2013年8月30日金曜日

今井健司が、ガイド業を開業

8月29日(木)は、自分のクライミングにて、小川山。
今井君と。

<前日に、クラックグレードを5.12bに更新して、フラフラ気味の今井君>
今回は、今井くんの御紹介。

彼とは、2009年に富士山ガイドで一緒に働きました。

「ガイドやっても、勝てそうにないなぁ。」

と思わされたのは、同期の新人の中では、彼だけ。

良いガイドってのは、人柄も含めてなんで、競い合うのも変な話。


<打ち合わせミスが発覚。最高ルーフ(5.10d、2ピッチ)を残置無視するのに、1セットしかカムが無くて苦労することに>
とはいえ、

・登頂率(お客さんに楽をさせる工夫、モチベーションの上げ方、などなど)

・お客様の満足度

・ツアー外への配慮(他ツアー、山小屋、一般客、など)

・説明や盛り上げ方

なんかを見ていて、

「この人は、出来る!」
 って雰囲気は、滲んで来ます。
あとで話を聞いたら、山小屋のスタッフで相当頑張っていた経験があるそうな。

人として気遣いが、僕とは段違い(笑)。

<最高ルーフの核心部。残りのカムが気になっているが、ムーヴ自体も侮れなかった。>
さて、その年から翌年にかけて、彼と青木君と3人で組んで登りました。

目標は、春のアラスカ。
それに向けて、

・夏のミズガキでクラック
・3月の穂高で、継続登攀

なんかを登りました。

<何とか残しておいた、ハンドサイズを使う>
まー、彼の勢いの凄いこと。

「多少のリスクを承知でも、完登するんだ!」
「強いアルパインクライマーになるんだ!」

って気持ちが、素晴らし過ぎる。


<いつもと違う方向から見る、大貧民ルート>
僕自身が
「自分は、アルパインクライマーじゃないな」

と、薄々思いながら登っていたのを、

「やっぱり違うな!」

と、決定づけた1年でもありました。

<続いて、2P目のバリエーション“サウスポー”(5.11c)>
その後、今井君は名古屋のクライミングジムで店長をやりつつ、しっかり登り続けておりました。

御在所での冬期ルート再開拓なんかは、雑誌にも出てます。
(オールフリーではおそらく初登攀、なども含む)

最近、そこを辞めて、パキスタンに遠征に行ってきたそうです。
(結果は、敗退だったそうです。)

<私が敗退したので、今井くんがフラつきながらも行ってみることに>
そんな彼が、最近は清里に近くに引っ越しました。

で、平日パートナーとして登っている訳です。


<今井君も、ムーヴ解決ならず>
そんな彼が、ついにガイド業を始めました。
http://kenshi6.jimdo.com/

ガイドのスタイルとしては、石田登山塾に結構近いです。

「将来的には、たぶんやると思う。」
と、本人も言ってました。

「向いてるし、好きそうだし、絶対やった方が良いよ。」
と、僕ら周りも言い続けて来ました。

僕よりクライマーとして上のレベルで、世界のことも知っています。
しかも、いいヤツです。

<今井君が撮った写真>
オススメしますよ。
今は、まだ開業したばかりで、ヒマそうです!

将来の人気ガイドも、今は予約も取りやすい。



具体的に登ったルート
・最高ルーフ(5.10d、2ピッチ) 打ち合わせミスにより、1セットで登る。どうにか、残置無視でオンサイト。

・サウスポー(5.11c) 最高ルーフの2P目のバリエーション。2便トライするも、ムーヴ解決ならず。

見た目はイマイチ。
が、ムーヴはジムのルーフボルダー、って感じで楽しい。

場所も見栄えも悪いけど、機会があれば行くかも。

2013年8月28日水曜日

無料体験8月

8月27日(火)の夜は、無料体験講習。
今回は、ジム経験数回の女性SKさん、ロープクライミング経験数回の男性NTさん、常連女性HMさん。
無料体験は、ムーヴ講習Lv.0の1時間半バージョンです。

全くの素人さんから歓迎なので、
・ダブルチェック
・トップロープのビレイ
・一手一手レストする練習

くらいが主な講習内容となります。

経験者が多いときは、ムーヴ講習っぽくなる日も。
今回、初参加のお2人には、ムーヴ講習Lv.0をオススメしておきました。
まだ、ハーネス、クライミングシューズ、チョークバッグ、などもレンタルだったりするので。

