2012年3月2日金曜日

阿弥陀北稜、卒業課題に成功!?

3月1日(木)は、八ヶ岳の阿弥陀北陵にてバリエーション講習。
本日は、常連女性のTMさん。

先月のアイスクライミングリード講習以来、いよいよアルパインクライマーの卵から孵りそうです。
今回、前日が南岸低気圧による降雪で、東京でも大雪。
正直、ドキドキしながらの入山。

ただし、八ヶ岳は麓で10cm、稜線直下でも(ワカン無しで)膝ラッセル程度と、実際は程よい程度の雪山気分です。
今回は、バリエーションが始まる所から、全てTMさんに先頭を歩いて頂きました。

もちろん、
・ロープを出さない程度のアプローチでも、歩き方、休憩などのアドバイスはする
・ラッセルが辛くなったら交替
・核心部のリードは、私がやる
・ルートを終え、時間が余ったら、核心部をTMさんにリード練習してもらう

と言った、条件付きで。
でも、先日の天狗尾根でのお客様もそうでしたが・・・。
TMさんも、ラッセルが始まったら
「時間切れじゃない限り、全部自分でやりたい!」

との申し出!

そして、トレースの無い白銀のキャンパスを見て大興奮です。
さらに、振り返って、自分の描いたトレースラインを見て、再度興奮!
とうとう、一人でやり抜きました。
さて、時間は掛かりましたが、いよいよ核心部に突入。

ラッセルを頑張った分、核心部到着は10時半です。
まずは、登れそうなラインを選んで頂き、僕がそこをリードする方針です。
が、実際にオブザベーションしてみると、TMさんのやる気がムラムラと!

「この辺、カムとナッツ決めながら登れそう。」
「面白そう」
「やっぱ、リードしたいです!」

オンサイト好き、クラック好きのTMさんの心を刺激した様子。
もちろん、それも想定範囲内です(笑)。
かれこれ、1年間で7回目の講習ですから、性格も把握してきました。

このルート、出だし核心で、カム類での支点も取りやすく、講師としてはお客様のリードを見るには最適です。
もちろん、残置無視で支点は全て自作して頂きます。

さあ、ガンバだ!
無事に、出だしを突破!
ビレイポイントも自作しつつ、
2P目もロープを伸ばす。
無事に核心を越え、再度ラッセルした後は、晴天の阿弥陀岳山頂!
オールラッセル、オールリード。
残置無視、オンサイト。

今更、1つ1つを語るまでもなく、TMさんの自力で登った感は最高潮です!

これで、いよいよ自立したクライマーですね。

というか、「初級アルパインクライマーの誕生!」
と言っても過言じゃない!?

実質的に、石田登山塾の卒業課題のようなものに成功したTMさん。
また何か、習いたいものがあるときにでも、お越し下さい!
行動記録
4:55 美濃戸出発
6:45 赤岳鉱泉
7:25 行者小屋(ハーネス、アイゼン装着、アックス1本を用意)(~7:55)
9:30 ジャンクションピーク(ヘルメット、ダブルアックス装着)
10:30 核心部の岩場取り付き
12:35 阿弥陀岳山頂(~12:40)
      (帰り際、岩場の取り付きにて、ハーケンとイボイボの使い方を講習)
14:00 行者小屋
14:40 赤岳鉱泉
16:00 美濃戸

参考までに、彼女のクライミング能力を言うと
・ジムでのリード:5.10後半(過去には、調子が良かった時期に5.11aまでは登った経験あり)
・クラック:R.P.で5.10a(予期せぬプレゼント、など)
・アイスのリード:唐沢の滝(Ⅳ+?)
・夏のマルチリード経験:小川山のセレクション、など多数

全て、講習ではないときに出した成果だそうです。

「この位で、初級のアルパインルートは登れるようになる!」
という指標になるかもしれませんね。