2010年9月27日月曜日

ガイド試験、合格

先日受験したガイド試験の合格通知が来ました。

これで、全科目を終えましたので、もうしばらくで日本山岳ガイド協会の認定ガイドになれる予定です。

僕が得るのは、日本山岳ガイド協会の「山岳」ガイドという資格です。

この協会には、職能範囲(ガイド可能なルート)ごとに、様々なランクの資格があります。

最上級から順に、
・国際ガイド(フランスなどの複数の外国でもガイド可)
・登攀(日本のあらゆる難ルートもガイド可)
・山岳(ロープを使う登山、雪山のうち、一定レベルまではガイド可)
・登山(夏山一般登山道をガイド可)
以下、様々といった具合です。


今回の認定を期に、石田登山塾としても幾つかのルートガイドを実施しようと考えています。

僕は、お連れすることよりも教える方が得意ですが、やっぱり最初は連れていって欲しい気持ちも分かりますし、ベテランのやり方を見るだけでも勉強になるでしょう。
その上で、無茶に突っ込むよりは、ガイドの安全確保のもと山を勉強することも、良いことでしょう。
例えば、雪山に行くにも、雪上訓練を受講するだけでは不安という方は、1回2回はガイド登山で雪山に行くのもアリですよね。

ただ、一生自立は考えず、連れていって欲しい人は、もっとガイドとして優秀な友人を紹介します。
一口に認定ガイドと言っても、技術レベルやプロ意識は天と地ほども違いますから、是非とも御相談下さい。

僕は、ガイドやクライマーとしては大したことなく、教えることで発揮されると思います。


具体的なガイド可能ルートの例
(お客様とガイドの比率は、ロープ確保のシステム上、マンツーマンが基本ですので、講習料は割高になります)

無雪期
・槍ヶ岳、穂高岳、剣岳などを含む、夏山登山道の全て(ツアー登山との違いは、滑落に備えて、マンツーマンなどで全てロープで確保します。)
・岩稜、沢登りの超入門バリエーションの幾つか

積雪期
・八ヶ岳、南アルプス、谷川岳などを含む一般登山道
・八ヶ岳の阿弥陀北陵などのバリエーションの最初の一歩的なルート

詳細は、追ってホームページにアップする予定です。

今後とも宜しくお願いいたします。

富士山ガイド、反省会

9月25日(土)、富士吉田市にて富士山ガイド組織の反省会に行って参りました。

なんだか、「反省会」という名前が仕事っぽくないのですが、つまりはシーズン終わりの全員集合の会議です。

富士山ガイドの仕事は季節労働なので、オフシーズンの仕事のほとんどをメール連絡などで済ませています。
したがって、40人以上のガイドを集める会議は、年間2回しかなく、重要なこと全ての決議の場です。

今年は、新人教育を担当してきましたが、来年はベテランガイドの更新試験を新設する担当になりました。
大先輩方が色々なイメージや危機感があっての提案ですので、ちゃんとしたものを考えて行こうと思います。

ちなみに、僕はプログラム新設を考えるのは好きですが、事務処理、炊事などの細かい仕事が大の苦手です。
組織の先輩方には、適材適所に使って頂けてありがたい限りです。(笑)

2010年9月24日金曜日

クライミングのトラブル対処法

9月23日(木)、本来は三ツ峠でマルチピッチ講習の予定でした。
しかし、雨でストーンマジックのロープワーク訓練に変更。

お客様は、石田登山塾の常連にして宣伝部長Uさん。

マルチピッチやバリエーションでは、色々なトラブルが付き物です。

理想的には、怪我人のレスキュー技術を習得した方が良いです。
しかし、岩場でのレスキュー技術は複雑なロープワークであり、覚えるのが容易ではありません。

ただ、一歩を踏み出さなければ、永遠に身に付くこともありませんし、最初の一歩はレスキュー技術というよりも自分のトラブル対処法ぐらいのレベルで、逆に覚えてないと問題なくらいです。

今回の講習で、改めて「この技術を伝えることの大切さ」、逆に言えば、「これを知らない登山者が多いだろうこと」を再認識しました。
初級バリエーションを目指す方々、ロープワークは一回プロに見てもらった方が良いですよ。
危機感が沸くと思います。