当塾のクライミング講習は、リードが主目的です。
が、まずはロープ以前に、ハーネスとシューズですよね。

少し慣れて来たら、リード講習もオススメします。

足自由も、やってみて下さい

8月27日(火)の昼は、ムーヴ講習Lv.0。
常連女性ODさん。
ジムでは、普通は「頑張れば登れそう」なルートにトライします。

それが、目標設定としてベストだからです。

簡単に登れてしまっては、上達しないです。
逆に、何回やっても登れそうもなければ、落ち込むばかり。

だから、自分のレベルに合わせて、進捗のあるルートを選ぶことが大事です。
進捗ってのは、
「さっきより到達高度が上がった!」
「さっきは、出来なかったムーヴが、その部分だけやったら出来た!」

って話。

「あと何回かトライすれば、出来そう」
「明日も連続で来ちゃったら、登れそう」

って気持ちが、楽しい練習に繋がります。

で、ジムのルートは・・・

5.6~5.11以上に至るまで、どのグレードも複数本ずつが用意され、そういう練習がしやすい環境を目指しています。

でも、そのジムのルートだけじゃ、足りない場合もあります。
そういう場合、手足限定のルートを足自由でトライしてみるのも有効です。

つまり、自分が「頑張れば登れそう」な目標ルートを、自分で作ってしまうという発想。

特に、初心者・初級者には、足自由が有効なトレーニングでもありますから。
(なんで有効かは、またの機会に)


具体的な講習内容
・反動ムーヴ
・5.10aをオートビレイ機でトライ

夏前に比べると、ブランクが空いて、少し後退気味。
でも、数回で戻せる程度の後退かと思います。
頑張ってください!

2013年8月26日月曜日

本日の増やす会

すっかり、書き忘れておりました。
集合について。

19時30分に、新宿駅西口改札。
遅れる方は、直接お店に来てください。

金の蔵Jr. 新宿西口駅前店
(身分証明書など、年齢確認できるものの提示を求められる可能性あり)

一応、店に人数予約はしてありますが、今からの急遽参加も可能です。
お待ちしております。

ロープワークに、もう少し重点を置いても良いかと

8月24日(土)は、ストーンマジックにてロープワーク講習。

クラックリード講習を予定していた、T山岳会の男性STさん、山に行ける回数制限が厳しい男性STさん、新規の男性OSさん。
本日参加した講習生の方が、後輩と一緒にクライミングをするとき

「ロープを畳んだりするだけでも、時間が掛かって仕方がない。」

と感じるそうです。

<当塾講習の横で行われていた、HY登山塾。通称“ウラ塾”>
そして、本日たまたま居合わせたHYさんは、登り返しの練習。

の、はずが全く登り返せずに、空中にて遭難?

<参加者のレベルに合わせて、終了点作業の応用問題>
まさに、ロープワークのポイント。

①一応できるけど、洗練されているレベルまでは、程遠い
(洗練のさせ方が、自分では分からない)

②たまにしか使わない、トラブル対処の技術は、覚えているつもりが出来なかったり

<ハンドクラックは、物凄く楽々と登れるようになっていたSTさん>
もちろん、ロープワークは登るのに比べて、そんなに面白くないという人が多いです。
しかも、実践が少ない人が、ロープワークだけを先行して学ぶのは無理があります。

だから、ロープワークからは足が遠のきがち。

でも、マルチピッチやアルパインを目指すなら、初心者のうちは月1日くらいはロープワークに集中した日を作っても良いぐらいだと思います。

要するに、もうちょっとロープワーク講習受けた方が良いと思う人が、他にも何人もいるって話です。

<汗っかきで苦労しつつも、気合と根性で登り続けるSTさん>
これから、秋雨の時期となります。

雨天時に、ロープワーク講習に変更になった際、メールでのお誘いを希望される方には、すでにメール配信をしております。
他にも、希望される方がいれば、メールにてお知らせください。

具体的な講習内容
・ロープの畳み方(表と裏、しっかり締める方法、など)
・ボルトルートの終了点作業の復習&応用問題(結び替え、懸垂下降、立ち木)
・ハンドクラック練習
・懸垂下降の仮固定

実践が少なすぎたか?

