2012年11月29日木曜日

無料体験講習(11月)

11月27日(火)の夜は、無料体験講習。
この日は、珍しく大人数の9名が参加。
普段からランナウトでお見かけしていた女性HMさん、男性HMのペア。
ボルダリング中心で、今回ロープ初体験の男性STさん。
2年ぶりのクライミングで、かなりドキドキの女性SYさん。
1年前にジムで初心者講習を何度か受けたことのある男性NKさん。

そして、富士山ガイド仲間の省二さんと、その仲間たち4人グループ。
9名で講師1名は、さすがに目が届きませんね。
初心者講習だと、全員に話す内容が同じではあるんですが。

ただ、
「どの程度まで納得していただけたか?」
「実際に、アドバイスが動きに反映されているか?」

までは、見落としが多くなってしまいます。

その一方で、すぐにその場で友達になって、講習後に一緒に登っている方々も居たのは嬉しい限り。

いま、ムーヴ講習やリード講習は、完全クラス分けで上限4名にしております。
講師1人でやる以上、この辺が妥当な数字だと感じます。
ちなみに、皆さんホームページのスケジュールの見方、予約方法などが分かりにくい様子でした。
申し訳ありません。

自分自身の労力を減らすためにも、早くなんとかしないといけませんね。

2012年11月26日月曜日

マルチピッチリードまでの講習順序

11月25日(日)は、天王岩にて岩場リード講習。
常連男性KBさん、立川山岳会の男性HDさん、の2名。
当塾での、マルチピッチリードまでの道のりをおさらい。
夏のクライミングに関しては、かなり体系的に講習する順序が決まってきました。
①ジムでのリード講習
とりあえず、リード&ビレイの基本を覚える。

「ジムならクリップするだけじゃないの?」
と、思うかもしれません。

が、実際には危なっかしいリードやビレイというのもよく見るものです。

また、リードはマルチピッチに向けてドンドンと複雑になって行きますが、ビレイはここで学ぶことから基本的に変わりません。
②岩場リード講習
お次は、ボルトルート。

「ボルトにヌンチャク掛けるだけ?」
と言えば、たしかにそうなんです。

が、目に見える終了点作業だけでなく、ボルトを見極めたり、ランナウト具合を判断したり、やることは多数。

自己責任、という言葉に実感がこもって来るのは、この辺りから。
③クラックリード講習
自分でプロテクションをセットしながら登る。
したがって、クラックさえあれば、未整備のルートだって登れます。

やることは、1ピッチのアルパインクライミング。

重要なのは、カムの効き具合だけではありません。
・ロープの流れ
・カムの残り
・持っていくギアの量
・固め取りなどの安全策

などの戦術も重要。

クライミングに関する判断力を付けていただきます。
④マルチピッチリード講習
基本的には、クラックのリードを繰り返して、岩壁の頂上を目指します。

クラックが登れるレベルの人ならば、ロープワークも本で勉強できるかもしれません。
ただ、ロープワークや戦術面での反省点は、あまりにも多岐に渡ります。

ここをしっかり固め、三ツ峠や小川山だけでなく、ゆくゆくはアルパインクライミングも挑戦して欲しいものです。
具体的な講習内容
・終了点作業
(結び替え、懸垂下降、立木で懸垂下降)

・ボルトの種類
(ハンガー、ケミカル、RCC、リング、その他の工業用)

・ヌンチャクの向き(ウィップフラッシュ現象)
・流動分散、固定分散、独立分散の意味(KBさん)
・捨て縄の利用方法(時間がないので、サラッと説明する程度)

