2013年4月26日金曜日

経験はあるんですが、基礎から受講

4月26日(金)は、天王岩にて岩場リード講習。
最近、すっかり常連さんの女性IMさん。

例によって、休暇を取っての講習。
IMさん、これまでガイド山行を少々、山岳会に入って先輩に連れられてを沢山、友達と1ピッチの岩場に少々、といった経験値。

実際、このやり方で、日本の名だたる入門バリエーションは登って来たようです。
しかも、易しいピッチをリードさせてもらったこともあるとか。
一方で、
「ちゃんと習ったことが無い」

というのが気がかりで、3月から当塾のムーヴ講習、リード講習3回と来て、今回。

ふと気づけば、相当な頻度で受けていますね(笑)。
山岳会などで
「一応できるけど、ちゃんと習ったことが無い」という方には、

自分が本当に受けたい講習の1つ下の講習、をオススメしています。

例えば、
・クラックリードを受けたいなら、岩場リード
・岩場リードを受けたいなら、ジムリード

というのも、必ずと言って良いほど“抜け”はあるものです。
それを補うことが、安全や伸び悩み解消に繋がるのです。
ただ、それって何だか遠回りをしているようで、面倒くさいもの。

その労力を惜しまず、IMさんはジムのリード講習から受けてくださっております。

もしかして、本当に受けたかったのはマルチピッチリード講習?
だとすると、4つ前から受けております。

おかげで、基礎固めをしながらレベルアップできるので、講習しやすいです。
IMさんの場合、

「色々と経験はあるんですが、結構知らないんで何でも教えてください!」

というスタンスが、功を奏していますね。
具体的な講習内容
・指の脱力
・ヌンチャクの向き(ウィップフラッシュ現象)
・ボルトの種類
・終了点作業
(本日は、結び替えのみ)

・終了点の仕組み
(流動分散、固定分散、独立)

・トップロープの張り方

・ロープの畳み方(洗練させる方法)

食傷気味のクライミング

4月23日(火)、24日(水)は、JECCのS木君と。
初日は、小川山ボルダー。
S木君とは、足尾に行って以来2回目。

彼のモチベーション、半端じゃないんです。

まだクライミングを始めて2年とか。

足尾ではアルパインクライマーとして凄かったです。
私なんか、リード代わってもらったり、途中敗退を頼み込んだり、下山は荷物持ってもらうレベル。

そして、今回はボルダーでも、私がほとんど教えてもらいながら登る状態。

うーん、秋くらいに見たときは、“スゲーやる気の体力系”って感じだったのに・・・。
このペースだと来年には、日本トップレベルのアルパインクライマーになっちゃうんじゃ?
自分よりモチベーションの高い人間と登るのは、刺激になって良い・・・。
ですが、さすがに疲れました。

ボルダーでも、10分~1時間くらいで次のボルダーに移動、という一日。
登れても、登れなくても、長々とはトライしないで、とにかく動き続ける。

翌日は、雨でベースキャンプに行って、ルート。
基本、2~3本登ったらビレイ交替、というインターバルトレーニングもどき。

ときどき大休憩は挟むものの、開店直後から夜8時まで居ました。
(彼は、閉店までやる気満々だったんですが、私が止めました)
それにも飽き足らず、彼は

・夜はテント場で筋トレ
・食生活は、「ダイエットだ!」と言って、食物繊維中心
・寝不足になろうとも、「温泉は回復に有効」と言って、この日も直行

・小川山からベースキャンプまでは、高速代をケチって下道で5時間ドライブ
(私なんぞ、ベースキャンプに到着した頃には、結構疲れてました)

まあ、他にも数え上げればキリがない。

しかも、ここ1ヶ月は仕事もしないでクライミングに打ち込んでいるとか。
凄すぎます。

ま、おかげでトレーニングにはなったんですけどね。

ボルダーの成果

<石楠花ボルダー>
・達筆(3級) 20トライくらい 4年前の記録を見たら、登れてなかった
・川遊び(1級) 10トライくらい 異常にグレードが易しい気はするが、4年前は落ちるのが恐くてトライしなかった模様
・河の辺で(3級) 10トライくらい 無駄打ちしてしまった
その他、再登をイッパイ

<きたない大岩>
あとからトポを見ると、思ったより限定があったので、既成の課題ではなかった模様。
それなりに登った。

<石の魂>
もうダメ、って疲れ方。
5級も登れなくなり、終了。

2013年4月22日月曜日

ロープワークは、実践と練習の両立で

4月21日(日)は、ストーンマジックにてロープワーク講習。
前日からの続きで、TZさん、NMさん。
ロープワークというのは、理解が難しいようです。

例えば、マッシャーを使った登り返し。
(通称:自己脱出)

