2010年10月30日土曜日

アルパイン入門

今回は、写真なし!

10月29日(金)は、三ツ峠にてリード講習。
今回のお客様は、常連さんで、以前にもマルチピッチのリードを体験済み。

石田登山塾の仕事範囲からすると、ゲレンデマルチのリード講習は最高レベルです。
つまり、「そろそろ自分で本チャンに行ってみては?」くらいのお客様対象になります。

具体的には、実際に全ピッチのリードをこなしてもらいながら、効率的なやり方や危うい点をアドバイスしていくことが中心です。
ということは、お客様自身が危険を判断する要素が大きくなるので、相当に信頼したお客様にしか出来ない講習です。

しかし、そういった実施の難しさをさておいても、自分で登る達成感と、プロからロープワークのダメ出しをされる機会を両立させるというのは、価値あることだと思います。

具体的な講習内容
午前中は岩が濡れていたため
①カム、ナッツ、ハーケンの効かせ方のチェック(思った以上に、お客様の出来はグッド!)
②ビレイ点作成、下降点作成の細かいコツ。スリングの長さ調整など。実際に、カムやナッツ、ハーケンを打つ所から。

午後の部
③実際にリードでトップアウト(トポも見ず、ビレイ点を含めて残置無視)
途中で、ロープワークに関してアドバイスを交えつつ。

今度、晴れた日に3本くらいトップアウト出来たら、相当身に付くに違いありませんね。


三ツ峠は初心者でもお連れ出来る一方、卒業間近(?)のようなレベルの方にもガッチリ歯ごたえのある、良いエリアだと思います。

2010年10月28日木曜日

伸び悩み解消を目指して

10月28日(木)の昼間も、ランナウトにてジム講習。
本日は、クライミング暦2年にして、伸び悩みの女性Nさん。

本人は、「伸び悩みの原因の1つは頻度の少なさだ」と、謙虚に語ります。
たしかに、女性の場合、登り込んで多少の筋力付けないと、頭打ちは早い段階で訪れるのも悲しい現実。

しかし、僕の見た限り、彼女がジムに通えないのにも情状酌量の余地ありです。
というのも、Nさんは、垂直以下の壁で簡単なルートは楽々と何度でも登れます。
そして、垂直を超える傾斜だったり、垂直でもホールド(手掛かり)が完全に横向きだったりすると、苦し紛れに一手出すのも精一杯。
つまり、手も足も出ません。

ってことは、ジムの課題の中で、頑張れば完登できそうな見込みのあるもの自体が無いのです。

これでは、飽きるのも納得。
講習で、少しずつの上達を実感しつつ、筋力を付けていくのが、唯一の道でしょうか?

まずは、目指せトップロープの5.9(垂直以上も含め)で頑張って行きましょう!

今回の講習内容は、トップロープのビレイなど、安全管理面の徹底に終始しました。
ムーヴの話は、次回以降です。

ちなみに、Nさんはアルパイン志向ですが、「ハングは嫌」とか「ボルダーは別物」とか頭の堅いことは一切言いません。
そのグレードと経歴での柔軟さは、尊敬に値します。

着実な進歩

10月27日(水)の夜は、ランナウトにてジム講習。
今回も、YさんとTさんの2人。

最初に、これまでの超基本ムーヴを復習し、いくつかのコツをレクチャー。
段々と腰が入って格好が決まって来ます。

そして、いよいよリード講習開始。
まずは、ロープ操作などを総点検して、今回は終了。
来週の第2回には、しっかり復習してきてくれそうです。

ゆっくりでも着実な進歩の2人に、乞う御期待!

写真は、ロープ操作の練習中。

2010年10月27日水曜日

たまには、ジムクライミングの日記

10月26日(水)の夜、ジムでボルダーしてたら体が動く!
感覚的には、一昨年秋の最高潮に近い!
「いやー、今回のリハビリは長かったなあ」なんて喜んでいました。

その日の営業終了後は、週末のランナウトで開催されるコンペに向けて、スタッフでコンペ課題の試登。
が、相変わらず登れません。
(2クラスあるうちの、上のクラスの予選課題が昔から登れません)
コンペのレベルは、多少の変動しかしていないハズです。