KBさん、1年前にも岩場リード講習を受けておりましたが、今回で身になった感じ。
下地を固めて、次はクラックですね。

HDさん、1月に岩場リードの続き、冬にはクラック講習も参加予定しております。

ボルダラーから、まずはリードクライマーへ

11月23日(金)は、ランナウトにてリード講習。
今回は、富士山ガイドで先輩だった男性UDさん、そして彼女のSDさん。

<ここまで笑顔で写真に写ってくれる女性も少ない>
UDさんは、2年前にリードを友達として教えたことがあります。
が、今回はお客様として来てくださいました。

で、2人ともクライミング歴は3年そこらですが、ボルダー初段を登るという強者っぷり。
なんか、僕より強いんですけど。

で、リードも自信が無いなりに、
UDさんはジムの5.12a、SDさんもジムの5.11cを登ったことがあるとか(笑)。

と、朝話を聞いた段階で、
「教えること、少なそうだなぁ」
とは思いました。

が、やっぱりそれはそれ。
初心者らしいことも多数。

・エイトノットは、毎回長さが揃わない
・ATCの操作はイマイチ
・ビレイは未熟
・レスト態勢の作り方は苦手
・ロープは絡む&キンクする
・落ちる練習はドキドキ

6時間以上もミッチリ。

とは言え、講習終了後に1時間だけ一緒にボルダーのトレーニングしたら、僕が一番登れないんですけどね・・・。

<メモに励むUDさん>
具体的な講習内容
・エイトノット
・ATC操作
・ビレイの悪い癖を修正
・クリップ練習
・リードでやってはいけない事例集
・ビレイヤーが壁に近づく理由
・落ちる練習&止める練習
・ちょっとありがちな危ない事例集(ヌンチャク周辺のロープを蹴り上げる、など)
・基本フォームについて(いつもの5項目)

2人には、次はボルトルートとオススメしました。
クラックやマルチにも興味津々な様子。
こういう、思いっきりスポーツクライマーな方が、山へ向かう切っ掛けを作るのも、私の楽しみです。

そして、こういう切っ掛けで、私もモチベーションが上がります。

瑞浪“アダム”、敗退

11月22日(木)は、自分のクライミングで瑞浪へ。
渡辺ユッキーさん、ケイさんと。

<アップで“エースを狙え”(5.10b)>
この時期、そろそろ雪山モードです。
が、最後にクライミングしたくて、片道4時間のドライブを強行して、岐阜まで行って来ました。

小川山の倍の距離を日帰り。
楽しかったんですが、思ったようなクライミングにはなりませんでした。

<核心部以外はリングボルトで、本当に怖いスラブ(5.9)>
とりあえず、ちょっと頑張ってオンサイト、くらいのルート3本で慣らし。
が、思った以上に本気(笑)。

<5.10cだと思って侮っていたら、途中から渾身だった“ゾンビフレーク”>

<今回も遠征帰りのケイさん。一年の半分以上は海外で過ごし、クライミングの8割以上はアイゼン・手袋というビックリな人。>

<山のために山梨に移住してしまったユッキーさん>

<町のすぐそばにある瑞浪の岩場>
夕方になって、お目当てのルートにトライ。
最近思うんですが、クラックは“心のアップ”が重要。

しかも、心のアップは体のアップよりも時間が掛かるので、夕方に体は疲れた頃が、一番登れたり。

<“アダム”(5.11b)にトライ>
でも、クラックも精神力だけじゃないですね。
単純に、技術的、筋力的に無理かも。

また出直して来ます。

<落ちるまで頑張っても全く歯が立たず。エイドでトップアウト。>
具体的に登ったルート
・上記の4ルート

フィンガーは、
“足が悪い状態で、スタティックに引き付けること”
が重要だと再認識しました。

二子山中央稜でマルチピッチリード講習(第2回)

11月21日(水)は、マルチピッチリード講習にて二子山中央稜。
常連女性TZさん。

<アプローチ>
2週間前のリベンジです。

特に、リベンジ用に講習日程を組んだわけではありません。
たまたま、今月は日帰り2回、マルチピッチリード講習を予定しておりました。

私としても、少し自信を付けて欲しいとの思いもあって、本番っぽいマルチを選んでおります。

<道迷い中。焦るTZさんは、走り回って岩場を探します。>
前回が2時間半のアプローチでしたが、今回は1時間で取りつきに到着。

途中、
「ギブアップだから、今日は登るだけにして、アプローチはヒントを下さい!」
という切実なお願いもありました。

が、却下しました。
地図が読めなきゃ、自立は出来ませんから。

<完登までのタイムリミットが気になって仕方のない様子>
そうこうしても、なんとか取りつきに到着。

「今回は、なんとしても完登!」
と時間に焦るTZさん。

クライミングに焦りが出ないか心配でしたが、リードの恐怖はそれ以上(笑)。

自然と、普段のペースでじっくりとムーヴを探って、安定したクライミング。

<2P目。安定感も戻ってきて、不安のない感じ。>
1ピッチあたり1時間なら、6~7時間で夕方4時には完登という見込み。
余裕はありませんが、特別に急ぐようなこともありません。

初心者は、急いだら危ない!

