2013年5月16日木曜日

リードスイッチ

5月14日(火)は、湯川にてクラックリード講習。
新規の女性SDさん、男性SMさんのペアに加えて、常連女性WNさん。
今回、大きな成果があったのはWNさん。

WNさん、とても怖がりです。
一年前にジムでのリード講習以来、リードで落ちることは皆無。

だから、1年前とジムのグレードはほとんど変わらず、いつも5.10aくらいで、たまに5.10bが登れたり。

そんな彼女、今日はクラックのリードで本気の突っ込みを見せ、見事にフォールしました!
ジムでも落ちれない人が、ボルトルートもすっ飛ばして、いきなりカムで落ちるなんて!?

という驚愕の話です。

が、今まで何人かそういう人は見たことがあります。
このトライ中、WNさんは素晴らしい集中力!

・疑似リードと違う場所にカムを決めたとしても、慌てずに他のカムで帳尻を合わせる
(上にカムを決めてから、下のカムを回収する等)

・バックアップのカム(固めどり)、ランナウト具合、などの計算もバッチリ

・終始真剣な取り組みで、粘りに粘ってフォール!
(落ちたカムは、絶対の自信があったそうだ)

普段は、ちょっとダラダラとトライしてしまっているWNさん。
本人を知っている人に、見せてあげたいほど!
なんで、こうなったのか?

よく、K島嬢が「リードスイッチ、入ったよ」なんて言っている精神状態。

このスイッチが入ると、
「登りたい」という気持ちと、様々な判断を行おう、ということに目一杯・・・。

目一杯であるが故に、他のことが目に入らず、集中できます。

つまり、クラックは判断することが多いから、逆に恐怖を忘れて集中できちゃう人もいる、という不思議な話。
しかも、トライ前は、「あの辺でカムを決めて、そこから核心は頑張って・・・」という覚悟が座ってきます。
すると、恐怖心も半減し、登りもスピーディーになります。

これが、最高の精神状態。

テレビなんかで、スポーツ選手が「ゾーンに入った」なんて言っているのは、この精神状態をさらに特化させたものなんだろうと思います。
で、このスイッチ、やっぱりリードだと入りやすいんです。

WNさんは、
「トップロープリハーサルで散々やってからリードしても、意味ないんじゃないかと思うんですが。」

なんて言ってたんですが・・・。

実際は、リハーサル後でもスイッチ入りまくり(笑)。
フォールして完登は逃したものの、それ以上の経験になったと言っておりました。

やっぱり、クライミングは単なるスポーツではなく、恐いから面白いんですよ(笑)。
具体的な講習内容
・ハンドジャム、フットジャム、フィンガージャム、フィストジャム、などのコツについて
・カムセットの基本
・疑似リード(WNさん、SDさん)
・実践リード(WNさん)

新規のお2人は、少し経験のある方々。
ジャミングの効きが良くなったと、喜んでおられました。