今の調子が云々ではなくて、昨年、一昨年と、ほとんど全く成長していない自分を痛烈に実感。
当然ながら、周りのスタッフは2年前より、1年前より強くなっています。

まあ、若いんだから登ってりゃ強くなるに決まってるはず。
そして、自分も29歳と若いのです。

ただ、前向きに考えれば。
先日までは、自分の弱さに飽き飽きしてたりしたのが、今回は成長の無さに飽き飽き、という進歩です。
周りから見たら牛歩のごとくですが、今年の冬はスポートルートを頑張りたいです。

2010年10月25日月曜日

冬の岩場、城ヶ崎

写真はあとで。

10月24日(日)は、同じチーム84の友人と城ヶ崎にて遊びクライミング。

普通、クライミングのゲレンデというのは、山岳地域の麓か中腹にあることが多く、林道やキャンプ場から徒歩10分から1時間といった立地条件です。
しかし、城ヶ崎海岸は言わずと知れた断崖絶壁の観光名所。
そこで、断崖の上を通る散策路を使ってアプローチ、観光客の来ない磯まで降り立ってから断崖をクライミングエリアとして利用する訳です。

伊豆に位置して冬も暖かい岩場なので、今の僕には最適なエリアです。
この冬は自分の成果もこの岩場で出したいな、と考えています。

今のところ、目標に考えているのは「シンデレラボーイ」(フェース、5.13a)、「マリオネット」(クラック、5.12a)です。
フェースは、自己最高グレードと同じですが、苦手の傾斜なので丁度良いかなと。
クラックは、登りやすいと評判のラインですが、クラックの最高グレード更新狙いには丁度良いかなと。

まだボンヤリとしたイメージですが、現物を見たり、コツコツやって行けば、目標として意識できると思います。

この日は、まだ暑いくらいでしたが、クラックの入門ルートを何本か登って来ました。
有名な5.11台の「ゴミステーション」も見てきましたが、あまりに難しそうで取り付けませんでした。

具体的なルート
あかねの浜エリア
持国天(ワイド、5.8)、増長天(クラック、5.8)、帝釈天(クラック、5.10a)、毘沙門天(ナチプロのフェース、5.9+,R)今思えば、これだったのか?、カーム・フライデイ(クラック、5.10a)
最後の1本だけは、以前に登ったことがありました。
この日は、雨で早上がり。

ちなみに・・・ (クライマー向けですが)
今回取り付いたルートは、プロテクション自体は登ってみたら良好でした。
ただ、クラックのサイズがめまぐるしく変わって先が読めなかったり、フェースムーブ主体でプロテクションを決めるタイミングが読めなかったり、最近本チャンに行ってない身には精神的に結構こたえました。
特に、トポには5.10+,Rと書いてあるけど、なんとかプロテクション取れそうだと見切って取り付いてるときなど、精神的には本気でした。

2010年10月24日日曜日

快速のリード講習

10月23日(土)は、ストーンマジックというジムにてリード講習。

今回は、2ヶ月前にムーヴ講習した2名に友人1名を加えた3名。
普段から、週2日程度のジム通い、ちょくちょくの週末山行を重ねている若いグループです。

ジムのボルダリング(ロープを使わずに、低い壁を登るクライミング)なら、すでに充分な人(僕より強いかも?)も居たり。
さらに、独学の自習もしっかりしています。

そんなわけで、リード講習は快速の一言。確認程度で済ますことも多いです。
基本のロープの結び方チェックから始めて、4時間後には仕上げのバンバン落ちる練習を始めてました。

さらに、せっかくだからと、オマケ講習でクラックのジャミング練習までして講習を終えました。
通常、僕はリード講習をミッチリやってジム3日くらいは掛けます。が、今回の皆さんは下地も体力もありましたね。

今回で、一通りは出来たんで、次回は岩場のリード講習という話になりました。

ちなみに、前回教えた内容が2ヶ月前より進歩していたことも、嬉しいことですね。
不器用な方が、僕の根気勝ちみたいに上達するのも達成感ですが、こんな風にガンガン進む講習も充実感があります(笑)。

具体的な講習内容
登り方のレベル確認(問題なし)、エイトノットの確認&手早い結び方などなど、ATC操作、クリップ練習、ビレイヤーの立ち位置、「やってはいけない」事例集、落ちる練習、ビレイで止める練習