これを初心者が理解しにくい点は、2つ。

①マッシャーやバックアップなど、一つ一つの結びに慣れていないと、全体的な仕組みが分からない

②それが必要になる場面が、経験不足でイメージできない
②に関しては、マルチピッチに沢山行けば分かります。

NMさん、TZさんも、前日に色々とトラブルを味わっているので、理解力がアップ。
ただ、実際にマルチピッチリード講習を行うと、ロープを使っているのに、ロープワークを指摘する時間はありません。

ルートファインディングなどの、判断を講習するばかり。
ロープワークは講習できません。

つまり、①を補うのは練習です。

<右上腕を故障中ながら、調子が回復してきたように見えるTZさん>
・スピードアップの小技
・ロープワークの仕組み
・トラブル対処方法

ロープワークのレベルがアップすれば、マルチピッチのスピードもアップしますよ。
具体的な講習内容
・ロープの畳み方、1ピッチのルートの終了点作業(復習)
・ビレイポイントがテラスの奥の方にあり、延長してセカンドを見ながら確保する方法
・クラック練習
・登り返し(懸垂のバックアップありの場合も含めて)
・ビレイポイントに到着して、スリングが足りない場合(固定分散の作り方)

2人とも、先月よりもロープワークの理解が進んで来ました。

実践、練習の繰り返しが重要ですね。

マルチピッチはチームプレー

4月20日(土)も、三ツ峠にてマルチピッチリード講習。
常連男性NMさん、常連女性TZさんのペア。
マルチピッチは、チームプレーです。

「誰かがリードできれば、残りはトップロープで登れば良い」

っていうのは、一人がベテランの場合に限られます。

<隣に居合わせた、ONさん、Hさん、HYさんの自主練習パーティー>
チームプレーの例として

①ルートファインディング、何時までに頂上に着けなければ敗退、などの判断は、一緒に行う
②リードは空身で、ちょっとした荷物(アプローチシューズ、水、ヘッドライト)などは、フォローが背負う
③リードがセットしたギアを、クリーニングしながら登るのがフォローの仕事
※特に、回収しにくいカムをセットしたりすることもある
④レスキューに限らず、ちょっとしたトラブルには協力して対処
※ATCを落とした、ルートを間違えた、ロープが絡んだ、など
さて、今回も二人で困ったことが連発。

①一緒にルートを話し合ったのものの、NMさんが結構厳しいラインをリードして行き、フォローTZさんが登れなくなる・・・。

まだ、登り返しや、セカンドのテンション解除も十分ではないので、「困った、どうしよう」という状態に。

まあ、TZさんがラインを変えて突破できたので、事なきを得ましたが。
さらに、2P目以降は、天候悪化。

なるべく易しいラインで頂上を目指したいTZさん、ちょっと面白そうなピッチを選びたいNMさんで、話し合いは今一歩かみ合わず(笑)。

よくあるパターンですね。
そして、トップアウトするころには、雪も積もり始めて、気分はアルパイン。

マルチピッチとアルパインの差は、紙一重ですねー。
具体的な講習内容
・ビレイ点の作り方を確認
・実践マルチピッチリードで頂上へ

本日は、15時には頂上。
雪も降っていたので、急いで下山しました。
講習を受ける段階でも、マルチピッチはパートナーが大切です。
一人では、話し合えませんから。

<雨具を羽織っても、寒い!>

早く降りて、麓でゆっくりしました。

クラックは味方だ

4月19日(金)は、三ツ峠にてマルチピッチリード講習。
先週から連続の男性ONさん、茨城からの男性Hさん。
マルチピッチ講習のテーマが、未踏の壁を登るようなつもりで遊ぶ、ということは前回の通り。

そんな中で、実際に登るラインを選ぶのは、講習生の皆さんです。
スラブを行くのも、クラックを行くのも、あなた次第!

