2011年11月9日水曜日

スタンスを記憶する

11月8日(火)の夜は、ランナウトにてムーヴ講習。
今回は、常連女性TZさん。

スポーツクライミングでは、ほとんどの場合、スピーディーに登ることが重要です。
理由は単純明快!
腕や指の疲労(パンプ)との戦いだから、疲れる前に進みたいのです。

ただ、初心者に対して、私は「スピーディーに登ること」をあまり強く勧めません。
なぜなら、スピードを意識するあまり、足置きが雑になったり、1番楽な動きを探すことを忘れがちになるからです。
つまり、これを教えるのは、"丁寧さ"がある程度癖になってきた段階の人です。

それでも、速く登ろうとすれば、自然とミスの可能性も大きくなります。
だから、ついついその場で探ってしまう!
(「大事に行こう」とする)
とはいえ、結局のところ疲労で落ちてしまうなら、やっぱり決断の速度は大事です。

さて、ここまでは一般的なスピードの重要性。

これを身に付ける上で、"スピーディーに登った方が楽だ!"という感覚が1番根本的です。
これを味わってこそ、始めてスピーディーに登る気力も沸くというものでしょう。

これを実感するのは、1度登ったことのあるルートを登るとき。
そうすれば、「たしか、次はこうすると楽だった」という記憶に助けられ、スピードアップして楽に登れます。

で、この練習はもう1つ「まだ登れていないルートを繰り返しトライする」こと(R.P.トライ)によってもできます。
むしろ、その方がスピーディーに登ったり、そのためにホールドを記憶するモチベーションも沸くでしょう。

最初は、ルートの全てを記憶するのは難しいでしょう。
核心部だけ覚えてみたり、ルートを半分に区切って覚えてみたり。
もちろん、図を描いたり、表にして覚えるというのも、記憶方法としては確実です。

問題は、初級ルートで1番記憶すべきポイントが足位置だということです!
なんせ、初級者の意識というのは手に集中するもの!
が、足の位置こそがムーヴの種類を決定する要素。
このあたり、慣れてしまえば何てことない話です。
多くの中級者が、いつの間にか身に付けた技術でしょう。
が、長くクライミングをやっていても、悲しいかな、全く身に付かない人もおります。
それだけに、苦手そうな方には講習する価値はあると思っています。

具体的な講習内容
・ホールドと、そのときの足位置を記録&記憶していく。
5.10cくらいだと、やるたびに違うムーヴが可能なので、覚えるのも困難と判断。
後半は、5.11aの下部で練習。
ただし、これは今のTZさんにとって、かなり負荷の大きいムーヴの連続!
とはいえ、講習の最後には5.11aの下3分の1が、ノーテンション!
だいぶ力も付きましたね。