オマケ講習
ハンドクラックのジャミング

2010年10月22日金曜日

山道具屋

今日から10日間ほど、四ッ谷の山道具屋デナリのオーナー(兼、店長)が不在につき人手不足です。

そのため、今日を含め、5日間ほど私も店員として働いております。

読図講習 at 川苔山周辺




10月21日(木)は、奥多摩の低山にて読図講習。
登山での読図(=地図の読み方)というのは、国土地理院発行の地形図を読みこなすことを言います。
地形図は、等高線が見やすいようにした白地図で、コースタイムなどの情報はなく、他の情報も極力省いてあります。

多くの場合は、2万5千分の1の縮尺のものを使います。
道に迷わないように地形上の現在地を把握しておいたり、登山道なきルートを通る際の大まかなライン決めに使います。

マイナーな山や冬山では、道が分からないことも多く、バリエーションや本格的な雪山ではそもそも道は期待できません。
そんな方には、もちろん必要な技術ですが、遭難防止の意味では、普通のハイカーにも身につけてもらいたい技術です。
非常用のロープワーク・搬送技術に比べたら易しい技術ですから、身につけるのも現実的です。

今回は、富士山ガイドで御一緒したお客様の登山講習第2回!
月1回程度の講習の他にも、自分でも月数回のハイキングを始めたそうで、体力も山慣れも日進月歩です。

登りは、登山道で小ピークやコルなどの現在地が分かりやすい場所ごとに、先読みの練習。
下りは、実際に道なきルートで、地図を頼りに下山していただきました。

次回は、ここまで培って来たものを活かして、日帰りでの雲取山にチャレンジする予定です。
(下山で、ヘッドライトの可能性ありの、ちょっと本気ハイキングルート)

具体的な講習内容
・オススメ予習文献
『山岳地形と読図』ヤマケイテクニカルブックスシリーズ(山と渓谷社)

・コース
古里駅~(赤杭尾根)~エビ小屋山~(南南東に伸びる尾根)~入川谷二又~(林道)~古里駅
 ※下山は、お客様がルート選びを実践練習するため、講師は基本的に黒子役。
  途中で分からなくなって登り返したり、林道直前でガケに出たら、講師がロープを出して補助したりしながら降りる。

ちょっと小雨で、雨具の上だけを羽織っての一日。
が、お客様のモチベーションが高く、全く問題にはなりませんでした。

2010年10月18日月曜日

小川山のワイドクラック





















10月16日(土)、17日(日)で小川山。自分の遊びクライミング。

今回は、「完全なる酒乱」という有名なクラックが目的。
難易度は、友人達の評判を総合するに、僕がどうにかオンサイト(初見・一撃)出来るかというレベルか?

クラックの広さは、僕がギリギリ入れるか入れないか。中に入れば動きにくく、外に出れば掴み所がなくて難しい。
そんな訳で、僕にとってはサイズが悪く、友人の評判以上の苦労。限界ギリギリのトライでした。

ムーヴの面白さもさることながら、スッキリした幅広のクラックは、人を強く惹き付ける顕著さです。

結果は、限界ギリギリの完登で、かなり嬉しかったです。
ワイドは、ちょっとだけ上達した気がしますし、本気トライとしてもヘロヘロになって充実しました。

2日目はパートナー優先気味で、ボチボチでした。
が、2日間で「一度は登っておきたい」ルートを何本か登れて、まずまずの週末でした。

具体的なルート
初日(砦岩前衛壁)
「お手伝いします」(フェース、5.10a、オンサイト)、「はさみ虫」(クラック、5.10c、オンサイト、見た目より悪くて意外と充実)、「完全なる酒乱」(クラック、5.10c、オンサイト)、「ばんざいジャム」(クラック、5.10c、フラッシュ)

2日目(親指岩、お殿様岩)
「小川山レイバック」(クラック、5.9、再登)、「クレイジージャム」(クラック、5.10d、再登)、ルート名無し(予期せぬプレゼントの左側面の顕著なワイド)(クラック、5.9?、オンサイト)

2010年10月15日金曜日

即席!クラック1夜漬け講習



10月14日(木)は、湯川にてクラック講習。

今回のお客様は、週末に「太刀岡左岩稜」(クラック交じりのマルチピッチ。5.9)をフォロー(リードではなく後続)する予定が決まっているという。

しかし、御本人は、クラック登りの初歩(ジャミングもカムの使い方)も知らず。

だからと言って、「フェース登りが得意でガッツでフォローできる」なんて自信も無い!