でも、よっぽど危なくなければストップも掛けませんので、苦労するのもあなた次第!
今回、ONさんが
「クラックって味方なんだなー」

という発言。
クラックは、カムが効くからリードしやすいというのは、言わずもがな。

他にも、戦略的にも色々と好都合があります。
①クラックは、次のピッチまで繋がっていることも多く、クラック沿いに登れば
・ビレイ点
・次のピッチ

の算段も立てやすい。
②最悪、自分の手におえるグレードではなかったとしても、プロテクションが効いていれば、
・敗退
・テンション交じりで突破(エイド)

といったことも出来る
そして、もう一つ

③オブザベーションの段階で、難易度の予想がしやすい

というのがあります。
例えば、フェースをオブザベーションして、

「きっとあれがガバで、スタンスはあれが良さそうで・・・」

なんて見ても、近づいてみたら外傾していて、ホールドにならない!
なんてことは、日常茶飯事(笑)。

マルチピッチで、ランナウトしている状態で、そんな状況になったら涙が出そうです。


<Hさんが核心部でフォール!カムが効いているとは言え、スポーツクライミング顔負けの突っ込みでした。>
一方、クラックは

「あそこは、ハンドジャムに丁度良いサイズ」
「ちょっとフレアーチムニーっぽいけど、傾斜が寝ている」

なんてオブザベーションします。

で、基本的に裏切られることはありません。
だから、綺麗なクラックなら、

・サイズ
・傾斜
・フレアー具合

等で、おおよそのグレードが当てられます。
(5.8前後だろう、等)

むしろ、クラックの中や、外に思わぬスタンスが現れたりして、思ったより簡単になることが多い。
また、

クラック慣れした人は、
延々と同じサイズが続くようなときに、

「ずっと同じムーヴだから、不安があまりない」

と言ってランナウトできるのも、同じ理屈です。

<マルチピッチリード講習は初めてながら、どこか余裕のあるHさん>
「マルチピッチ=クラック」

ではありません。
が、ものすごく重要だということは、分かっていただけたようでした。
具体的な講習内容
・ビレイ点作りの練習(巨大なピナクル、複数支点の使い方)
・実践マルチピッチリードで頂上へ

<戦略家で名高いONさん、スポーツマンHさん、さすがのコンビで明るいうちに下山できました>

2013年4月21日日曜日

お知らせ

ものすごく近々の公募なんで、一応お知らせします。
3日前に空いた日程に入った方です。

タイミングが合う方が居れば、御検討ください。

①4月26日(金)
岩場リード講習

場所:天王岩
※少し早上がり予定(遅くとも16時まで)

現在1名(残り3名)
参加条件:ジムでのリード&ビレイが出来ること(当塾のリード講習済みが望ましい)

②4月30日(火)
ムーヴLv.3
19:30~22:30

場所:ランナウト

現在1名(残り3名)
参加条件:ジムでのリード&ビレイが出来ること、ジムの5.11aがリード出来ること

癖が強い人は、中級者でも教えることはあります

4月18日(木)の夜は、ムーヴ講習レベル0。

この日は、全員が新規。
男性TNさん、奥様が当塾講習生の男性KIさん、男性NHさん、女性OBさん。
この日は、レベル0にしては珍しく、クライミング経験豊富なメンバーが集結。

1番激しい方で、過去には岩場で5.12bをレッドポイントしたことがある、という方まで。

「なぜレベル0なの?」
という気もしますが・・・。

私としても、
「講習生っていうより、一緒に遊ぶレベルなんじゃないの?」
と、少々ドキドキ。

結果は・・・

その方、かなり登り方に癖があり、講習できることは案外多かったです。
本人も
「指に故障が多いので、フォームを矯正したい」

という希望でした。

今回の講習で、その一部は達成できたんじゃないかと思います。

まあ、もちろん。
フォーム矯正って、ものすごく時間が掛かります。

本気トライで、ある程度のフォームになるのは、相当後にことでしょうけどね。

具体的な講習内容
・ダブルチェック
・トップロープのビレイ諸注意
・トップロープの張り具合
・カラビナの持ち方
・一手一手レストする練習
・ネコ足
・肩の脱力
・姿勢

OBさん、NHさんは、次はリード講習でも良いですね。
ネコ足と肩の脱力さえできれば、とりあえずO.K.です。

フリークライミングのルールを再確認

4月18日(木)の昼は、リード講習3回目。
常連女性SMさん、最近すっかり連続講習の女性IMさん。

本日、最後に本気トライをしてもらったら、IMさんが“手繰り落ち”をしそうだったので、テンションして諦めるように指示をしました。

これで、SMさんは大混乱。

「テンションって、しちゃいけないんじゃないの?」
「なぜ、IMさんはテンションした後に、そのまま続行したの?」
「他のホールドに触るのはNG?あり?」
「壁を触るのはNG?あり?」