8月22日(木)、23日(金)は、岩場リード講習。

前回の岩場リード講習が雨で流れた女性KGさん、その御友人の男性STさん。
高崎の女性HMさん、先月も1日だけ岩場リード講習に参加した男性FKさん。
前日の下山遅れにより、この日は私自身が大遅刻。

誠に申し訳ございません。

昼からの開始でも、雰囲気が悪くなることなく受け入れてくださったのは、皆さんの人柄です。
ありがとうございます。

<KGさんが5.7を登る姿は、まるで「イレブンクライマーのウォームアップ」>
さて、もともと石田登山塾のカリキュラムは、相当な詰め込みです。

岩場リード講習が2日間とは言うものの、2日間で自信を付けて帰るレベルなのは半数以下。

半分以上は、
「一応、分かったけど、現場ではミスばっかりだろうから。」

という雰囲気。

3日間、4日間と補習的に受講して、講習中に実践リードの経験を重ねる人も多いです。

<5.8をフラッシュしたFKさん!同内容で2日目なので、実践本気トライを織り交ぜて>
そして、実際にミスをしたときに、

「それは危ない!チョット待って!」
「もっと、こうすれば良かったんですよ。」
「そのくらいのミスは、命には直結しないし。最初のうちは、仕方ないですよ。」

と、評価されながら実践を積むというのは、オススメできる方法です。

<アプローチを相談>
が、今回は私の遅刻、2日目の午後から雨天も相まって、実践練習時間が不足に不足。

特に2日目は、ボルト、終了点など。
理屈ばっかりを講習するような形になってしまい、苦しい展開。

<1800kgって書いてあるけど、ボルトは細め?>
これだったら、予定内容を終えられなくても、実践リード時間を増やせるエリアに行くのもアリだったかなぁと反省気味です。

でも、終了点で懸垂が必要なルートとかで、1回でも実戦経験を積めたプラスもあるとは思います。

<色々な終了点を想定しての、練習タイム>
ただ、講習中の判断って

直後には、

「微妙な判断だったなぁ。」
くらいの印象だったのが、

1年後には、

「あれは、今なら絶対やらないな。」

という印象に変わることもありました。

(今回が、それに当たるかは分かりませんが)

<5.9のルート(限定せずに右に回りこむと、5.8くらい)を登るFKさん>
講師として、未熟という話かもしれませんね。

具体的な講習内容
1日目:
・足の置き方(足指で握る、ネジってなじませる、踵を少し落とす、など)
・プッシュの練習
・ウィップフラッシュ現象とヌンチャクの向き
・次のボルトまでが遠い場合の戦略
・実践、本気リード(FKさんのみ)

2日目:
・ボルトの種類(リングボルト、RCCボルト、ハンガーボルトあれこれ、ケミカルアンカー)
・終了点作業(結び替え、懸垂下降、立ち木のみの場合、など)
・実践リード&終了点作業(1人につき、1回のみ)

雨にて撤収し、東屋にて。
・終了点の仕組み(流動分散、固定分散、独立分散の仕組み

また受講してくだされば、今度は補習的に実践を多くしてもらいましょう。

笹穴沢で下山遅れ

8月21日(水)は、自分の山で上越。
赤谷川の笹穴沢へ。 

パートナーは、立川山岳会のK田さん。

<遡行図で、巻くことになっている小さなゴルジュ>
今回は、見事なまでに登山失敗。

下山は、夜中の午前3時半。

計画書を預かってくださった所属山岳会、同人の方々には、大変な迷惑を掛けました。
また、翌日の「岩場リード講習」を受けてくださった方々にも、私自身が大幅に遅刻するという迷惑を掛けてしまいました。