というわけで、「急な予定なので、とりあえず基本的なことだけでも・・・」という御依頼。

とはいえ、よっぽどフェースが上手くないと、1日で教えきるのは無理なんですよね。
ジムで5.10aくらいの方だと、クラックのリード習得には最低4~5日の講習が必要です。
できれば、クラックでも超入門の5.8ぐらいリード出来るくらいの方が、フォローしても楽しめると思いますが。
とりあえず、やれることはやりました。
今回はフォローですから、なんとかなるでしょうか?
リーダーの実力がギリギリでないことを祈ります。
あとは、御本人の根性次第ですね。

ただ、これを機会に、クライミングの幅を広げることが出来れば最高です。

具体的な練習内容
・基本的なジャミング(トップロープで、ハンドジャム・フィンガージャム・フットジャム)
・カムセットを取り付き付近で練習(効いていないカム、効かせ方のコツ、困難な回収パターン)

ちなみに、今回のお客様はよく名前を聞く山の会に所属されているとのことで、共通の友人クライマーが何人も居ました。
問い合わせは、Webで見つけたとのことでしたが。

2010年10月14日木曜日

ムーヴ講習

10月13日(水)の夜は、ランナウトにてムーヴ講習。
お客様は、常連Yさんと山岳会仲間のTさん。

今日は、具体的な講習内容の話なんで、クライミングをやったことない方はパスして下さい。

今回は、超基本ムーヴの3つ目「正対」です。(ちなみに、残りの2つは、カウンターバランス、バックステップ、と分類しています。)

僕の考える超基本ムーヴは、クライマー達がムーヴと意識せずに歩くように登る動きです。

ちなみに、普通はムーヴとして意識するのは、フラッギング、フック、掻き込み、デッドポイント、等々。

超基本ムーヴとはいえ、これを適材適所に使う技術は、意外と奥が深いものです。
僕ら中級クライマーでも、「正対かな」と思ってやっていたら、やっぱり他の動きの方が良かったりということも度々です。

まず、講習では、それぞれの動きの利点やら、フォームの基本的なコツを叩き込みます。
あとの奥深い部分は、あまりにも複雑な物理になりそうなので、経験で体に染み込ませるものでしょうね。

「歩くように」とは言っても、ジムの垂直以上の壁で5.10bくらいまでなら、ほとんどこの超基本ムーヴしか出てきません。
ってことは、これが綺麗に出来たら、「一見したら上手いクライマー」というぐらい楽に着実に登れます。

ちょっと不器用な方も、石田塾に来たからには、まずはここを目指して行きましょう。
簡単なルートを楽に登ることは、将来的にも色々なプラスがありますから。

2010年10月12日火曜日

甲府幕岩

10月11日(月)は、山梨のクライミングゲレンデ「甲府幕岩」で練習。

この岩場は2年ぶり。
前回来たときは、5.13aを登った翌週。人生最高にスポートクライミングが登れた時期でした。
(29歳にして、年寄り臭い話ですが)

その日は、オンサイト(初見・一撃のリード)最高グレードを更新。
ルートは、「アフリカ象が好き」(5.12a)。ついでに、「オンリーワン」(5.11dだが、かなり易し目)もオンサイトしたオマケつき。

今日は、色々言い訳(疲労とヌメリ)はあるものの、昔の自分には遠く及ばず。

その2本を必死こいて、ロープにぶら下がりながら、上に突破するのがやっと。

我ながら、「よくこんなのオンサイトしたなぁ」と、2年前の自分の背中を遠く感じました。
が、今は今で、着実に復調してるので、本日の落ち込みはゼロです。

具体的なルート
モカ(クラック、5.8、フォロー)、ルート名無し(オンリーワンの右のコーナークラック、体感5.9、フォロー)
オンリーワン(フェース、5.11dだが易し目と評判、2便で再登)
アフリカ像が好き(フェース、5.12a、ムーヴ解決せずにトップアウトするのがやっと)

ちなみに、一緒に行ったK島嬢は、「オンリーワン」をR.P.し、最高グレードを更新しました。グレード更新おめでたいながら、ちょっと物言いが付きやすいルートなんで、次を早く登らないと(笑)。

