2012年3月19日月曜日

ロープワークのトラブル対処方法

3月17日(土)、18日(日)は、ストーンマジックにてロープワーク講習。
本日は、常連女性TZさん。

本来は、マルチピッチでのリード講習予定でしたが、雨につき室内講習に変更。
本日は、マルチピッチ中にちょっと困ったことが起こった場合のロープワーク講習です。

例えば、
・ルベルソを落としたら?
・懸垂下降で、ルートを間違っていることに気付いたら?
・リードし終わって、スリング類が足りなくなったら?

それぞれ、よくあること。
レスキューというのも大袈裟。
トラブル対処方法です。
例えば、
「ルベルソを落としたら半マスト(イタリアンヒッチ)で代用」
というのは、有名な話です。

が、実際にやってみると、色々な注意点も見えてきます。

・ルベルソと違って、オートブロック機能が無いので、ビレイグローブはした方が良い。
・ロープが絡みやすい。
・リードのビレイは止めた方が良い。

そして何より
・初級者にとっては、1つでも状況が違うということが、混乱の元となりやすい
という決定的な問題が!
もちろん、混乱というのは性格的な向き不向きもあると思います。

トラブルが起こっても、そう簡単にはパニックに陥らない人も居ます。
ただ、パニックに陥りやすい人も、幸い経験でほとんど克服していくことが出来ます。
つまり、ルベルソを落とした場合の対処を覚えることが、「ルベルソを落としたらどうしよう」と考えるきっかけになるということ。

そして、トラブル対処方法を何通りも勉強する中で、「こうなったらどうしよう!?」と考えながら登るきっかけになるということです。

この心構えこそが、パニックにならない最大のコツなんです。
繰り返しになりますが、

最初からそういう心構えを持って、山やクライミングに行ける人もおります。
そういう人は想像力が豊かなので、本で知識を得たり、ちょっと痛い目に遭う中で、トラブル対処方法を身につけていけます。

ただ、その心構えを後から身につける人には、精神論よりも具体的な対処方法を練習するのが良いと思いますよ。
具体的な講習内容
・リード&フォローから懸垂下降する流れの復習(カラビナを外す順序など、細かい段取りでスピードアップも図る)
・ロープの畳み方(より素早く、よりロープがザックで乱れないようにすることを目指して)
・ルベルソを落とした場合の対処方法(半マスト)を実践練習
・懸垂下降の仮固定、バックアップの取り方の復習
・登り返し(自己脱出)の練習
・リードを終えて、スリング類が不足していた場合のビレイポイントの作り方(最終的には、スリングなしで安定した立ち木をビレイポイントに出来るところまで)

あとは、ルベルソ解除や、ザック背負い搬送くらいは覚えた方が良いでしょう。
そして、今回は全てロープ1本で、支点も安定した立ち木だけでやったので、ダブルロープや分散支点の際に応用が効くかという問題もあります。

ロープワークは、千里の道です・・・。

ちなみに、ガイドというのはロープワークの小技が相当に得意です。
そこで、具体的な講習内容とは別に、ギア操作の小技をタイミングを見て紹介しております。

TZさん、1年間講習を受け続けて来ただけあって、スリング、カラビナなどの扱いは相当上手くなってきました。
良い癖を身につけて来た甲斐がありますね。