2013年11月14日木曜日

ルートクライマーが、伸びにくい理由

11月11日(月)、12日(火)は、自分のクライミングにて小川山&太刀岡。
開業1ヶ月くらいで、早くも予約メールが結構来るという今井くんと。

今回は、中級者向けの内容です。
ジムで、ロープクライミングのルートを、そのまま“ルート”。
同じく、ボルダーのルートを、“課題”。

なんて呼びます。

なんで、ルート中心のクライマーを、ボルダラーに対して、ルートクライマーって呼んだりします。
で、我々ルートクライマーは、はっきり言って成長が遅い。

ボルダラーが、ときどきルートをやった方が、はるかに高グレードをR.P.できるでしょう。

これは中級者の伸び悩み脱却みたいな話ですが、講習生も知識として知っといて損はないかと。
①練習量
3時間のジム練習で考えると、分かり易い。

ボルダラーの方がホールドを触っている時間が長い。

ルートだと、パンプしてしまうので、大きな休憩時間が必要になる。
特に、限界に近いルートだと、ついつい30分とか休んで、完全回復を待ってしまう。

さらに、ビレイをする、というのもレストになってしまう。

※初級者の場合は、本気トライをやること自体による経験値の蓄積、ビレイ練習にもなるので、ルートでの練習には大賛成
②セッション効果
ボルダーは、他人からのアドバイスを受けやすい。

私も、プライベートで登っていたとしても、ボルダーなら軽くアドバイスしてあげても労力は少ない。
タダでO.K.(笑)。

高さも低いし、少し見本で登ってあげたって、自分のトレーニングの妨げにはならない位。

ルートは、そうはいかない。
高さ8mともなれば、行くのもそれなりの労力。

また、ルートの場合は、パートナーと2人で登りに来ているので、他の人が口を出す雰囲気にはなりにくい。
ボルダーの方が、パートナーという枠組みを越えてコミュニティになりやすい。
③ムーヴ強度
フルパワーだと感じるのを10とすると、ルートクライミングは4~6くらいの力で進み、ときどき8くらいの力を出すというイメージだ。

経験のある人が、R.P.を狙うためにハングドッグしていたとしよう。

その人は、少しでも楽なムーヴを発見しようと努力する。
そのとき、自然と力をセーブする習慣がつく。

出だしや、大レストポイント直後なら、10の力をやるムーヴも許容する。
でも、なんとか8の力で済ませようとする。

もちろん、そうでなければ数日以内のR.P.は望めない。
だから、とても有効なタクティクスだ。

そして、その見返りとして、フルパワーを出さない習慣が付いてしまう。


逆に、10の力を出しても、10手以内のボルダーなら完登の見込みがある。

これが、登ること自体をトレーニングとして見たとき、ボルダーは決定的に有利。
つまるところ、ボルダーの方が、

「そんなにガムシャラにトレーニングっぽくしなくても、自然と上手く、強くなる環境がある」

ということです。
だから、高グレードの人は大抵、
「絶対、ボルダーやった方が良いよ!」

って言うんです。

ちなみに、①~③のどれも、ルートクライマーがときどきボルダーをやるくらいだと享受しにくいです。
理由は、“習慣を変える”必要があるからです。
そういう基本を分かった上で、どうするかはあなた次第。

これを読んでる大多数は、ルートクライマーでしょうから。

とりあえず、伸び悩むまではルートを頑張る手もあるでしょう。
最初から、平行してみるのもアリ。

いろいろ試してみてください。
具体的に登ったルート
1日目:小川山、仏岩
・ノーリターン(5.10c、フィンガー):アップのつもりが、寒すぎて落ちそうだった

なんと、吹雪になってしまい、この日は終了!
当分さよなら、バナナクラック!

2日目:太刀岡
・バーボンを片手に(5.10b、ボルト):痛恨の2テンション!言い訳すれば、寒かった。2便目で、再登。

・ハッピーバースデイ(5.11a、ボルト):再登で、アップ
・カリスマ(5.13a、ボルト):
記念受験の気分で、ムーヴを分解してみる。
1便目で、ムーヴは出来た。
ただ、3箇所ほど、テンション直後でも3回に1回くらいしか出来ないパワフルムーヴがある。

2便目で省エネはほとんど発見できず、繋がる見込みは感じない状態。
また、いつか来る機会があれば。