2010年10月10日日曜日

にわかボルダラー

最近は、暇に任せるようにジムでクライミング。
今週に限っては、緩く登った日も合わせたら、6日連続。
実質、毎晩に近いですね。

とりあえず、ダラダラ気味の練習でも、毎日登れば復活してくるものです。
徐々に復活するのに気をよくして、この数日は結構本気っぽくなってきました。

ただ、レスト日が少ないと、さすがに回復も大切です。

今夜は、久々にアイシングしたり、プロテインを飲んだり、野菜&鶏肉をいっぱい食べたりしてみました。

プロテインはよくわかりませんが、他の2つは効果を実感しますね。

富士山ガイド仲間で、トレラン世界レベルの選手の友人が、「アイシングと運動直後の栄養補給が(回復・成長に)1番効きます!」と熱弁してたのも、良い励みになります。

とりあえず、ここんとこ1週間は、ジムのボルダリングが1番の興味対象?
もうすぐで、ジムボルダーは完全復調できると確信してきました。

ジムなら、凍傷が治った足指が痛いほどのエッジに立つことも少ないですし。

冬には、フリークライミングの岩場で、成果出したいものです。

2010年10月8日金曜日

オートビレイ器、つけ忘れ

10月7日(木)の夜

ランナウト(クライミングジム)に居たら、上から人が落ちて来ました。
明らかに、結構高いところからだと分かる勢いで。

足で着地してから倒れこんだ形で、本人もビックリしたように起き上がり、事態を理解し、謝り始めました。
本人は驚きすぎて記憶が曖昧ですが、3メートル以下の墜落で、足からの着地で頭も打っていないに等しく、すぐに救急車という判断には至らず。
それでも、本人も周りも大変な驚きようでした。

原因は、オートビレイ器(1人で登るときの命綱。綱ではなく、ワイヤーだが・・・。)のつけ忘れ。
ジムの壁は10m近いので、死ぬこともありえます。

ありうることだと分かりきってて、たまに噂も聞く事例なので、私は全く驚きませんでした。
が、周りのお客さんはビビッている人もいたり。
逆に、僕も含めた店のスタッフ達は、最初だけ対応したものの、冷たいくらいに冷静でした。




思うに、危険に対する覚悟の差だと思いました。
他人の事故を見てビビる人は、自分も死ぬかもしれないという覚悟(想像)が足りないのでしょう。

僕は、普段から自分の葬式を想像しながら山に登るという超冷静な側面があります。
そんな僕でも、最初に友人が遭難死したときはショックも受けましたが、それを機会に想像はし尽くした気分です。

山に関する契約(講習やツアーに参加、クライミングジム利用規約、など)では、自己責任がうたわれますが、やっぱり最初は想像不足になります。
しばらくクライミングをしたら、自分の覚悟を疑ってみる機会があっても良いと思います。

何かの機会に、冬山を辞めてハイキング専門になった友人など、山の範囲を狭めることは多々あります。
ただ、その機会が、親しい人の死であっては欲しくないものです。
まして、覚悟を問われたらクライミングを辞めるような人がクライミングで死んだら・・・、といった可能性もあります。


ちなみに、覚悟と言っても、「めちゃくちゃ危ないことオッケー」という訳ではないです。
むしろ、僕は受け入れられる危険度は低い方なので、「本格的な登山では、8割敗退でも良いや。」という側面もあります。

自分が受け入れる危険度の範囲はそれぞれですが、その範囲内で事故があっても、冷静に受け入れる覚悟だけはあった方が良い、ということです。


あともう一点。
覚悟だけではなく、注意で事故が減らせるのも確かです。

僕は、ロープを結ぶときは、声出し指さし確認(結びオッケー、通しオッケー、折り返しオッケー、など)をオススメしています。
2名でロープを組むときは、お互いに。1名のときは、誰も聞いてないけど声出して。

むしろ、講習会をオススメする立場からすると、こっちの方が重要な話だったのかな?
こういうシステマチックな方法は、講習で最初に覚えれば、登山者・クライマーとして成長過程で危うい橋を渡る回数も減るでしょう。

ビレイやマルチピッチのシステム講習、雪上訓練は受けといて損はないと思いますね。




でも、注意で事故がゼロにはならないことも、勘違いして欲しくないポイントです。

2010年10月6日水曜日

山の店デナリ

10月6日(水)は、山道具屋デナリに久々に出勤。
あまり覚えていないんですが、アラスカ前の3月に出勤したような、それとも昨年末に出勤したのが最後だったか?
とにかく、半年以上は出勤してない状態でした。