<3P目の核心部へ>
スピードを意識するのは、TZさんには時期尚早。
まずは、確実に登ってください。

スピードは、ジムでの練習や、ロープワーク練習で意識してください。

<核心のクラック(5.7)>

<4P目以降も、侮れない岩稜帯>

<6P目のスタート。読み通りの15時。>

 <最後まで丁寧なムーヴは、TZさんの得意分野>

<頂上直下でのビレイ。16時。>
先月の大貧民で敗退、2週間前の二子中央稜で3P目まで、と来ていたTZさん。
念願のマルチピッチをリード完登です!

オールフリー、オールナチュラルプロテクション。
2年前に、ジムのリード講習を受けにきたのが懐かしいですね。

<完登!>
そして、夕方16時半からのヘッデン下山。

今回、TZさんは全くヘロヘロにはなっておらず、鎖場も安心して下ることができました。
が、また道には迷ったんですけどね。

<西岳の頂上付近>
具体的な講習内容
・アプローチで迷った理由
(周りを見ずに、走っていたこと)

・カムセットで、TZさんが間違いやすいケースを何例か
・ビレイポイントで、スリングが足りない場合の対処方法
・その他、反省点を幾つか

本当におめでとうございます。
あとは、パートナー探しも重要ですね。

春からのマルチピッチリード講習は、誰かと一緒に受講してもらうとしましょう。

甘えないことは難しい

11月20日(火)の夜は、ランナウトにて講習。
常連男性KBさん。
KBさん、最近は自宅で講習の復習をして、クライミング技術書を読んで、そして講習に来てくれます。

最初は、もちろんこの姿勢でした。
が、本人いわく
「段々と、講習に行けば何とかしてもらえる、みたいな甘えが出てきた。」

との話。
自宅でロープワークの本は読まなくなり、頑張るのは日々のジム通いばかり。

マンツーマンにありがちなパターン、とも言えますが、常連さんの誰もが2度3度と通る道だとも思います。
でも、KBさんは、自分で気づくから大丈夫ですね。
具体的な講習内容
・フォームチェック(垂壁の5.6~5.8まで)
(全体的に、ゆっくり登ることを意識して)

・ルベルソ解除
・登り返し(地上で、形のみ)

かく言う僕も、色々なことを甘えて生きているんでしょうね。
最初は、他人に「努力した方が良いですよ」ってニュアンスのことを言うのが、自分に跳ね返ってくるようで心苦しかったものです。

でも、この仕事をやっていると、心苦しさなく言えるようになってきてしまう自分が怖いです。

油断していると、自分に甘く、他人に厳しい人間に(笑)!

夕方からの盛り上がり

11月18日(日)は、湯川にてクラック講習。
前日からの男性ONさん、男性Hさん。
そして、常連男性NMさん、新規の男性HOさんの合計4名。
講習生のモチベーションを感じ入る一日。

この日の湯川は、大混雑。
なんと、右端エリアに我々以外にも講習会が2組も。
(お客様10人くらい、お客様6人くらい)
午前中は、リード練習のカムセットなんてやらせてもらえる雰囲気ではありません。

カムセット練習は、

①本人がカムセットしながら登る
②私がチェックしに登りに行く
(コメントや、より良いセットを隣に残して来たりする)

③本人が、再度それを確認しに登りに行く

という流れで、ルートの占拠著しいのです。
そこで、午後からセット練習を開始。
なんとか3時前に、ONさんが合格ギリギリのカムセット。

僕も、リードさせるか迷いましたが、本人の強い希望&「ミスした点は、自分でも分かってます」との意見により、リード決行!
安全管理者の私が、お客様の意見で判断を変えるのは原則的に良くないんですが、これくらいは
許容範囲かな?

3時過ぎ、他の講習会も引き上げる雰囲気の中で、いよいよ本気のリードトライ!
いつもながら、本気トライのビレイも緊張。
順調に高度を上げる。
と、ここでナッツを決めるも、ヌンチャクを持ってきていないミスが発覚!

