2012年2月20日月曜日

赤岳天狗尾根(登山のディープな世界へようこそ!)

2月18日(土)、19日(日)は、八ヶ岳にてバリエーション講習。
常連男性KBさん、赤岳天狗尾根です。
当初の予定は上越でしたが、あまりの寒波と積雪に、八ヶ岳へ変更した次第。

それでも、先週までのトレースは薄くなっており、スタートして間もなく足首程度のラッセル。
そして、昼頃からはワカンを装着。

膝下ながら、延々と続くラッセル街道・・・。
今回はなんと、お客様の希望により
“初日は、お客様がオール先頭でラッセル!”

「山、ビンビンに感じますねー!」
「自分で切り拓いてる感、すごいですね!」

なんてことを仰ります。
熱い!
さらに、僕が勧めた黒ワカンに買い直して参戦。
このワカン、塗装のお陰で雪団子も付かず、反り返りが無いためにキックステップもしやすい!

ラッセルスピードが体感2割アップする、秀逸の一品です。

その他にも、先月の荒沢山の反省から、手袋、ストック、防水、などのあらゆるラッセル装備を一新!

「今年は、ラッセルの年だ!」
と、燃えております。
そして、どうにか初日の目的地。
2,500m付近のテント場へ。

本日は、厳しい寒波の中、よく頑張りました。
代償は、テントの中で足がツリまくり!
なぜか、後ろを歩いただけの僕も、この日は足がツリまくり!
2日目は、ビックリするようなポカポカ陽気。
わざとゆっくり出発します。

今回は、条件も良かったのでガイディングはせず、お客様にポイントを解説しながら登りました。

核心部以外、ちょっとした危険箇所はロープも付けないので、お客様も自分で慎重に歩いていただきます。
KBさん、意識的にトポをほとんど読まずに来たそうです。

理由は、
「ここは右から巻く」とか書いてあると、ルートファインディングがつまらなくなるから!
だそうです。
オンサイトの楽しみまで、意識していらっしゃるとは!

もはや、お客さんレベルじゃない熱さ!
どこか、山岳会を探しては?

では、2日目も核心部以外は先頭を歩いていただきましょう。
さらに、岩登りのセクションでは、リードする僕を見て、
「カムとか決めながら登るの、楽しそうですねー。次は、あれですねー。」
と、まで仰る。

登山の、ディープな世界へようこそ!
さらにKBさん、『日本登山体系』をこの1ヶ月で6冊も購入し、行きたいルートを増やしてワクワクしているそうです。

もしかして、すでに僕よりディープな世界に行っちゃいましたか!?
12月の越沢、1月の荒沢山、そして今回。

わずかな期間で、技術、意識、落ち着き、KBさんの全てが変わりました。

僕は、クライミングジムでは割と丁寧に教えますが、山では「行けば分かりますよ。感じてください。」ってことが多いです。
もちろん技術は教えますが、考え方は経験的に感じた方が良いように思います。

それが全ての人に当てはまるとも思えませんが、KBさんには的中しているようですね。
そして、頑張った代償は、いつもヘロヘロの下山。
大怪我にだけは気をつけながら、ゆっくり休み休み下りました。
行動記録
1日目
6:30 美し森駐車場を出発
10:00 出合小屋(~10:30)
17:15 2,500m付近に幕営開始

2日目
7:30 出発
12:45 登山道合流
13:45 真教寺尾根分岐(今回は、赤岳は登頂せず)
    真教寺尾根を下山
15:00 樹林帯
18:35 美し森駐車場
まだリードはジムだけのKBさんですが、目指す土台はこの上無いですね。