道具や服装には無頓着な僕ですが、2年くらいはこの店で勤務していた経緯もあり、道具を意外と知っている部分もあります。
それが、今もインストラクター業で、お客さんに道具のオススメを尋ねられたときに役立ったりもします。

ちなみに、本日は、パタゴニアというブランドの、冬物ウェアの一部(ダウン、フリース、など)が入荷してきました。
山道具屋は、洋服屋的な側面もあり、早くも冬山シーズンに入り始めていますね。

足の位置

10月5日(火)の夜は、ランナウトにてジム講習。
常連Yさんと、その山岳会仲間で講習参加2回目のTさん。

本日は、超基本ムーヴ3つのうちの2つ。

クライミングのムーヴというのは、(多くは片手で)次の手掛かりを取りに行く際の、足(もう一方の手に対して、足2つがどんな位置にあるか?)の形で90%決まります。

もっと言うと、足の位置と、足場に置くときの爪先の向きで決まります。

感覚的に理解するなら、「1番楽な足の位置と態勢」くらいの感じです。

でも、これを木登り上手の子供のように感覚的に理解出来る人と、コツコツ基本型を覚えないと力が抜けない人がいます。

後者の方にこそ、ジムでの講習が有効です。
今回は、そんなムーヴを選択していく力が、「Yさん伸びたなー!」と感じることが多々。

決して器用な方ではないだけに、嬉しいことです。

2010年10月3日日曜日

小川山クライミング




10月2日(土)、3日(日)で、小川山にて自分の遊びでクライミング。
同じ山の会のS本先生と、ガイド試験仲間で全科目を1年で終えた偉業を持つS藤くん。

入門クラスのルートばかりを登ってのリハビリクライミング。

ただ、ちょっとテクニカルだったり苦手だったりのルートを選んで、「普通に登れるけど、ちょっとツラい&やや練習になる」を狙ってみました。

いい加減リハビリクライミングにも飽きが来てるんで、色々と試しています。


具体的なルート
(両日ともマラ岩・妹岩のエリア)

1日目
愛情物語(クラック、5.8)、届け手のひら(スラブ、5.10c、2回登った)、横恋慕(直上バリエーション)(クラック、5.10c、Flash)

2日目
ムードはいい線(クラック、5.9)、カサブランカ(クラック、5.10a)、ジャックと豆の木(クラック、5.10b/c)、届け手のひら(スラブ、5.10c)、ホリデー(スラブ&クラック、5.9だが怖い)

しかし、こうして自分の登ったルートを振り返ると、さすがに少し手抜きクライミングに偏っていたでしょうか。
でも、色々な感覚を思い出したのは良かったです。

ちなみに、
S本先生は5.12b/cのルートを練習中で、S藤くんはスラブとワイドっぽいクラックで結構な洗礼を受けてました。

2010年10月1日金曜日

湯川クラック・小川山スラブ







9月30日(木)、10月1日(金)で小川山でクライミング講習。
って予定が、初日は小雨につき湯川に変更。
今回は、新潟県のお客様1名。

初日に行った湯川の岩場は、岩が若干ひさし状になっている上に、森の中で小雨くらいなら濡れない岩場です。

ただし、湯川はクラックの練習ゲレンデで、普通のボルトルートのクライミングも未熟な方には、敷居が高く、半ば泣きが入るエリアでもあります。

ただ、今回のお客様はジムでは普段からリードもしているという方なので、気合いを入れてチャレンジ!
1番易しいルート2本を、クラック特有のテクニック(ジャミングなど)練習をしながら何度も登って頂きました。

とはいえ、1日の終わりに結構な上達が見られたことは、嬉しいことです。


2日目の小川山は、スラブ(のっぺりした一枚岩のこと。手掛かりが少ないので、傾斜の緩いものをクライミング対象とするのが一般的。)の練習。

足の置き方を中心に、これまた奥の深い世界です。
今日は、岩も湿気ていたので、クライミング練習半分、リードや支点作業などのロープワーク半分といった講習内容。

マンツーマンなので、ゆったりしつつ、結局は充実といった1日。

まだまだ自分で岩場に行くには恐いことだらけでしょうが、今日で3分の1くらいは知ることが出来たんじゃないでしょうか?

「行きたい山は海外含め色々」という方なので、今回のことを是非活かしてほしいです。