それ以外にも、小さな迷惑はアチコチへ。
笹穴沢は、遡行図によれば・・・

「1泊2日。頑張れば、日帰り可能。」

地図やら、ルートを見ても、
「まぁ、日帰りコースでしょ。(下山合わせて、12時間行動くらいだろうけど)」

という予想。
が、早朝3時に起きると、本降りの雨。
中止も考慮しつつ、5時出発を6時出発に遅らせて入山。

「下山は、ヘッデンかぁ。前半で、雨が降って来るなら、敗退しないと危ないな。」

くらいの大雑把なプランニング。

<意外と、天気は良い>
結果的には、曇り時々小雨。

ときどき、晴れ間も見えるので、
「登っちゃいますか!」

という判断。

が、時間読みが甘かったこともあり、全ての滝やゴルジュを直登するよう頑張って行く。

(もちろん、遡行図で「巻く」と書かれている滝は、オンサイト気分で最高に面白いのだが。)

<割と易しめの滝>
で、午後2時過ぎ。
自分たちとしては、核心部は終えたと思っていた頃。

「いい加減、急がないとね。」

という雰囲気の中、40m大ナメ滝。

<遡行図よりも美しいラインで登れた滝>
でも、どう見ても60m以上ある。

「簡単だが、失敗は許されない」
って情報があるけど、結構難しそう・・・。

「ヤバイ予感するなぁ・・・。支流に入っちゃったかなぁ。」
って思いながらも、リード開始。

<遡行図で、簡単って書かれているけど、結構悪かった滝>
で、これがまた私の超苦手系。

ヌメったスラブ、細い草付き、プロテクションは気休めのみの実質50mランナウト。
(危ないⅣ級って感じ)