本日の内容
・仮固定(懸垂下降の空中停止、パートナー墜落時のビレイヤーの脱出)
・懸垂下降のバックアップの取り方色々(場面に応じて)
・ATCガイドなどのビレイ器を落としたときの対応
・登り返し(登れない壁を、ロープだけで登る。懸垂下降して、やっぱり戻らざるを得ないときなど)
・解き易い結び各種

こういった小さいトラブルシューティングを学ぶなかで、ロープワークに対する考え方もしっかりしてくると思います。

雨の日は、こんなトレーニングも充実しますよ。

ジム講習2連発

9月22日(水)は、ランナウトにてジム講習が2つ連続で入りました。
まさに授業!ちょっと教員志望の時代を思い出します。

�昼の部
冬山やバリエーション志向の親子組。なんと、お子さんは小学校6年生。

まだじっくり話す機会も無いので、自己責任の世界を本当に理解できる成熟度かは判りません。
それもあって、他人の命を預かるビレイはまだ教えていません。
ただ、本当に山をやりたいようで、今年は「ピッケルだ!」という状況。
子供好き、教え好き、山好きとしては,嬉しい悲鳴ですね。

リスク管理意外にも、リスクを内包する世界に踏み込むことを、どうやって伝えるべきか。
単に仕事としての僕の責任問題とかいうレベルを越えて、是非とも小さな冒険を続けてもらう方向ではありながら、新たな悩みになりそうです(笑)。

�夜の部
月一回通って下さるYさんと、その御友人。

Yさんは、これまで白内障で課題テープの色が見られなかったのが、手術を乗り越えて色の判別が出来るようになりました。
これから、いよいよテープの限定課題が登れますね。足限定でないと、教えられないこともあるのです。

そして御友人は上手かった。力の弱い女性ながら、ムーヴの丁寧さと足の場所選びは、イレブンクライマー(初心者の1つの憧れ的な目標。イレブンが登れたら、少なくとも初級者とは言える。)並みでした。
力を付けることを意識しつつ、色々と教えていきたいのですが、どうでしょうか。

2010年9月21日火曜日

登山体験

9月21日(火)は、奥多摩で登山体験の講習を行って来ました。



















お客様は、富士山でお客様だった方でハイキングを始めた方が1名と、その友人で実質的に山初めての方が1名。

まずは、装備の事前準備のメールやり取りから始まり、出発前には靴紐・ストック・ザックの使い方だけを説明。
そして、基本的には普通に登山を体験して頂きます。

休憩ごと、危険箇所ごとに注意事項は説明していき、タイミングを見て歩き方のコツも少し教えます。

あとは、頂上にて、僕の今回の全装備を公開し、ツエルトや非常食、ファーストエイドキットといった緊急用品についても、説明しました。

今回で、「学んだー」といった感想は得られないでしょうが、まずは「山ってこんなものなんだ」という認識を持って頂ければと思います。
もちろん、初心者だけに普段以上に、山の色々な要素を楽しみつつですね。
その意味では、講習とガイディングの中間的な仕事です。

せっかく始めた山ですから、続けていって欲しいですね。

具体的なコース
御嶽駅、(バス)、(御岳山ケーブルカー)、御岳山、大岳山、海沢探勝路(地図上は点線の難路)、奥多摩駅

2010年9月20日月曜日

ワイドクラック

9月18日(土)から20日(月)の3連休は、自分自身のクライミング練習に行ってきました。

凍傷やら富士山やらガイド試験で、仕事が無い日も休むかジム程度という疲れっぷりな日々。かなり遅まきなシーズン始めになってしまいました。

今回は、山梨県はミズガキ山の麓にある不動沢という沢沿いのクライミングエリア。

クラッククライミングという、自然の岩の割れ目を登るジャンル主体の岩場です。

さらに言えば、この岩場はクラックも広めのもの(ワイドクラック)が多く、体が全身スッポリ入るものや、半身入るものばかり。

人工壁(ジム)とは全く異色。全身をズリズリ言わせて奮闘するクライミングです。

クラッククライミングの魅力は、安全確保の支点も含めて自然そのものを登る達成感、支点のセットや登る動作そのもののテクニカルさ、などがあります。
中でも、今回のワイドクラックは、人工壁などのテクニックや筋力が全く通じないに等しい分野で、独特かつ奥深い技術の世界が広がっています。
そして、ワイドクラックは、その目立つ風貌からも人を強く惹き付け、全身運動させてボロ雑巾にしてくれます。