という質問メールが届きました。

私も
「文章では説明しにくいなー」

とは思ったのですが、以下の内容で納得いただけたようです。
よくある質問かと思ったので、ブログで共有してみます。
①フリークライミングは、岩場もジムも、一度もロープにぶら下がらずに登りきったら完登というのが定義
(「ロープなしでも、死ななかった」という意味。つまり、テンションやロープに掴まる行為は、ルール上はフォールと同じ失敗にあたります。)

②ジムでのテープ課題は、「この壁に、そのホールドしかない」という仮定で、フリークライミングのルートを設定したもの。
だから、他のホールドを触るのも、フォールと同様に失敗にあたります。

③上記の内容は、リードもトップロープも同じ

④スポーツとしてのクライミングでは、フォールするまで頑張るのが理想なので、テンションや他のホールドを触る、といった諦めグセは成長を阻害する。
ただし、安全上やってはいけないことでは無いので、完登ではないと分かった上で、“何かしらの手段”として用いることは有り得る。

今回の、IMさんの場合は、手繰り落ちしそうだったので、私の指示で完登を諦めさせ、テンションをさせました。
そこから先を登り続けたのは、単に練習のため、完登にはなりません。
SMさんに限らず、フリークライミングのルールにまつわる質問は、案外多いんですよね。


特に、早い段階でマルチとかアルパインを体験した人ほど、色々と混ざって理解不能な状態に(笑)!

ルールを誤解すると、スポーツとして上達どころじゃあなくなります!

ハッキリ言って、練習方法以前に重要な問題です。
この手の話は、ガンガン質問して良いんですよ。

ただ、答えるのに労力が要る問題ではあります(笑)。

具体的な講習内容
・ビレイヤーが壁に近付く理由
・墜落距離の予想
・落ちる練習、止める練習
・ガッツンビレイ
・トラバース落ち
・クリップを諦めた場合の対処

・実践本気トライ
(2人とも、まだかなり危なっかしい感じ・・・)

IMさんは、なるべくなら補習(リード3回目)を受けた方が良いでしょう。
SMさんは、もう1回、リード3回目を受講予定なんで、大丈夫かな?

2013年4月19日金曜日

お知らせ

剱岳で遭難した友人の捜索は、人手が当面は不要とのことで、予定が変わりました。

せっかく空けた日程なので、何回か泊まりで自分のクライミングか山に行くつもりです。
が、平日の何日かは講習可能日程といたしますので、お知らせします。

4月25日(木):全日
4月26日(金):夜は講習不可
4月30日(火):全日
5月1日(水):全日

もし、受講したい方がおりましたら、連絡ください。

2013年4月17日水曜日

カメ岩周辺は天国

4月16日(火)は、ミズガキにて自分のクライミング。
パートナーは、山岳ガイドにしてボルダリングジム「カメロパルダリス」のオーナー、佐藤くん。

<カメ岩クラック(5.10a)でアップ>
本日行ったエリアは、植樹祭エリアのカメ岩。

ここは、大当り!

岩は硬く、開放感もあって登山気分を満喫。
とりあえず、前半は既成ルートを登ります。

<片雲(2P,5.11a,5.11a、スラブ系)は、交替リードでオンサイト。2人とも吠えまくりのスラブ>


<どのルートも、カメ岩の頂上に立てます>
さて、昼時に5ヶ月ぶりのボルトルートで本気トライ。

風道(5.11c、垂壁とスラブの間の傾斜)も、ギリギリでオンサイト。
スラブは、ボルダーだとまだ恐いので、ルートの方が思い切って突っ込めるかな。

<70度~80度は、私にとっては最もオンサイトしやすい傾斜>
あとは、例によって周りのクラック探し。
これがまた、今日は当たる当たる!

岩が硬いから、クラックさえあればどこでも登れます。

1本目:
カメ岩裏の斜上クラック(5.10bくらい)を登って、終了点のないテラスに立ち、下降路は5.6くらいのハンド~フィストクラック。

2本目:カメ岩の隣の岩
ハングしたハンドクラック(5.10aくらい)を登り、そのままロープを伸ばして5.6くらいのオフィズスを抜けて頂上へ。

<2本目の出だし>
3本目:2本目の右隣
少し脆そうなコーナー(5.8くらい)。
案の定、脆かったけど、先週のボロボロに比べたら・・・。
素晴らしい一日でした。

カメ岩の周りには、開拓済みと思われる岩場が少々と、掃除しなくても何とか1本、2本くらいは登れそうという岩が沢山!
この辺りだけで、あと数日は楽しめそうです。