他の記録を読んでも、ノーロープで通過している人も多いなか、私は最初の1Pに2時間掛かりました。

<大ナメ滝の1P目。ヘッピリ腰・・・>
これで、一気にドハマリ。

薄暗くなる中、合計7P掛けて大ナメ滝を突破。

「きっと、支流に入ったに違いない。」
という気持ちもあって、19時から支尾根を目指す。

暗いので、ヤブの急斜面でもロープを出して。
7Pほどロープを伸ばして、22時。
ようやくヤブ尾根の緩傾斜帯へ。

「ビバークしても良いんだけど、やっぱり出来れば降りて、迷惑を最小限にしたいし。」
という欲も出ており、根性出してヤブこぎ。

午前1時半に、平標山の直下。
登山道に到着。

午前2時に、ようやく携帯が通じて無事であることを在京にメール。
午前3時半に、エスケープルートを使って、車道に降りました。


反省
①日帰りで行く沢としては、十分に本気レベルのルートだった。

少し余裕があるような気がしていて、装備、時間読み、地図読み、などに甘さがあった。


②草付きが苦手であることから、すっかり意識から薄れていた。

K田さんリード交替してもらえば、暗くなるまでに標高がだいぶ稼げた。


③翌朝早くから講習がある休業日は、余裕のある山行orフリーマルチ、くらいが時間が読めて適度。


ダメダメでしたね。
ただ、はからずも本気行動となり、登山に関しては色々と勉強になりました。

摩天楼(5.10d、オフィズス)、敗退

8月19日(月)は、自分のクライミングでミズガキ。
山岳同人チーム84の、まりさんと。
先週、先々週と、ワイドクラックの最高グレードを5.10cに更新しました。

以前から興味のあった、5.10dを見物するのも兼ねて、不動沢の摩天岩へ。

<5.8、4Pなら、講習でも使えそうなレベルだった>

摩天岩は、上部岩壁と下部岩壁がありますが、上部に行くのは初。

3~4ピッチ程度の壁なので、まずはトポをたいして読まずに、頂上を目指してみます。

5.8くらいのチムニー、ハンド、などを繋いで、快適に頂上へ。
後からトポと照合すると、日本晴れルート(5.8、4P)だった様子。

途中に、バリエーションピッチ5.10b(無名だが、トポに載っている)を見つけたので、懸垂下降で寄り道して完登。

<オフィズスの5.10b>
で、マルチで半日遊んだので、午後は1Pのルートで本気トライ。

5.10aを1本登ってから、いよいよ摩天楼(5.10d)。

<摩天岩は、ミズガキの山頂も近いので、稜線の雰囲気が味わえる>
結果は、惨敗。

オンサイトどころか、10回以上も落ちても、ムーヴ解決すら出来ず。

ワイドクラックは、1つグレードが上がるごとに、別世界になるような印象です。

例えば・・・

5.8:
スタンス、ホールドが、ときどき出てくる。
バック&フットだけでも半分くらいは登れちゃう。

5.9:
垂直以下だが、ホールドは少ない。
ニーロック、ヒール&トウ、などの基礎的なコンビネーションが出来ていないと、高度が稼げくて、疲労困憊になる。

5.10a:
5.9に、ちょっとした核心部がある感じ。
ホールドが少しあるハング、フレアーが著しいセクション、などがあって手順、足順を考えさせられる。

5.10b:
だいたい、少し被っている。
もしくは、5.10aのようなチョイ核心が、レスト出来ずに続く。

5.10c:
今までの印象だと、ワンポイントながら、ルーフクラック。
ただし、スタンスやジャミングポイントがあって、リービテーション以外にも解決策はある。

5.10d:
今回の摩天楼は、やっぱりルーフクラック。
ムーヴ出来ないから、分からず。

<写真右のルーフクラックのラインが、摩天楼>
そして、わずか1時間のトライで、翌日は全身が激しい筋肉痛。

また、そのうちにリベンジしに来たいです。

具体的に登ったルート
・日本晴れルート(5.8、4P) 頂上の岩塔まで立つ
・無名ルート(5.10b、オフィズス) オンサイト。結構、頑張った。
・虚無僧ルート(5.10a、フェースっぽい) オンサイト。かなり恐いルートだった。
・摩天楼(5.10d、オフィズス) ムーヴ解決できず。エイドしてトップアウト。

2013年8月20日火曜日

10月の予約受付

来週の8月26日(月)から、10月分の予約受付を開始いたします。
少し早めの告知ですので、「当日になってスッカリ忘れていた」ということのないようにお願いします。

また、同日の20時からは「山の知り合いを増やす会」を行います。
こちらも、参加希望の方はメールにて連絡お願いします。

マルチピッチ中、セルフビレイを取るかどうか

8月17日(土)、18日(日)は、小川山にてマルチピッチリード講習。
常連のYZ夫妻。
マルチピッチでは、ビレイの際にセルフビレイを取るのが普通です。

が、1P目の取り付きでは、セルフビレイを取らないこともあります。

なんでか?

<初日は、南稜神奈川>
それは、取り付きでは滑落の心配がないことがあるからです。

セルフビレイを取らなければ、それだけ時間も短縮できますし、ジムのような理想的なビレイも出来ます。

なので、小川山や三ツ峠のように、下地がしっかりした場所では、セルフビレイを取らずにリードのビレイを行えます。

<気合の入った、最高の表情>
が、杓子定規に考えるのも良くないです。

例えば、

安定したテラスでも、ちょっと下が切り立った崖、ってこともあります。
リードがノープロテクションでフォールしたら、ビレイヤーを巻き込んでしまうでしょう。

そういうときは、ビレイヤーだけでもリスクを減らすために、セルフは取っておく方が無難です。

・応用編
登り始めてすぐに確実なプロテクションが取れるなら、ビレイヤーを巻き込むケースは考えなくてもO.K.。

<不慣れなチムニーを抜けて、体はボロボロ>
他にも、リードに対してビレイヤーの体重が軽いときは、ビレイヤーが浮き上がるのを防ぐ意味でセルフビレイを取るのも有効。

<肩まで抜けた時点で、夕方に>
で、壁の中にいるときは、常にビレイされている状態です。

(セルフ → パートナーからのビレイ → セルフ → パートナーからのビレイ)

<お得意のポーズ>
でも、途中に歩きっぽいセクションが出てきたら、ロープを解いたり、セルフを取らなかったりするのもアリです。

この辺は、本人の感覚次第。

<奥様は、自称“晴れ女”>
が、しかし!
本人は恐くないんだけど、セルフを取った方が良いと思う場面もあります。

例えば、
懸垂下降のセット中

ロープを下に投げ下ろす(or自然に落ちる)ときに、ロープに足を絡ませてしまって滑落する事故例があるんです。

だから、下の写真みたいに安定した足場で、御安心な立ち木から懸垂する場面であっても、原則はセルフを取った方が良いと思います。

<ちょっと慣れて来ました>
同じような例は、色々あると思います。

「広いテラスであっても、下が崖って場合・・・
ロープ操作をするときは原則的にセルフを取った方が無難」

だと思います。

<2日目は、無事に完登!>
YZ夫妻も、まだ
「今、セルフビレイを取らないと、どんなリスクがあるか?」

ということが、整理されていないようでした。

単純に、足場が悪ければ取るだけじゃなく、ロープに引きずり下ろされるケースまで考慮してセルフを取るか考えると良いですね。
具体的な講習
1日目:
・カムなどの複数支点によるビレイポイントの作り方
・ピナクルを利用したビレイポイントの作り方
・南稜神奈川ルートを、肩までで時間切れ

2日目:
・春の戻り雪、の近くを残置無視でラインを引く
(無事に完登!)

