2012年6月6日水曜日

クラックでのトップロープリハーサル

6月4日(月)は、自分のクライミングにてミズガキ。
名古屋のクライミングジム“ズットン”の店長である今井くん、そのジムのアルバイトスタッフYDくん。

今回は、特に専門用語満載ですみません。
クラックやったことある人だけ読んでください。
先週に引き続き、“春うらら2P目”(クラック、5.12a)にトライします。

先週、絶対に一撃できそうもないグレードのクラックに取り付くことが、いかにビビるものか、という話はしました。

これは、最初からリードでトライするから、
・何度もカムで落ちる
・先のカムが取れない不安に駆られながら、ちょっとランナウト

という状況を避けられないからです。

「そんなに怖いなら、最初はトップロープでリハーサルすれば良いじゃん?」
と、思うかもしれません。

そこで、今回は何故リードでトライするかをお話しします。
①トップロープリハーサルの利点

・恐怖心がなく、気軽に最高グレードに触れる
・ムーヴに集中できる
・カムセット位置を完璧に記憶してからトライするので、リードでトライし始めてからは安全

☆R.P.するまでの時間が短縮できる
②リードでトライする利点

☆そのルートに対して、より真摯に向き合える(自力で登った感が、圧倒的に大きい)

☆プロテクションや恐怖心などに対して、初見で取り付くだけに様々な判断をする練習になる

(「怖いけど、ここは怖いだけだ!」、「ここでちゃんとプロテクション取れないなら、進んじゃダメだ!」などなど)

・結果的に、安全を考えられるクライマーに育ててくれる

・ほんの僅かずつだが、度胸も付いてくる
(「安全だけど怖い!」という状況に強くなる)
ってことは、以下のような結論になると思います。

A.クラックのグレード、ジャミングの上達だけを追いかけるなら、ムーヴの習得重視、R.P.のスピード重視で、トップロープリハーサルをやるべし

B.1本のクラックを、真っ正面から向き合ってR.P.したいなら、最初からリードでトライすべし

C.マルチピッチ、アルパインクライミングを目指すなら、オンサイト能力や判断力の向上のため、なるべくリードでトライすべし
で、僕はリードでトライ派です。

しかも、一度トップロープリハーサルしてからR.P.して、なんだか後ろめたい気分になって以降、

“なるべく全てのルートは、トップロープリハーサルなし”

としております。
ただ、これはあくまで個人的なルールなので、例外事項もあります
(細かい話ですけど)

・一度登れたルートを、ムーヴ練習などに使うなら、トップロープ推奨
(ムーヴの習得効率が良いから)

・トップアウトした後のロワーダウン中に、ちょっとムーヴの確認をするくらいはアリ

・雨でエリア全部が濡れている場合など、捨て駒的に興味度の低いクラックをトップロープ練習に使ってしまうのはアリ

・回収のためのフォロー、などは仕方なし

・クラックを初めて数回目以下、もしくは5.8以下、初めてのワイドクラック、などの人には、トップロープでのカムセット&ジャミング練習を推奨
なんでこんな話をするかって、

僕も「メチャクチャ怖い!」んですよ。
自分って、そう言えばもともとは高いところ苦手だったな、と思い出すレベルに。

でも、そうした方が達成感の意味でも、練習の意味でも良いと思うんです。

クラックにボルトが打たれていない理由なんかを考えても、皆様も自分なりの拘りを持って挑んでみてはいかがでしょう?

他にも達成感を高める方法としては

・本当に憧れるルートは、O.S.用に取っておく
・テーピングしない

なんかも、ちょっとオススメではあります。

あくまで、個人的なルールなので、オススメする程度で強制はいたしません(笑)。
講習生には、テーピングの仕方を全員に説明するので御安心ください。
具体的に登ったルート
・調和の幻想1P目(5.9):ウォームアップ

・ペガサス1P目(5.10d):フォローして春うららの取り付きへアプローチ

・春うらら2P目(5.12a)
1便目:
また1時間以上かけて、ムーヴは全解決。
重要ムーヴだけは、おおよそ記憶できたかな?
ただし、核心部でのカムセット体勢に、不安が大いに残る

2便目:
当然、完登する気でやってみる。
が、やはり不安のあった箇所でまごついている間に、パンプ!
直後にテンション。
もうすぐ暗くなる所だったので、下の方で敗退。
ただ、懸案のプロテクションセット体勢は、一応解決。

なんとか兆しが見えて来ました。

怖いけど、良い修行になりますね。