まぁ、本当に面白い世界ですよ。将来的には、こっちに重点を置くのも良いかも。


具体的に登ったルート

1日目:不動沢愛好会ルート1P目(5.9)、よろめきクラック(5.10a)O.S.、エンペラークラック(var.5.9ハチマキトラバース)O.S.、その他。

2日目:トライアングルフェースチムニールート(5.9)O.S.、牛乳瓶クラック(5.10c)O.S.

3日目:朝方2時間だけ、よろめきクラックにトップロープを張って、色々とムーヴを試す練習。
最近の恐ろしい高速渋滞を避けて、早めに帰宅。

「よろめきクラック」が、不動沢の入門ワイドの看板ルートとなっています。「これがR.P.出来たら不動沢の敷居もまたげる」(色々な意味で、不動沢は敷居が高いイメージ)とか話していたので、パートナーもR.P.出来て喜んでいました。

グレードが低くて驚くかもしれませんが、僕は現代クライマーの中では、ワイドクラックが苦手な方ではありませんよ!

2010年9月17日金曜日

インドアクライミング

火水木金と、クライミングジムのランナウトで登りました。

簡単なルートを登ってのクライミング主体ですが、結構苦労するルートも1日だけやりたした。(5.11aから5.11bを合計6本)

あとは、地味にルートを作ったりしています。
今のところ、合計7本。簡単なのは5.7、手応えがあるのでは5.11cまで。
垂壁中心なので、お好きな方は是非ともトライあれ!

登るにつれ、段々とクライミングへのモチベーションが回復してきました。
この冬は凍傷になりやすい分、フリークライミング中心の予定です。まぁ、今の心境は、かなり山にビビり気味なんで、丁度良いでしょう。

まずは、調子戻しからコツコツやって行く所存です。

2010年9月13日月曜日

大岳山(おおたけさん)の下見

1週間後に控えた、初心者向けの奥多摩の登山講習に向けて、ルートを下見してきました。

ルートは、奥多摩駅・鋸山・大岳山・海沢探勝路・白丸駅。
元々は、最後に越沢バットレス見学を加える予定でしたが、行ってみたら結構行程が長くて、割愛を決定。
具体的に予想より厳しかったのは、奥多摩駅〜鋸山のコースタイムがかなり辛い、海沢探勝路の道が予想より悪い、という2点。

下見に行って良かったです。多少ルートを変更したいと思いました。

写真の通り、海沢の滝は迫力ありますね。

エンジョイクライミング





9月12日(日)。
急に予定が空いて、K島さんと三ツ峠に行ってみました。

三ツ峠は、初級者エリアとして有名な所で、人を教える以外では行くことがありませんでした。
が、登っていないクラックも沢山あり、そう馬鹿にしたものではありません。

簡単なルートながら、コツコツクリアしていく感じは、マルチピッチの原点を楽しむ感覚で良かったです。

クライミングは頑張らないと面白さ半減というのも分かりますが、マルチピッチは登山や旅の要素が強いので、こんな風に楽しむのもアリかと思います。

ちなみに、クライマーの方向けの具体的な話ですが。
K島さんがテンションしまくりのワイドクラックがあり、「5.8はあるよなぁ」と話していたらⅤ級(5.6)でした。
侮りがたし!