個別のアドバイスは、書ききれないので割愛。

YZ旦那様は、一応は卒業レベル。
でも、奥様と一緒にマルチに行く前提で考えて、もう数回は受講した方が良さそうです。

立木の利用

8月16日(金)は、小川山にてマルチピッチリード講習。
ボルダラーで、波乗りで、バックカントリースキーヤーの女性KSさん。

ルートは、大貧民。
ビレイ点を作る際、立木はよく使います。

講習してみて、

「えっ!?そんな細いヤツで?」
「えっ!?根っこごと折れそうじゃないですか?」

ってのを、講習生が使うことが多いってことに気が付きました。

今更感もある、基本中の基本ですが、私なりの考えを。

<地上にて、ビレイ点作りの講習>
まず、太さ。

客観的に見るって、案外難しい。

最近オススメしているのは、スリングの長さで測る方法。

①120cmスリングで、丁度良いくらいの太さ
→充分に太い。根元に巻かなくても良いくらい。

②60cmスリングで、ギリギリ回るくらい。
→充分に太い。でも、一応は根元に近いあたりに巻いておく。

③60cmスリングで、余裕で回る。
→ギリギリの根本で巻きたい。(木は折れなくても、テコの力で根本が倒れる)

④太もも、腕ぐらいの太さ。
→雪国なら、しなって粘る木もあるから大丈夫だったりする。でも、不安は残る。最終的には、リスクの大きさとの兼ね合いで。

<1P目。ちょっとランナウト癖があるのが、気にかかる。>
次に、木そのものが生きているか?

私も、初心者の頃。
根本の太さばかりに目が行って、ビレイしている最中に・・・

「あっ!?この木、枯れてるじゃん!」

と、気づいたことも何度かありました。

<2P目。カムセットの基準が、ちょっと緩いかな。>
あとは、木が生えている場所!

当然ながら、テラスに僅かばかり乗った土に生えている木は、土ごと倒れる可能性があります。

経験者なら、クライミングエリアの立木は、そんなの日常茶飯事だとは御存知でしょう。

でも、初心者の場合、どうも見落としがちなポイントみたいです。

<休憩中>
最後に!

こういうのを、体感的に理解する方法があります。

それは、木を揺らしてみること。

当たり前過ぎるんですが、これで頭でなく、体で覚えられるようです。
できれば・・・

「スリングを巻く予定の高さより、“少し上”を強く揺すってみて、その揺れ具合でリスクを体感すること」

ってのが、良いと思うんですよ。

<カムでのビレイ点を早速実践>
実際に、高めの位置を揺らして

「え?グラグラじゃん!」
→「これ、やめとこ」

「結構揺れるなぁ」
→「根本に巻いときゃ、何とか大丈夫かな」

「ほとんど揺れもしない」
→「これで、根本に巻いときゃ完璧に御安心なビレイだ。良かったー。」

ってな感じです。

<恐ろしい最終ピッチ。思い切りが良すぎるムーヴだったので、気を付けて。>
最近は、講習生が、立木にスリングを掛けるか迷っていたら、

「揺すってみて下さい。(どのくらい信用できるか、体感してみてください。)」

と言うことにしました。

レッツ体感です。

<完登!スピードは、講習生の中でも最速>
具体的な講習内容
・カムなどの複数支点を使ったビレイ点の作り方
・ピナクルを使ったビレイ点の作り方
・大貧民ルートを、オールリードにて完登

<お殿様の真の頂上は、ボルトが1本しか無い。全ネジの新しいボルトなのが救い。>
登り自体は、かなりハイレベルなKSさん。

でも、安全面に関しては、まだまだ課題が多そうです。