2012年10月30日火曜日

お掃除か?ルート作成か?ルート開拓について

10月25日(木)、26日(金)は、自分のクライミングにてミズガキ。
今回は、「雪山大好きっ娘。」こと、えのきど。さんと。
えのきど。さんに案内してもらって、初日は行ったことのないエリアに。
かなり昔に開拓されたまま、自然に帰っていたクラック。
それを、最近えのきど。さんが掃除したりして、復活したエリア。

クラックは、自然の摂理を登るものですが、やっぱり苔や泥くらいは掃除しないと登れないときもあります。
クライミングには、「よりナチュラルな岩を登ろう!」という精神があります。

そして、クラック、アルパインの残置無視、オンサイト、「アプローチも含めてクライミングなんだから、トポを詳しくし過ぎるな!」などの伝統があります。

が、自然保護って観点とはちょっと違います。
あくまでも、クライマー目線での「ナチュラルな岩」(笑)

実際、多少の木を折っちゃうこともありますし、苔や土くらいならバンバンお掃除して、脆い岩も落として、クライミングの対象を“作って”しまうこともあるのです。
でも、それもあくまで相場が大事です。
「お掃除」も、行き過ぎると本当に「ルート作成」になってしまうのです。

ここは、ジムではありません。
みんなで、より「ナチュラルな岩」を保護していくのが大事だと言われております。


例えば、
・登るのにほとんど邪魔にならない木を切るのは、やっぱりあんまり好まれません。

・木を切っても、それをベンチにしたりして、岩場を公園みたいに整備するのも、土地の所有者を無視した行動にも思えます。

・岩場への踏み跡を、テープでガンガンマーキングするのも、伝統的なクライミングエリアでは好まれません。(自分で岩場くらい探しなさい、という意味)

・堅い岩の花崗岩では、ワイヤーブラシで苔を落とすのはアリ。その他の柔らかい岩では、ワイヤーブラシだと、苔だけじゃなくて岩も変形させてしまうから、どうなんでしょう?

・ホールドを削って登りやすくする(チッピング)は、ほとんどクライミング界追放レベルの重罪。
(これは、日本では特にそう。)
さて、成果の方は、初日にえのきど。さんが5.12aをサクッとR.P.。
人気ルートではない難しさも加味すると、相当に厳しいラインだったと思いますが、さすがでした。

僕も、5.11cをR.P.したり、5.10dをO.S.したり、充実の1日。
2日目は、「ほとんどアルパインでしょ!?」っていう不動沢の摩天岩。

アプローチは、1時間強。
残置がほとんど無いだけでなく、高さ3ピッチくらいの岩壁。
さらに、標高が高く、ミズガキ山頂もかなり近い!

トップアウトしたときの景色、懸垂下降の爽快感は、無雪期アルパインと言って遜色ないと思います。
今回は、僕よりパートナーが強かったこともあり、サクサクと3ピッチを登攀。

1日に、3ピッチのルートを3本登り、相当トレーニングになりました。
中でも、以前から狙っていた
“陽炎”という美しいルートを、O.S.できたことで、より一層楽しい一日となりました。

(ワイドの5.10cが付いているが、実際は5.10bとか言われている。)
普通に、良い2日間でした。
ちなみに、えのきど。さんはJFAの仕事もされているので、開拓だけでなく、岩場のアクセス問題なんかにも詳しくて、ちょっと勉強にもなりました。
具体的に登ったルート
初日:
秋場所ロック
・名無しの権兵衛(5.10a、ハンド)
アップがてらO.S.
相当苦戦した。辛いと思う。

・天使の階段1P目(5.11c、フィンガー?)
R.P.(2便)
かなり、ボルダーチック。
えのきどさんからアドバイスが貰えなかったら、完登していなかったような気がする。

蛇岩
・スネーククラック左(5.10d、ハンド)
O.S.
とても充実。

巨木岩
・ルート名不明(5.10b?、ワイド?)
ワンテン。
えのきど。さんの話によると、登られているらしい。(目立つラインなので、当然だが。)

2日目:
摩天岩
・かぜひき(5.10a、3ピッチ、ワイド系)
どうやら、後からトポを確認したら、2と3ピッチ目は、バリエーションを登っていたようだ。
正規ラインも、いずれ登ってみたい。
2と3ピッチ目は繋げたので、実質2ピッチ。

・陽炎(5.10c、3ピッチ、ワイド系)
1ピッチ目の核心をO.S.させて頂く。
グレードは、甘目。
2と3ピッチ目は、えのきど。さんが繋げたので、実質2ピッチ。

・蜃気楼(5.10d、3ピッチ、ハンド&凹角が中心)
3ピッチ目をリードさせて頂く。
もうヘロヘロながら、吠えまくってなんとかR.P.
久々に、登りまくった2日間でした。
小川山、ミズガキのシーズンも、あと2週間くらいでしょうか。