どうにか対処して、トライ続行。
完登して歓喜のONさん横で、初のクラック講習を受講中のHOさん。

かなり刺激を受けていた様子でした。

さて、夕方4時にようやく合格点のカムセットに成功したNMさん。
疲労しきった体にムチ打って、ヘッドライトを念のために身に着けて、リードトライです。

ONさんの、「是非一緒に卒業しましょう!」
という言葉に後押しされたかな?
これまで、そんなに苦労はしていなかった核心部分で、何度も何度も落ちそうになります。
見ているだけで、胸が締まります。

そして、なんとか完登!

本人も
「自分としても、リードはまだちょっと危ないかも、とは思いました。」
との話。
無理やりクラック講習を卒業する2人の脇で、手首の怪我が完治しない状態でクラックと格闘したHさん。

思い切って攻められない自分に、ふがいなさそうでした。
復活お待ちしております。
具体的な講習内容
・テーピングの巻き方(HOさん)
・ハンドジャム、フットジャムの基礎練習
・フィンガージャム
・疑似リードによるカムセット練習(ONさん、NMさん)
・地上でのカムセット練習(Hさん、HOさん)
・実践リードトライ(ONさん:台湾坊主、NMさん:北風小僧)

夕方、薄暗くなってからが一番の盛り上がり!
素晴らしいモチベーションでした。

2012年11月24日土曜日

3月の予約受付

来年の3月に関して、予約受付を開始いたします。

今回は、システムに変更ありません。
今まで通り、最初に予約した方に合わせて、講習内容を決定します。

その内容で、同じ日程・同じ内容を受講したい方が居れば、参加可能という形になります。
(ホームページのカレンダーに、「公募」と表示します)



このシステム、いまのところの印象は

・岩場に関しては、思った以上に大成功
(マンツーマンの良さを、集団でやる相乗効果が明らかに上回る、という印象)

・ジムに関しては、ボチボチ成功
(岩場ほどではないが、相乗効果、金銭面の安さ、私の時間の有効活用、という意味では良かった)

・問題は、ホームページを見ただけの方が、このシステムを最初に理解できないことが多いこと

「最初に申し込むと、講習内容は選べるが、プライベート講習になるわけではない」というのに、しっくり来る日本語があれば良いんですがね。



また、3月からのマルチピッチリード講習は、なるべく2人1組での申し込みをお願いいたします。
マンツーマンで講習しても、なかなか自立は難しい、ということが分かって来たので。

最低でも、1人がマルチピッチリード講習の条件を満たしていれば、もう一人はフォローのみでもO.K.です。

マルチピッチリード講習する条件は
「クラックの5.8がリード出来ること」
となります。

2012年11月20日火曜日

雨の日は、ロープワーク祭り

11月17日(土)は、ストーンマジックにてロープワーク講習。
本来は、マルチピッチ体験の予定でしたが、雨にて変更。

常連の男性ONさん、男性Hさんのペアです。
雨の日にまとめてロープワーク、これが当塾の基本方針です。

本日のメニューは、こんな感じ。
時間は、あくまでも今回の2人の場合。

①1ピッチの岩場の終了点作業を、復習。(1時間くらい)
(結び替え、懸垂、のパターン)

だいたい、抜けがあって危なっかしかったり、ロープの扱いが稚拙で時間を食ったりするものなので、こういった基礎的な作業をガッチリ固めるのが、当塾の特徴でしょうか。
②縦走中に懸垂下降する流れを、復習。(1時間くらい)
セルフを取って、ザックからロープを出し、という一連の流れ。

これも、危なっかしい点を指摘したり、効率化を考えたり。
初心者は10分以上かかるものなので、何度も繰り返す基礎練習には最適!
③本日の新しいロープワーク。(2時間くらい)
ATCの仮固定、クローブヒッチ(インクノット)、ムンターヒッチ(半マスト)、ムンターヒッチの仮固定。

実際にテンションを掛けてやってみたり。
④クラック練習(1時間くらい)
順手、逆手、フットジャムの足位置選び、などの基本を講習していきます。

これが、意外と効くんです。
⑤タワーを使って、実際にロープワーク練習
本日の講習で覚えたての技術を、実践練習

やっぱり、7mくらい高さがあると、イメージも湧きやすくなります。
雨の日、これを受けてくださるだけで、着実にマルチピッチへと近づいて行きます。

具体的な講習内容
・上記の通り

これから覚えて欲しいのは、登り返し、ルベルソ解除、などです。
春からのマルチピッチ講習に向け、順々にやって行きたいですね。