

<林道のアプローチ>
そう考えると、小さな日本と言えど、山深いところに行くチャンスは少ない。

もっと具体的には、南北アルプスの冬山、黒部や屋久島などの大きな沢登りに行くチャンスは、登山を10年以上やっても意外と少ないように感じます。

<2日目。主稜線も、樹林が多い南アルプス>
で、深い冬山は、それだけでチョット楽しい。

①トレースが少ない、白銀の世界

今回も、ルートの半分くらいはノートレース。
トレース無視はしていないので、あれば喜んで使っちゃいますが、ラッセルした喜びは後になってジワジワやって来ます。

そして、単純に美しい。

<寒波が入っても、南アルプスは晴れることも多い>
②週末山行では、行けない山域

週末だと・・・

・クライミングをするなら、アプローチ至便、トレースも多い八ヶ岳周辺
・ノートレースを期待するなら、上越などの比較的コンパクトな中級山岳

というのが、初級者の行動パターンに。

南アルプスって言っても、週末で行けるのは、甲斐駒と鳳凰三山くらいが一般的。

槍ヶ岳、北岳など、ちょっとした高山にチャレンジできるのは、ここ一発じゃないでしょうか?

<久々の3,000m峰、聖岳。ここは、ガス>
③何泊もする中で問われる、山慣れ

週末山行だと、体力とクライミング能力を始め、ゲレンデ的な能力が重要。

2泊、3泊となって来ると、

・生活技術
・行動計画の立て方

なんかに、経験の差が出てきます。

<稜線も、ほとんどワカン&ストック>
講習生には、ここ数年で冬山やクライミングを始めた人が多いです。

ですから、まだまだこういった長期山行は怖いでしょう。

<2泊目は、聖平の冬季小屋を利用>
であれば、GWの春山で長期山行をやってみたりして、来冬の正月山行を目標にしてみるのはいかがでしょう?

<3日目も、好天>
槍ヶ岳や北岳も、一度は行っておきたい有名山岳。

その一方で、今回の条件なら、聖岳も光岳もロープ使用なしでオススメでした。
(縦走だと、結構大変なので、初級者にはピストンが良いかと。)

<内陸で冬型だと、好天でも寒い・・・>
私も、今回どうもモチベーションが上がらない中、

「やっぱり、正月のチャンスだけは山に行って良かったなぁ。」

と思えました。

<ワカン&ストックで、ちょっとした岩場も歩いてしまうことに>
行動記録
(時間は、記憶頼みなので、適当)

1日目:
11:00 林道のゲート、車を出発
13:00 易老渡
14:00 聖光小屋(ここまで林道)
15:30 1,600mあたりにて、幕営

2日目:
 5:40 出発
 9:00 主稜線(宿泊装備をデポしてアタック)
13:00 前聖岳(3,103m)
15:00 デポ地
15:45 聖平小屋(冬季小屋を利用)

3日目:
 6:40 出発
10:40 上河内岳
13:00 茶臼岳
16:00 易老岳の手前にて幕営

4日目:
 6:45 出発
 7:00 易老岳(宿泊装備をデポしてアタック)
13:30 光岳
16:00 易老岳に戻り、幕営

5日目:
 6:40 出発
 9:40 易老渡の林道到着
11:30 林道ゲート、車に到着  

<典型的な、冬型の晴天&強風>
やっぱり、山は良いですね。

暴風でツラいのも、ある一定時間を越えると、アドレナリンが出てきて楽しくなっちゃいました(笑)。

<暴風の茶臼岳。耐風姿勢を、ときどき取りながら。>
そうそう、南アルプスはやっぱり良いですね。

正月寒波の冬型でも、晴れることが多い。
ここ2年が北アルプスだったので、その有難みを強く感じました。

<毎晩、ペミカンを披露してくれた料理の“神”>

<樹林帯のルーファイで大幅に時間ロスして、登頂を諦めかけた光岳へのアタック>

<デポ地から、6時間半のラッセル&ルーファイで、ようやく・・・>

<光岳へ登頂>

<トレースがあるので、下山は迷わず、快適>
では、今年もよろしくお願いします。