2012年1月13日金曜日

八ヶ岳で総合力ルート!

1月8日(日)、9日(月)は、冬山バリエーション体験で八ヶ岳の赤岳天狗尾根へ。
今回は、常連女性TZさん。

「バリエーションとはどんなものか、まずは経験したい!」
という熱い要望です。
TZさんは、本当にモチベーションが高いです。
バリエーションと一口に言っても、日帰り装備でクライミングをするルートもあれば、正月の槍ヶ岳のように縦走しながら部分的にロープを出すようなルートもあります。

TZさん、本を見ても全くイメージが沸かないということでしたので、まずは中間。
1泊2日テント泊で、部分的にクライミングが混じるようなルートにチャレンジしてもらいました。
さて、バリエーションの最初の関門は、ルートの取り付き探し。
一般道と違って、道標も少ない。

これは、
・一般登山者が誤って入山しないような配慮
・「バリエーションやる人は、自分で地図読んでルート探すもんでしょ」という意識

から来るものです。
逆に、妙に丁寧に取り付きが案内されていると、なんだか「人に登らされている」という感じがして、クライマーは興ざめするものです。

つまり、地図が読めなければ、入山すらも出来ません。
バリエーションの中では、あくまでクライミングは一部なんです。
さらに、この日はゆっくり11時間行動して、目的のテント場まで歩くという行程。
明け方はかなり寒く、水を凍らさないような工夫や、休憩を手早く出発する工夫が求められます。

そう、この日は全くクライミングはありません!
落ちたら危険という程度の歩きは出てきますが、普通の冬山登山そのものです。

やっぱり、バリエーションは登山が基本なのです。
そして、なんとか風を避けられる場所を見つけ、雪を使って適当に整地。
そこで、テントを張ったら、雪を溶かして水を作ります。
水は、夕朝食に、翌日の行動用まで。

で、この食事やら寝袋も、軽量化しておかないとバテてしまう訳です。

しかも、登山の軽量化というのは経験が要ります。
初心者ほど、「心配だからあれもこれも」と重くなります。

僕も、さして得意ではありませんが、やっぱり軽い方が良いですね。
そして、2日目は曇り強風の中、最初から核心部。
コンディションが悪かったので、講習は諦め、最初から最後までガイディングとなりました。

ガイディングと一般登山がどう違うかというのは、経験しないと説明が難しいでしょうね。
「ガイドが、持てる力の全てをお客様のケアに充てて、お客様の負担を究極まで減らす行動方法」とでも言っておきましょうか。

イメージとしては、お客様は危険箇所の間中、3時間ばかりトップロープに引かれ続けているようなものです。
そして、ダウンを着込みながらも核心部を越え、いよいよ登山道へ!

しかし、例によって登山道が真の核心部!
強風吹きすさぶ中、どうにか赤岳の山頂へと到着したのでした。
そして、その後は夕方までかけて下山。
確実な歩行で、登山道で事故を起こさないように。
さらに、最後までバテないように。

安全圏に着いて、ちょっと一安心。

これで、バリエーションに必要な力が何か、イメージ出来たでしょうか?
具体的な行程
1月8日(日)
前夜のうちに清里駅へ。
3:20 起床
4:25 出発
9:00 出合小屋
15:00 森林限界手前にて幕営開始

1月9日(月)
時間を誤って、夜中に寝坊したと思いこみ、出発しかけて気付く!
そして2度寝した後の記録。
5:50 起床
7:10 出発
9:30 登山道合流
11:00 赤岳頂上(ここには、多くの人が居ました)
16:00 美濃戸口バス停

今回のルートは、八ヶ岳の中では総合力ルート!
本当によく歩き通しました!

それに加えて、TZさんに足りないものも見えて来ましたね。
これが、第2の目的と言えます。
来年は、自分で登るのを目指して頑張りましょう。