2010年9月11日土曜日

ジムのルート

今日は、久々のクライミングジムがてら、ルートを設定しました。

クライミングジムのルートというのは、スタッフや常連さん達が、作っているものです。
芸術作品とは思いませんが、ある程度のクライミングキャリアがないと駄作になりやすく、厳しいと思います。

ジムに通ってないので、勘は鈍いわ、グレード感覚も無くなってるわで、かなり苦労しました。

とりあえず、暫定で5.10dと5.11bです。興味ある方はどうぞ。

2010年9月10日金曜日

ガイド試験

剱岳から帰って来ました。
試験前の3日間を自主トレ、4日間が試験本番です。

試験の最大の山場は、お客様を安全に連れて歩くロープ技術を、剱岳の源次郎尾根(バリエーション入門ルート)でガイド役になって実践して見せることです。

詳細は省きますが、ガイド技術は難しい技術です。
僕は6年前に練習を始めましたが、3年前に断念。理由は、アルパインクライミングなどの経験不足です。

そして、1年前に練習とガイド試験を再開し、まずまず順調に受験科目をこなしています。

今回で合格すれば、日本山岳ガイド協会の「山岳ガイド」資格が得られます。

もしそうなったら、石田登山塾でも、バリエーション入門ルート(八ヶ岳の阿弥陀南陵、剱岳の雪渓ルート、など)を実際にお連れする講習を開こうと思っています。
落ちたら、来年この科目を再受験でしょうか。
試験の結果は、約1ヶ月後に発表です。


ちなみに、今回の具体的な行程。

自主トレ
9月3日(入山&偵察)
室堂バスターミナル、剱沢小屋キャンプ場(テント設営)、源次郎尾根末端の偵察

9月4日(1人でバリエーションルート&午後は受験生仲間とロープ技術の確認)
剱沢のテント、長次郎谷右俣、長次郎の頭、剱岳頂上、登山道にて剱沢のテントに下山。午後は別山の岩場にて、受験生仲間と練習。

9月5日(2人で実践練習)
剱沢のテント、源次郎尾根、剱岳頂上、登山道にてテント場、テントを回収して室堂に下山。
(人生で初めて、自分の意思で、休養のために山小屋に泊まる!)

試験本番
9月6日
試験初日。剱御前小屋に入山。ロープ技術の確認。

9月7日(最大の山場)
源次郎尾根の本番。剱沢小屋泊。

9月8日
台風接近につき、室堂に下山。
室堂山荘にて、ロープ技術や読図の確認。

9月9日
龍王岳東尾根という、初見(しょけん)のバリエーションルートで試験。
下山中に、背負い搬送のトレーニング。
昼頃、室堂にて解散。

毎度のことながら、試験は精神的にも疲れますね。

2010年9月2日木曜日

剱岳(つるぎだけ)

今日発の明日入山で、北アルプスの剱岳に行ってきます。

剱岳は、最近映画にもなりましたが、その名の通りの岩山です。
夏は、ハイキングルート最高難度の1つ、冬は、普通に1番簡単なルートから頂上を目指すのでも大変な雪山、として知られています。
僕も、夏の岩登り、GWの氷登り、冬は頂上目指して行けども敗退など、と何かしらで毎年お世話になる山です。

今回は、9月6日(月)から9日(木)に、剱岳で行われるガイドの資格試験を受験するのと、その練習に事前に現地入りするためです。

今回の試験、本題はガイド用のロープワーク(通称、ショートロープ)です。ロープワークと言っても、型そのものは単純で誰でも理解できます。が、実際の山の状況に合わせて使うことが難しく、アルパインガイドさん達の凄さを実感いたします。

これまでの経験から分かっていることは、「歩き方が上手くないと話にならない」、「どの方法を選ぶかの判断は、ほとんど登山経験に比例する」です。もちろん、ある程度はロープワークの実践練習が必須です。

が、今回は準備不足で実践練習は少ないです。ただ、一時は凍傷で受験不可能もよぎったくらいですから、良かったと言えます。
とりあえず、頑張ってみます。

2010年9月1日水曜日

ランナウト改装

今日は、久々にホームジムのランナウトに行きました。

そして、今日はランナウトのロープクライミングエリア改装が終了し、新装開店の初日!

写真を取り忘れたのが残念ですが、やっぱり新しい壁は見易いです。カーペットも一新し、気分も新たです。

ただ、僕はだいぶ疲れてたんで、久々のトレーニングもダラダラでした。試験が終わったら、クライミングやらないと。

一応、ルートを垂壁に1本(5.10c)作りましたんで、興味ある方はどうぞ。